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放置すると危険!手のしびれ最新見分け術
2008年07月16日放送
ガッテンでは以前、「足のしびれ」が命に関わったり、寝たきりになったりしかねないということをお伝えしました。そこで今回は「手のしびれ」。
街で聞いてみると、手にしびれがある人は非常に多いようです。しかし、みなさん深刻には考えていないようで、病院まで行く人は多くありませんでした。ところがよく調べてみると、手のしびれを放置していると「重大な病気」や「障害が残るような病気」が隠れていることがわかりました。
そこで、あなたのしびれが、命に関わるものか、そうでないか簡単に見分ける方法をお伝えします。
「似て非なる手のしびれ」
症例1・Aさんの場合: 10年ほど前から右手がしびれはじめました。大したことはないと思って放置していたところ、湯飲みを落とすなど、物がしっかりとつかめなくなってしまいました。しびれていた場所は、親指、人さし指、中指、薬指の半分までです。
症例2・Bさんの場合: 去年の2月くらいから左手がしびれはじめました。しびれた場所は、親指、人さし指、中指で、薬指と小指はしびれなかったと言います。
AさんとBさんのしびれている場所の違いは、薬指が半分しびれているかどうかだけで、ほとんど同じように見えます。しかし実は、Aさんは「物がつかめなくなる病気」、Bさんは「命にかかわる病気」だったのです。
「これがしびれの根幹だ!」
まずは、Aさんの「物がつかめなくなる病気」について詳しく見ていきましょう。
Aさんは、徐々に日常生活に支障が出てきたと言います。手に感覚がなくなり、細かい作業に大切な親指が思うように動かなくなってしまいました。
その原因は、親指の筋肉がやせてきてしまったからです。病院での診断結果は、今まで聞いた事もない「手根管(シュコンカン)症候群」という病気でした。
ガッテンの街頭アンケートでは、この病気のことを知っている人はいませんでした。ところが、アメリカではよく知られている病気のようです。実際、街頭でアメリカ人に聞いてみると、確かにみなさん知っていました。日本ではあまりない病気かと思ったら、片手のしびれの患者の中では、最も多い病気だったのです。
手根管症候群は、アメリカでは「Carpal Tunnel Syndrome(略してCTS)」と呼ばれ、パソコンのキーボードやマウスの使いすぎで発症すると言う説があり、マスコミなどでさかんに取り上げられました。
しびれとはどんな現象か
たとえば正座した時の足のしびれの原因は、血管や神経が圧迫され、血液不足に弱い神経がパニックを起こすことです。このように、しびれている場所の神経が、直接圧迫されているわけではありません。
ひじの骨を軽く叩くと、小指と薬指半分だけがしびれを感じます。なぜなら、手の表面の神経には、経路の異なる2つの神経があるからです。手根管の中を通る神経は、親指、人さし指、中指、薬指の半分までを通っています。一方、薬指のもう半分と小指は、別の経路を通っています。
手根管症候群の原因は?
直接の原因は、手根管の中で起こる何らかの炎症などです。手首の使いすぎで発症しやすいとも言われていますが、ほとんどの場合は不明です。また、透析治療している方や、妊娠中、妊娠後に発症しやすいというデータもあります。
親指の筋肉がやせてしまった場合、治療すれば治るの?
一度筋肉がやせてしまった場合、治療してもなかなか完全には戻りにくく、時間をかけてじっくりと治すしかないということです。
Aさんも言っていたように、筋肉がやせてくるのと同時に、指の感覚も鈍くなってきます。手術をして、神経の圧迫を解いてあげると、しばらくすると感覚は戻ってくるそうです。
なお、手根管症候群を長年放置し続けると、筋肉がやせてくる可能性は高いものの、自然に治ってしまうケースもあります。
また、手根管症候群になると、夜間や明け方にしびれが強くなることがあるそうです。手を振ったりすると、一時的に治ったりするのも特徴の一つです。女性に多く見られます。
「手根管症候群、簡単チェック法」
手根管症候群かどうか、見分ける方法を探すために専門家を訪ね、驚きの簡単チェック法を教えてもらいました。手根管症候群と診断されている方に、そのチェック法を試してもらうと、しびれが強くなると言います。このポーズをして、しびれが強くなった場合は手根管症候群と判断できます。
手根管症候群を見分ける、1分間の簡単チェック法
両手の手首を90度におりまげて、胸の前で手の甲同士をくっつけた状態を1分間続けます。ファーレンテストといいます。

ただし、ファーレンテストでも発見できないケースもまれにあります。神経内科、整形外科では、神経の電気伝導検査が確定診断になります。手のしびれがある方が、ファーレンテストでしびれが強くならない場合でも、手根管症候群でないとは言い切れません。
薬指の半分はしびれないこともある
親指、人さし指、中指だけしかしびれないこともあります。薬指はルートの違う神経が2つあるために、自覚症状としてあまりしびれを感じないこともあります。一方、ファーレンテストをしても薬指の半分がしびれてこない場合は、別の病気も考えられます。神経内科などで検査してもらってください。
なお、手の甲側は、橈骨(とうこつ)神経という別の神経があります。手根管症候群のしびれは、手のひら側だけです。もしも、手の甲側がしびれる場合は、別の病気が考えられます。
また、基本的に手根管症候群でしびれるのは片手ですが、両手同時に症状が起こる場合も少なくないという報告もあります。
「命にかかわる手のしびれ」
今度はBさんのケースを詳しく見ていきましょう。
親指、人さし指、中指だけがしびれていたと言うBさんは、テレビの医学番組を見て、自分のしびれは「手根管症候群」だと確信しました。
ところが病院で検査してみると、なんと意外にも「脳卒中」という診断が下されました。Bさんは、手と同時に、別の“ある場所”もしびれていたことを思い出しました。
専門家に、脳卒中の症状には、手と同時にしびれる場所があるのか尋ねてみました。すると、手と同じように非常に敏感な“ある場所”が、同時にしびれる場合があるというのです。
そこで実験。若い女性に協力してもらい、手と同じように敏感な場所を探してもらいました。たとえば、2本の串を腕に当てるとなぜか「1本」にしか感じませんが、指先に当てるとしっかりと「2本」と感じます。指先と同じように感じる場所は、「口」でした。
手と口が同時にしびれると、脳卒中?
