頭が痛い時、ほとんどの人が、痛み止めの薬を飲みますよね。
でも今回のお話は、「痛くなる前に薬を飲む」という驚きの新常識です。
片頭痛の方の中には、最初は頭痛薬が効いていたのに、
やがて効きが悪くなってしまう方が少なくありません。
それどころか、痛みの強さも頻度も少しずつ激しくなって、
生活に支障が出るほどまでに悪化してしまうことがあるのです。
その原因の一つは、頭が痛くなってすぐに頭痛薬を飲んでも、
脳へのダメージはゼロではないことです。
短時間でわずかな痛みでも、何回も繰り返しているうちに、
脳が痛みを受け取りやすくなってしまうことがあるのです。
そこで頭痛の治療法は発想を大きく転換!
「そもそも痛みをおこさせない」という予防の考え方が一躍注目を集めて、大きな成果をあげている、というワケです。
ガイドラインがすすめる、頭痛体操や日記療法などもあわせて、
お役立ち情報のページをぜひご覧ください。
予防薬について
市販薬などの痛み止めで対処ができなくなっている片頭痛にお悩みであれば、 「予防薬」で改善できる場合があります。
「予防薬」は市販薬ではなく、病院で処方してもらう薬です。
・月に2回以上の強い頭痛
・日常生活に支障がある
・アロディニア
などの症状があれば、頭痛専門外来、神経内科、脳外科などの医療機関を受診してみてください。
アロディニアについて
片頭痛が重くなるとアロディニアというサインがでる場合があります。
アロディニアは通常であれば痛くはないはずの刺激を「痛み」と感じる症状で、 頭痛の前後に起こります。主に顔や頭などの頭部に発生するのが特徴で、「化粧をしたとき」「髪を触ったとき」「眼鏡をかけたとき」 「コンタクトレンズを入れたとき」「イヤリングやネックレスなどのアクセサリーをつけたとき」などに、ピリピリとした痛みが起こります。
こうしたアロディニアがあると特効薬のトリプタンも効かなくなる場合も多いため、アロディニアを感じる場合は早めに受診をしてください。
頭痛体操について
頭痛体操は片頭痛の予防や緊張型頭痛の緩和に役に立つものとして実際の医療現場で指導されているものです。今回は2種類の頭痛体操を紹介しました。
※片頭痛の方は頭痛があるときは決して行わないように注意してください
頭痛体操その1
1)両肘を水平に上げる
2)足を少し開く
3)顔は正面をむいたまま
4)体を左右に回す (2分行う)
頭痛体操その2
1)腕をリュックを背負うように前に回す
2)服を脱ぐように後ろに回す (6回行う)
頭痛日記について
「頭痛ダイアリー」と呼ばれ、専門医の間で指導されている方法です。
日記には頭痛があった日や その程度、頭痛が起きた前後の行動などを記録していきます。
医療機関に持って行けば、診断にも役立ちますし、人それぞれ違う頭痛の誘因(原因)を見つけることができます。誘因を避けることで頭痛を予防することも可能になるのです。
日記は、日本頭痛学会のHPからダウンロードできます。
https://www.jhsnet.net/