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免疫力アップ&口臭予防!唾液パワー全開SP
健康

免疫力アップ&口臭予防!唾液パワー全開SP

2018年7月4日(水)午後7時30分
2018年8月11日(土)午前0時25分
NHKオンデマンドでご覧いただけます 番組内容を印刷する

食べ物の消化を助けるのはもちろん、細菌を殺し、初期の虫歯を治し、果ては育毛効果まである?という唾液。「でもなぜ緊張すると口が乾くのか?」この素朴な疑問を突き詰めていくと、動物の進化の話にまでさかのぼる、唾液の奥深い世界が見えてきます。

一方、この唾液が不足し、不快な口の乾きが長期間続くのが「ドライマウス」。国内に800万人の患者がいるとされ、口臭や口内炎、味覚障害、食べ物が飲み込みづらくなる嚥下(えんげ)障害などさまざまな症状を引き起こします。これまでドライマウスの症例の多くは「原因不明」とされてきましたが、近年ついにその謎の一端が明らかになってきました。意外な原因と、最新の治療法についてお伝えしました。

今回のお役立ち情報
01

虫歯 口臭 肺炎から身を守る「唾液」の健康パワー

1日に出る唾液の量は、なんとおよそ1.5リットル。口の中を潤し、食べ物を消化するのに欠かせない唾液ですが、役割はそれだけにとどまりません。唾液にはさまざまな成分が含まれており、傷の修復(成分:ヒスタチン)や抗菌(リゾチームや分泌型免疫グロブリンA)、初期の虫歯の修復(ハイドロキシアパタイト)などの作用もあります。成分のひとつ、シアル酸には育毛効果があり、それを確かめたという驚きの研究も!

また唾液はストレスを感じると分泌量が減りますが、そこには深い理由があります。そもそも唾液は動物にとって天然の傷薬。成分が濃いほうが、傷の治りも早くなります。そのため天敵に会うと、唾液の量を減らし、成分を一時的に濃くして傷に備えます。私たち人間がストレスを感じると口が乾くのも、この進化の名残だと考えられています。

※人間の唾液をそのまま頭皮などに付けても育毛の効果はありません。

02

たかが口の乾きと侮るなかれ!現代病ドライマウス

ストレスを感じると一時的に減ってしまう唾液ですが、ストレスの原因が取り除かれると、唾液の量は元に戻ります。しかし近年、ストレスの原因がなくなっても、唾液の量が元に戻らないという人が増えています。「ドライマウス」と呼ばれ、患者数は推定800万人といわれています。

ドライマウスになると、唾液の成分は濃くなっても、口の中全体に行き渡らなくなるため、免疫機能や殺菌機能が落ちます。その結果、かぜやインフルエンザなどの感染症や、口内炎、虫歯にもなりやすくなります。口臭につながったり、食べ物が飲み込みづらくなって、誤えんや肺炎のリスクが増えたり。また唾液には味を伝える働きもあるため、味覚障害になってしまうこともあります。このようにドライマウスは、口の乾きの不快感にとどまらず、生活の質を下げるさまざまな症状を引き起こすことがあるのです。

03

原因は脳!?ドライマウス最新対策法

ドライマウスになる原因は、降圧剤などの薬の副作用や口呼吸、唾液腺自体に障害が出るシェーグレン症候群という病気などがありますが、これらに当てはまらない患者さんも多くいます。近年その原因ではないかと新たに注目されているのが「脳」です。 最初は何かのストレスを受けて唾液量が減ります。しかしそのストレスが長期化するなどの原因で、脳が、ストレスを感じやすい“ストレス脳”に変化。すると「口の乾き」自体もストレスと感じるようになり、元のストレスが取り除かれても、延々と唾液の量が戻らなくなるのではないか、というのが仮説の一つです。

こうしたドライマウスに対する治療法のひとつが、趣味など何かに「没頭」するという方法。「口の乾き」ばかりに向いてしまう意識を、別のものにそらすことで、脳がストレスを感じる時間を減らすことがポイントです。楽器の演奏や、お風呂場の掃除など、没頭できるものなら何でもOK。実際の医療現場でもおすすめされています。

※ドライマウスにはさまざまな原因があります。症状が長引いて気になる方は、医療機関を受診してみましょう。ドライマウスに詳しい歯科や口くう外科、耳鼻咽喉科については、「ドライマウス研究会」のホームページをご参考に。

04

世界が注目!特製うまみドリンク

東北大学名誉教授の笹野高嗣さんが開発し、いま世界から注目されているのが、昆布で作る「うまみドリンク」を使った治療法です。うまみには脳をリラックスさせる効果があり、また唾液の分泌を促す効果も高いことが知られています。

作り方は、細かく刻んだ昆布30グラムを500ミリリットルの水に1日つけておくだけ。 1日10回ほど、乾きを感じたときに口に含んでゆすぎます。

※ドリンクは飲む必要はありません。
塩分や、取りすぎると甲状腺機能を低下させるヨウ素なども含んでいるため、気になる方は口をゆすぐだけにしてください。
※冷蔵庫で保存し、2日以内に使い切ってください。