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胃腸の悲鳴!胃もたれ大解剖
健康

胃腸の悲鳴!胃もたれ大解剖

2007年12月19日(水)
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今日のテーマは胃もたれ。ささいなことのように思えるかもしれませんが、場合によっては「お腹全体が腐る」と感じるほどに悪化してしまうこともあるのです。

そこでガッテンが大調査したところ、アメリカの医学雑誌で発表されたばかりの新事実を発見! 胃もたれにはいままでの常識を覆す新タイプがあったというのです。

さらに番組では、あるものを「見るだけ」で胃もたれが解消するという、最新の治療法も紹介します。

今回のお役立ち情報
01

「わかってチョーダイ!胃の思い」

胃もたれは、なぜ起きるのでしょうか? 従来は常識的に「胃の動きが悪くて食べ物が胃にたまる」ことが主な原因だと考えられてきました。これは本当なのかどうか、実験で確かめることにしました。

実験に挑戦するのは、胃もたれに悩む5人のみなさん。比較するため、「胃もたれの経験なし・大食いが趣味」という方にも参加してもらいました。

まず、もたれやすさを調べるため、一定のペースで水を飲んでもらいました。すると、胃もたれしやすい人は、やはり飲める水の量が少ないという結果になりました。

そこで今度は胃の動きを調べると、胃もたれしやすい人の中にも正常な人がいた一方、胃もたれを感じていない方の胃の動きが悪いという、意外な結果になりました。

確かに、「胃の動きが悪いために、もたれている」人もいます。しかし、「胃の動きが良く」ても「もたれる」人がいるのはなぜなのでしょうか?

そこで胃もたれを持つみなさんに、胃カメラ検査を受けてもらいました。しかし、誰の胃にも、炎症などの病気は見つかりませんでした。胃に病気がなく、動きも正常なら、なぜ胃もたれが起きるのでしょうか?

02

「緊急報告 新タイプの胃もたれ」

3年前、アメリカの医学雑誌に、従来の常識とは違うタイプの胃もたれがあるという研究が発表されました。そこで“新たなタイプの胃もたれ”と診断されたAさんに話を伺いました。

Aさんは、なんと10年間も強い胃もたれに悩み続け、胃薬を飲んでも治らなかったと言います。しかし、飲む薬を「胃の働きを抑える」ものに変えたところ、胃もたれが見事に解消したというのです。診察した医師によると、「この胃もたれは“胃が働きすぎたために起こった”」と言います。「働きすぎ」とは、どういうことなのでしょうか?

※この方が飲んだ「胃の働きを抑える薬」は、胃が胃液を出す働きを抑えるもので、一般に市販されているものではなく、医師の診察が必要な処方薬です。

03

「腸意外!これが胃もたれの真犯人?」

そもそも胃では、「筋肉」や「胃液を出す細胞」などが働き、食べ物を消化し腸へ運搬する仕事を行っています。では「胃が働きすぎ」とは、このどちらかが働きすぎということなのでしょうか?

そこで今度は、大食いコンテストで優勝したことのあるほど強い胃を持っているBさんに、新タイプの「働き過ぎ」胃もたれの真犯人を捜す実験に協力してもらいました。ところが、そんなBさんの腸に“ある液体”を入れたところ「胃がからっぽ」にも関わらず、胃もたれを感じたのです。

腸に入れたのは、「人工的に作った胃液」です。胃液を腸に入れたときの胃の中を見てみると、食べ物を腸に送り出すための筋肉の動きがぴったりと止まっていたことがわかりました。

胃液を胃に入れた結果としてもたれるなら分かりますが、なぜ「胃は空っぽ」なのに「腸に胃液を入れた」結果もたれを感じ、胃の動きまで止まってしまったのでしょうか? 実はこれこそが、3年前にわかった「新タイプの胃もたれ」なのです。

新タイプの胃もたれのメカニズム

  1. 私たちの胃は、胃液によって食べ物を消化しやすいように消化しています。この胃液には、強い酸である塩酸が多く含まれています。
  2. 胃で消化されたものが腸に送られるときは、胃液も腸に行きます。
  3. 胃液がそのまま腸に行く状態が続くと、腸は傷つけられてしまいます。しかし腸には、アルカリ性の物質を出す細胞があり、胃液に含まれた酸を中和して安全なものにしてくれています。そのため、腸が傷つかずに済んでいるのです。
  4. しかし、胃液が多くなりすぎたり、胃液を腸に送る筋肉の動きがおかしくなったりして、一度に多くの胃液が腸に届くようになると、中和が間に合わなくなるケースがあります。
  5. そのとき活躍するのが、腸にあるセンサーです。緊急事態を感じ取り、それ以上消化物を送らないよう、胃の筋肉に指令を出して胃の動きを止めるのです。
  6. 詳細なメカニズムはいまだ不明ですが、このとき腸のセンサーはこれ以上食べ物を食べないよう、脳に痛みや不快感という形でシグナルを送り、これが「もたれる」感じにつながっていると考えられているのです。