脳から全身へ指令を出す中継地点が「視床」です。この視床の中の感覚を司る領域では広い部分を「手」と「口」が占めています。よって、視床で出血や梗塞(こうそく)が起こると、手と口が同時にしびれることが多いのです。この症状は、手口感覚症候群と呼ばれています。「手がしびれる場合に、口も同時にしびれる」というケースの場合、脳卒中の可能性が高いです。
脳卒中と聞くと、マヒしたり倒れたりするイメージがあるかもしれませんが、手口感覚症候群は、小さい出血や梗塞で起きます。この場合は、しびれだけの症状であり、日常生活に大きな支障はありません。ただし、この小さな出血、梗塞のサインである「しびれ」を放置してしまうと、その後、大きな出血が起きる可能性が高いといえます。
視床は、脳卒中が起こりやすい場所の一つです。視床で脳卒中が起きたということは、それ以外の部分も脳卒中になりやすいということです。早急に病院で診察を受けることをおすすめします。
なお、脳は右脳と左脳に分かれているため、どちらか片方の手がしびれることがほとんどです。しびれる場所は、ケースによって異なります。
「寝たきりにつながる“手のしびれ”」
両手のしびれを経験し、その後手術までした3人の方々のケースを紹介します。病気になった場所は首で、病名は「頚椎(けいつい)症性脊髄(せきずい)症」。最悪の場合、寝たきりになってしまう怖い病気です。症状は、両手のしびれからはじまり、悪化すると歩行困難になります。その原因は、首の骨の異常が脊髄を圧迫したことです。
この病気かどうか見分ける方法を探るために、この病気の経験者3人に聞いてみると、「目薬をさすとき」「黒板に字を書くとき」にしびれを強く感じたと言います。その共通点は、「上を向いたときにしびれを強く感じる」というものです。
【注意】急に首をそらさないでください。首の異常を悪化させる可能性があります。
「正常な人の首」と「首に異常がある人」の首の骨の動きを比較すると、異常がある場合は、首をそらすと首の骨が大きく動きます。
なお、脊髄に異常があっても、首をそらしたときにしびれが強くならないこともあります。どこの首の骨が、どのように脊髄を圧迫しているかによって、症状は変わってきます。
頚椎症性脊髄症の症状
頚椎全般の病気を指して「頚椎症」といいます。頚椎症の中でも、脊髄を圧迫する場合などを頚椎症性脊髄症と呼びます。
脊髄から左右の腕に伸びる神経根が頚椎の異常によって圧迫される場合は、どちらか片方の手がしびれます。手がしびれる場所はさまざまで、自分で見分けるのは難しいと言われています。
脊髄の圧迫部分にもよりますが、頚椎に異常がある場合は、ほとんどのケースで、両手にしびれが出ます。ただし、まれに片側ということもありますし、しびれの強さが左右で違う場合もあります。
診察と治療
【注意】今回のガッテンでご紹介したのは、見分け方の目安です。心当たりが強い場合は、病院でしっかりと検査をしてください。
通常は、検査によって頚椎異常による脊髄の圧迫が発見されたとしても、両手がしびれるだけの段階では手術はしません。首の牽引治療などで、経過をみることが多いそうです。歩行が困難になるような症状が出た場合は、頚椎の手術をする場合があります。
手のしびれ全般は神経内科
見分けがつきにくい場合は、まず神経内科で検査を受けてください。
手根管症候群は整形外科
手のしびれ程度の軽い症状の場合は、炎症を抑えるために、内服薬や注射をする場合もあります。とくに治療をせず、経過を見守る場合もあります。
筋肉がやせるような重い症状では、じん帯を切断して圧迫をとる手術をする場合もあります。
脳卒中(手口感覚症候群)は脳神経内科など脳専門の病院へ
手口感覚症候群は、小さい出血や梗塞で起きますが、その他の脳の血管が傷んでいて、その後に重大な発作につながる事もあるため、症状は軽くてもしっかりと入院して検査、治療することが望ましいといえます。
頚椎症性脊髄症は整形外科、脳神経外科
程度の軽いしびれの場合は、装具などで首を固定し、安定を保つ場合もあります。一方、歩行障害がでるような重い症状が出た場合は、手術をする場合もあります。
なお、骨と骨の間にあるクッションの役割をしている軟骨に異常が発生し、軟骨が本来あるべき場所から出てしまう症状を「椎間板(ついかんばん)ヘルニア」と言います。ヘルニアが脊髄を圧迫した場合も「頚椎症性脊髄症」になります。

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