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保険値上げで家計直撃!賢い見直し術とは

保険値上げで家計直撃!賢い見直し術とは

2017年7月4日

今年4月、一部の生命保険が大幅に値上げされた。背景には保険会社の苦しい台所事情がある。マイナス金利が続き、運用利益が上がりにくくなっているのだ。住宅の次に高い買い物と言われる保険。節約しながら、将来の安心を得るにはどうすればいいのか? 賢い保険の活用術を考える。

マイナス金利時代  賢い見直し術とは?

保険は大きく分けて3種類ある。死亡時に保険金が支払われる生命保険、事故や災害を補償する損害保険、そして、医療保険やがん保険など第3分野の保険だ。このうち4月に保険料が上がったのは、生命保険の中の貯蓄型の終身死亡保険や個人年期保険、学資保険など。家計に不安がつきまとう時代、私たちはどのように保険を考え、活用すればいいのか。

田中えみさん(仮名・36歳)は、夫と幼い2人の子どもがいる会社員。育児休業中で収入が減り、保険料の支出を抑えたいと、独立系ファイナンシャルプランナー内藤眞弓さんのもとを訪れた。まず指摘されたのは、夫の貯蓄型終身死亡保険。田中さんは貯蓄のつもりで毎年58万円積み立てていたが、内藤さんは「貯蓄型保険のうまみは少ない」という意見。田中さんが別の生命保険にも加入しており、遺族厚生年金もあることから、この保険を解約し、貯蓄は自由度の高い銀行預金などでするようアドバイスされた。

一方で、新たに加入を勧められたのが掛け捨て型の就業不能保険。所得補償保険とも言われる。子どもや配偶者など家族が経済的に最も困るのは、交通事故や病気などで働けなくなり、収入が途絶えること。こうした事態に陥ったとき、月収代わりのお金を長期で受け取れる保険だ。

商品の中身や利率といった条件のほかに、保険を見直す際の指標となるのがライフステージだ。相談に訪れたのは「まもなく子どもが独立する」という、50代の女性。内藤さんから「保険からの“卒業”を考えてもいい」とアドバイスされた。子どもが独立していれば、万が一の場合でも、多額の金を残す必要はない。この女性は、死亡保障がついた生命保険に関して、これまで支払った分の保障はキープしたまま、新規の払込を取りやめることを提案された。さらに、内藤さんからは、「高額療養費制度が充実しているため、一定の収入や貯蓄があれば、医療保険も、必ずしも必要ではない。」「治療が長引く可能性がある、がん対策の保険は、余裕があれば残してもいい」とアドバイスされた。

保険会社の創業者である出口治明さんは、保険見直し時のポイントを次のようにアドバイスする。
「1つは所得が下がったときのことを考えて、保険料は手取り収入の3%から5%に押さえること。もう1つは、自分のためなのか家族のためなのか、保険の目的をはっきりさせることが大事だと思います」

会社の利益優先の保険販売? 不要な保険を勧められるケースも

世界有数の保険大国と言われる日本。2016年に金融庁が出したあるレポートが波紋を呼んでいる。客が必要としていない高い手数料の商品を、会社側の利益優先で勧めるケースがあることが明らかになったのだ。

例として挙がったのが外貨建ての死亡保険。例えば、投資信託や外国債券を組み合わせた商品では、仮にそれぞれを個別に買った場合と比べ、手数料が10%ほど高くなるケースがあるという。また保険会社が銀行や証券会社などに代理販売を委託する場合、保険会社が売りたい商品に販売手数料を上乗せしたり、販売員に旅行券や賞品を贈ったりするケースもあった。こうした経費が最終的に保険料に上乗せされ、保険料アップにつながることがあるのだという。

こうした中、金融庁も制度改革に乗り出した。保険業法を改正し、昨年から施行。客の意向を確認することを義務付け、それに反する商品を売らないよう求めている。また金融庁が直接、販売会社や代理店を監督するようになった。

社会のニーズをとらえるユニークなミニ保険

近年注目されているのが、数百円の支払いで短期の保障を得る少額短期保険、いわゆるミニ保険だ。ペット保険や痴漢えん罪保険など、時代のニーズに則したユニークな商品が次々と生まれている。

予想以上の売れ行きで、大手保険会社が扱うようになったものもある。アパートの大家などが加入する孤独死保険だ。一人暮らしの高齢者など、借り手が一人、部屋で亡くなった場合、清掃代や空き室の損失などをカバーできる。このほか、健康診断の結果がよければ保険料が安くなる健康年齢保険や、急な葬式での出費をカバーする葬儀保険も人気だ。

保険と上手に付き合うためには、様々な選択肢を視野に入れる必要がありそうだ。個人のライフステージ、公的制度の有無や充実度、保険と他の金融商品の得意分野やデメリット-。先行き不透明な時代だからこそ、保険も賢く見極めたい。

この記事は2017年6月28日に放送した「保険値上げで家計直撃!賢い見直し術とは」を元に制作しています。

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