新・胃薬活用術

専門家に、それぞれのタイプに合った胃薬の使い方を伺いました。

  1. 胃の働きを良くする薬(健胃薬など):
    胃が働かないタイプの胃もたれに有効。
  2. 胃酸を抑える薬(H2ブロッカーなど):
    胃が働きすぎるタイプの胃もたれに有効。
  3. 総合胃腸薬:
    [1]・[2] の両方の成分が入っている薬。どちらのタイプにも対応できるが、効き目が弱い。軽い胃もたれに有効。

※それぞれの薬の商品名などについては、お近くの薬局などにご相談下さい。

自分の胃もたれが[1]か[2]かを見分ける目安は、「胸やけを感じたことがあるかどうか」。胸焼けは胃液の出過ぎで起きることが多いため、胸焼けをひんぱんに感じる場合は、[2]の「胃が働きすぎ」タイプの胃もたれであるという可能性が高くなります。

04

「検査では見つからない?ナゾの胃もたれ」

私たちがふだん感じる胃もたれは、「食べ過ぎを避ける」「適切な胃薬を飲む」などの対策でスッキリできます。ところが、強い胃もたれがずっと続き、生活に大きな支障をきたすケースが増えているといいます。

61歳のCさんは、10年前、原因不明の胃もたれに襲われました。日々悪化し、食欲が減退、体重が10キログラムも減少してしまいました。しかし病院で胃カメラや血液検査を受けても、診断は「異常なし」。もたれは悪化を続け、ついには「お腹が腐る」と感じるほど重症になってしまいます。

Cさんを苦しめた病気は、「機能性胃腸症」でした。

機能性胃腸症とは

機能性胃腸症(または、機能性ディスペプシア)とは、次のような状態が続く病気のことです。

  1. 胃など上腹部にもたれや痛みのある状態が続く
  2. 胃カメラなどを含む検査でも病変が見つからない

※正確には「半年以上前から症状があり、最近3ヶ月は[1]・[2]を共に満たす」状態。

機能性胃腸症の直接の原因は、がんや潰瘍などではなく、「胃が動かない」「働きすぎる」など、通常の胃もたれと同じものが多いと考えられています。ではなぜCさんのように、どんどん重症化してしまうのでしょうか? 実はその大きな要因が「ストレス」なのです。

  1. 「仕事が大変」などストレスがある。
  2. ストレスは胃の機能に影響を与え、もたれやすくなる。
  3. 「もたれた……」という辛い感覚が脳へ行き、この感覚自体がストレスになる。
  4. ストレスを感じると胃もたれが強くなる。
  5. それがまた脳でストレスに……

Cさんの場合、上記のようにストレスと胃もたれの悪循環が起こり、症状が重くなったと考えられます。番組ではこの状態を、「ストレスの悪循環」と名付けました。ではこの悪循環、どのようにしたら断ち切れるのでしょうか?

05

「胃もたれ解消 最新治療法とは」

機能性胃腸症に悩んでいたCさんは、“ある治療”を受けてから、もたれがぐっと軽くなったと言います。その治療の現場を見せてもらうと、超音波エコーで胃の中を検査するだけでした。

しかし実は「患者に検査の画像を見せる」ことこそが、ストレスの悪循環を断ち切る最新治療だったのです。医師は、エコー画像で胃の中の状態をCさんに見せながら、症状の原因や改善度合いについて詳しく説明していました。

専門家のお話

エコー検査自体は何十年も前からありました。しかし最近、患者自身にエコー画像を見せ、病気の原因や改善度合いを納得してもらうことで、症状が軽くなるケースがあることがわかってきたのです。

「脳と胃は兄弟同士」と言われるほど、ストレスと胃の症状は強い関係があります。実際、胃カメラの検査を受け、がんや潰瘍などの病気がないと安心するだけで症状がなくなってしまう患者もたくさんいるのです。日々辛い胃もたれに悩んでいるような場合には、ぜひ医療機関を受診して検査を受けてください。

この“治療法”はどこで受けられる?

超音波エコー検査そのものは、全国の多くの医療機関で受けることができます。ただし、この治療法の場合、「エコー画像を見る」ことそのものに意味があるのではなく、画像を見ながら医師から十分な説明を受け、「自分自身が病状や改善度合いに納得すること」が重要になります。

日々胃もたれに悩まれている方であれば、まずは「自分の胃の状態を知りたい」とかかりつけの先生に相談し、必要に応じてエコー検査を受けてみてください。