クローズアップ現代

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パレスチナ取材リポート(キャスター鎌倉千秋)

パレスチナ取材リポート(キャスター鎌倉千秋)

2017年8月8日

1.

夏期特集の取材でパレスチナを訪れました。イスラエルとパレスチナを隔てる「分離壁」。テロ防止にとイスラエルが建設しましたが、パレスチナにとっては「分離壁」は簡単に出入りができない不自由で抑圧的な存在。さらなる分断を深めています。

2.

東エルサレムの住宅街で出会ったパレスチナの子どもたち。コンテナの上にのぼり、検問所を通る人や車の往来をいつも眺めているそう。

そんな子どもたちに人気の遊びはサッカー。ここではバルセロナのメッシ選手が一番人気のよう!

3.

子どもたちに聞くと「イスラエル側の銃弾が父さんの車をかすめた」「銃を持ったイスラエルの警察が家に入ってきた」と、まるで武勇伝を語るかのように口々に話してくれました。日本では考えられない体験をしている子どもたちは時折どこか大人びた表情を見せました。

4.

イスラエルはパレスチナへの入植を続けていて、入植した所には次々イスラエル国旗が翻ります。イスラエルにとっては、“神との契約"で与えられたという、自分たちの土地。「分離壁」、国旗、そして衝突は「鶏が先か卵が先なのか」を問うかのよう。

5.

取材3日目、武装したパレスチナ人とイスラエルの治安部隊との間で銃撃戦が発生し、5人が死亡しました。現場近くには検問所が設けられ、治安部隊とパレスチナ人との間で小競り合いも起き、現場には張り詰めた空気が漂っていました。

6.

衝突の現場はユダヤ教とイスラム教、双方にとって重要な聖地。この日は事件発生でモスクでの礼拝が禁止となり、イスラム教徒のパレスチナ人は少人数で外で祈っていました。

一方、「嘆きの壁」の前に大勢で集まるユダヤ教徒のイスラエル人たち。対照的な光景でした。

7.

パレスチナの夏の名物「サッバール」。食感はモサモサで甘いメロン味。

これ実はサボテンです!

サッバールとはアラビア語で「耐え忍ぶ」という意味。厳しい環境でも生き抜く―パレスチナでは抵抗のシンボルとされます。通りではサッバールの壁画もよく目にしました。

8.

ヨルダン川西岸で見かけたのは、今年5月、イスラエル兵を襲おうとして、撃たれて亡くなった16歳のパレスチナ人、ファティマさんの壁画。彼女が育った集落では至るところに彼女の死を悼む壁画が描かれ、英雄視されていました。

9.

撃たれて亡くなったファティマさんの自宅を訪ねると、5人の家族が迎えてくれました。妹や弟が「姉を殺したイスラエル兵を殺したい」と話す一方で、母親が「子どもたちが暴力に影響されないよう、教育を授けたい」と話していたのが印象的でした。

10.

娘を失った苦しみを心に押しとどめ、精いっぱいの愛情を注いで、残された家族を守ろうとしている母親。気になって年齢をたずねると―、私と同い年でした!同じ39年、なんという時間を過ごしているのだろう…!!

11.

寄り添うように立つユダヤ教、イスラム教(そしてキリスト教)の聖地を西日が一様に染めていました。私たちと同じ生活がある一方で、常にそれが突然失われ、怒りや悲しみの奔流にのみこまれる不安が共生します。それでも激流にあらがい、生きる人々を私は見ました。

この記事は2017年8月10日放送の「くろげん+ 夏休み課外授業 親子でまなぼう!“戦争とテロ”」に向けての取材を元に制作しています。

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