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急増中!風疹&帯状ほう疹 徹底対策SP
健康

急増中!風疹&帯状ほう疹 徹底対策SP

2019年7月10日(水)午後7時30分
NHKオンデマンドでご覧いただけます 番組内容を印刷する

“風疹(しん)=子どもがかかる病気”というイメージを持っていませんか?
確かに風疹は子どもの頃に多くの人が経験する感染症のひとつ。まれに脳炎などの合併症を発症する場合がありますが、“三日ばしか”と言われるように基本的に症状は軽い場合がほとんどです。しかし、風疹は大人が感染することもありますし、特に免疫のない女性が妊娠初期にかかると大きな影響が!お腹の中にいる胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴や白内障といった障害(先天性風疹症候群)を持って産まれてくる危険性があるのです。風疹は日本でたびたび流行していることもあり、アメリカのCDC(疾病予防管理センター)は、自国の妊婦に対して日本への渡航を自粛するように勧めています。
今後、日本で風疹を流行させないために最も重要なこと…それは風疹の抗体保有率が低い世代、40歳から57歳の男性が風疹の抗体があるかどうかの検査をして、必要であればワクチンを接種することなのです!今、この世代の男性に対して抗体検査が無料で行えるクーポン券が配られています。しかし、なぜ妊娠する可能性がある女性ではなく、40歳から57歳の男性にクーポンが配布されているのか?その謎をひもとくヒントが、日本における風疹の歴史にありました。
また、子どものころにかかった“水ぼうそう”のウイルスが原因で発症する帯状ほう疹の最新情報もあわせてご紹介します。

今回のお役立ち情報
01

なぜ?“40歳から57歳の男性”に配られる風疹クーポン券

今、40歳から57歳の男性に対して全国の市区町村から“風疹の無料クーポン券”が届けられています。このクーポン券を病院に持って行くと、まず採血による抗体検査を受けます。その後1週間ほどで分かる検査結果で風疹に対する抗体がないと分かった場合は、風疹ワクチンを接種します。検査やワクチン接種にかかる費用は自治体によって異なりますが、およそ1万2000円。そのすべてが無料のお得なクーポン券です。
なぜ40歳から57歳の男性だけにクーポン券が配られているのか?実はこの世代の男性は、風疹に対する抗体を持っている割合(抗体保有率)がおよそ80%と、他と比べて低いことが分かっているからです。ちなみに他の世代の抗体保有率は90%ほど。日本でたびたび流行する風疹は、クーポン券が届けられている世代が大きな感染源だとも言われているのです。
一体どうして、40歳から57歳の男性は抗体保有率が低いのか?その理由は、過去に行われたワクチン接種の施策にありました。風疹ワクチンの接種が始まった1977年当時は中学生の女子にのみ予防接種が行われていました。ワクチンの数に限りがある中で、まずは将来子どもを妊娠する可能性がある女性を先天性風疹症候群から守ることを優先して、女子にのみ接種が行われたのです。つまり、当時の男子中学生は風疹の予防接種を受けていなかったのです!女子中学生にだけ予防接種を行うというこの施策は、1995年まで続きました。その時、中学生だった男性は今40歳から57歳。だから抗体保有率が他と比べて低いのです。
この世代の抗体保有率を90%に引き上げることで、風疹の流行を抑えられると考えられています。クーポン券が届いた方はぜひ病院で抗体検査を受けてください!
ちなみに今年クーポン券が届くのは40歳から47歳の男性です。48歳から57歳の方は来年以降に届く予定です。また、クーポン券が届かない人でも抗体検査を受けたいという方は、自費で受けることもできますし、自治体によっては検査費用の助成を行っている地域もあります。
風疹の最新動向は厚生労働省や国立感染症研究所のホームページでチェックできます。

厚生労働省のホームページ https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index.html

国立感染症研究所のホームページ https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ha/rubella.html

また、風疹に関する情報はこちらにも!

02

“水ぼうそうウイルス”が原因で起きる帯状ほう疹

子どもの時にかかった水ぼうそうのウイルスが原因で発症するのが、帯状ほう疹です。実は水ぼうそうのウイルスは病気が治っても体内で死滅せずに神経節に潜み続けています。普段は眠っている状態ですが、体力や免疫力が低下したりすると、水ぼうそうウイルスが皮膚に発疹や激しい痛み、かゆみを引き起こすことがあります。
これまで、帯状ほう疹は体力や免疫の力が低下しやすい高齢者に多い病気でした。しかし今、20代から40代といった若年層に帯状ほう疹にかかる人が増えているというのです!原因の一つとして考えられているのが、2014年10月から始まった、子ども向けの水ぼうそうワクチン定期接種です。

1歳から3歳までの子どもを対象に、ワクチンを2回接種することで、水ぼうそうにかかる子どもは今、非常に少なくなっています。そのため、子どもを育てる世代が水ぼうそうウイルスに触れる機会が減っています。
一度水ぼうそうにかかった大人はウイルスに対する“免疫”を持っていますが、免疫はウイルスに触れることで活性化します。これを「ブースター効果」と言います。これまではこのブースター効果のおかげで、子育て世代の大人は帯状ほう疹を発症しにくかったと考えられています。しかし、定期接種が始まって水ぼうそうにかかる子どもが減ると同時に子育て世代がウイルスと接する機会が減り、ブースター効果を得る機会が少なくなってしまいました。その結果、免疫が弱体化し帯状ほう疹にかかる危険性が高まったと考えられているのです。
帯状ほう疹は早めの治療が肝心です。お年寄りの病気と思い込まずに皮膚に痛みやかゆみを感じたら、早めに皮膚科を受診することをオススメします。