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いま考えるべき老後と投資 話題のイデコも解説!

いま考えるべき老後と投資 話題のイデコも解説!

2017年4月25日

年金財政への懸念から老後への不安が高まっている。「お金を増やせねば危うい」と、いま株式などを運用する個人株主が急増。過去最高の延べ、5,000万人近くに達した。しかし漠然とした不安から資産運用をはじめると不適切な商品を選んでしまうことも。資産運用を始める前に考えるべきポイントから、注目を集めるイデコの上手な利用方法を紹介する。

老後資金は3,000万? 恐れる前に計算を

年々増加する年金や税金などの負担。ある試算では、この5年で年収500万円世帯の手取りがおよそ25万円以上減少したという。反面、年金支給額は今後、年1%の割合で目減りしていくと見られている。すでに現在の高齢夫婦世帯の赤字は月平均5万5,000円近くに上るという調査結果もあるが、そもそも老後の生活にはいくら必要なのだろうか?

夫がサラリーマンだった夫婦が現在受け取っている年金は、一般的に月およそ22万円。余裕ある老後の生活のためには、あと13万円必要という試算もある。仮に年金の受給が始まる65歳から85歳まで生きたとすると、老後に必要な自己資金は3,000万円以上。しかし経済評論家の山崎元さんは、こうした数字に惑わされず、今の暮らしや老後にどのぐらいのお金が必要なのかを計算することが大事だと話す。
「老後資金3,000万という数字は、金融機関や保険会社が老後の不安を大きく見せるために提示している数字。例えば地方で暮らす場合はそんなにいりませんが、一方で3,000万でも全く足りないという家計もある。人それぞれなので、自分について計算してみることが大事です。現役時代に手取り収入の何%を貯蓄すると、将来のつじつまが合うのかを計算してみるのがいいと思います。」

個人年金イデコとは?資産運用の注意点とは?

公的年金の水準がかなり減ることを意識して、自分の収入をどう増やすか、どう資産運用するかを考えるべきと話すのは慶應義塾大学大学院教授の岸博幸さんだ。「70歳ぐらいまで働くことを選択肢に考えて、その上で足りない分をどう資産運用で補っていくかを考える必要があると思います。」

実際、資産運用の勉強会を開いている20~30代の女性グループでは、10人中8人が公的年金に不安があると回答。20代の女性は「年金だけだと生きていけなくなる予感がします。」と話す。このような公的年金に不安をもつ現役世代が、いま、大きな関心を持っている資産運用は、個人型確定拠出年金の「イデコ(iDeCo)」だ。イデコとは、自分専用の口座を作って、株や債券、不動産投信などの金融商品を自分で選んで運用し、60歳になったら受け取ることができる個人年金。これまでは加入者に制限があったが、2017年1月よりほぼすべての人が加入できるようになった。原則60歳までは引き出せないが、イデコに回すお金が税制上優遇されるメリットなどから注目を集めている。

イデコについて、山崎さんは課税所得がある人は使った方が得な仕組みであるとしながらも、次のような注意点を挙げる。
「イデコには運用の選択肢がたくさんありますが、手数料が高すぎるなどの理由でイデコに向かない商品も多い。運用管理手数料が0.3%以下ぐらいの、外国株式と日本株式のインデックスファンドと呼ばれる株価指数に連動するような、運用手数料の安いファンドを選ぶのがいいと思います。」

資産運用の方法としては、イデコ以外にも、国債、株、投資信託、保険などさまざまな商品がある。山崎さんは、運用の際の注意点として、「不適切な商品を勧められる可能性があるため、相談する相手と商品を購入する相手を分ける」「年間に0.5%以上手数料を払うような可能性のあるものは避ける」の2点を挙げる。

また、投資で気になるのが利回り。岸さんは3%を目安と考えるのがいいという。
「年間で20%とか30%のリターンを目指す人もいますが、ばくちに近くなってしまうので、投資に関しては利回り3%を目指すのがいいと思います。これはバブル期の定期預金の金利と同じで、3%という小さい規模の利益でも24年間繰り返すと元本が倍になるんです。」

不安が不安を呼ぶ不透明な時代。だからこそ、まずは今の暮らしや老後にどのぐらいのお金が必要なのかを冷静に把握し、漠然とした不安に陥らないことが必要だ。老後資金としていくら足りないのか等、具体的な数字をもつことで、金融会社に勧められるがままに商品を選択することは避けられる。自分にあった商品を自分で選択していくことができるようになれば、自分の身を守ることにつながる。

この記事は2017年4月19日に放送した「“先行き不安病”を斬る!わが家のマネー防衛」を元に制作しています。

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