2015年12月04日 (金)

ロボットが事故 誰が責任? 模擬裁判で考える

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さまざまな分野で活用が進むと期待されているロボットが誤って事故を起こし、人に危害を加えてしまった場合、誰が責任を負うべきなのか。このテーマについて模擬裁判を通じて考えようというイベントが、4日、東京で開かれました。

模擬裁判は、ロボットの研究を進めているNEDO=新エネルギー・産業技術総合開発機構が東京・江東区で開催している「国際ロボット展」の会場で開きました。
裁判の想定は、被災地でがれきの処理に当たっていた無人の自動ロボットが横転、近くにいた人が下敷きになって死亡し、遺族がメーカーに損害賠償を求めたというものです。
この中で、被告のメーカー側は「ロボットは人が近くにいない環境で使うことを前提に製造されたもので、ロボットに近づかなければ事故は起きなかった」と責任を否定しました。
遺族側はこれに反論し、「人がロボットに近づくことは設計段階で想定できたはずであって、安全対策が不十分、メーカーの責任逃れだ」と主張しました。
このあと模擬裁判では、弁護士が両者の主張を整理したうえで、責任の所在をどう考えるべきか社会全体で検討を進める必要があると提言しました。
模擬裁判を企画した1人、近藤惠嗣弁護士は「現在の法律では、自動ロボットと人とが関わることが想定されていない。今後ロボットの安全上のリスクについて社会全体で検討していく必要がある」と話していました。
模擬裁判を傍聴した一般参加の男性は「技術的な面を考えると、現行の法律で裁くのは限界があると思います。法律を見直すことも必要だと感じました」と話していました。また、技術開発の観点から課題を探ろうと企業から参加した男性は「将来的なロボット活用を視野に入れた場合、どのようなリスクが実際にあるのか、メーカーと利用者とが情報を共有していくことが大事だと感じました」と話していました。

ロボットのトラブル 法律整備は不十分

ロボット開発が進むなか課題とされているのが、トラブルが起きた際にどのように対応するのか法律や制度の整備がまだ不十分な点です。
専門家によりますと、人間が操作する必要がある作業用のロボットが事故を起こした場合は、現行の製造物責任法=PL法などをもとに、メーカーや管理者の責任を問うことができるケースもあるということです。
一方で、人工知能を搭載し、みずから判断して行動するロボットが事故を起こした場合は、責任の所在がメーカーにあるのか、ロボットの管理者にあるのかや、こうしたケースがPL法の対象となるのかなどがはっきりしておらず、今後議論が必要だということです。
近藤惠嗣弁護士は「ロボットの形態や能力によっても多様なケースが考えられ、どのような法律や制度がいいのか社会にロボットが浸透する前に、丁寧かつ迅速に話し合いを進めることが重要だ」としています。

車の自動運転でも法律上の課題

近い将来での実用化を目指している自動車の自動運転についても、同様の課題が指摘されています。
ドライバーがハンドルなどを操作しなくても車が自動で走行する技術の開発が進んでおり、自動車メーカー各社は2018年から2020年をめどとして、高速道路での自動運転技術を実用化しようとしています。
一方で課題となるのが、事故が起きたときの責任の所在で、車に乗っている人になるのか、自動車メーカーなのかなどはっきりしていません。
このため警察庁は、法律上の課題などを検討するため、ことし10月、刑法や工学が専門の大学教授や専門家などの有識者が参加する委員会を立ち上げ、検討を始めました。
委員会のメンバーの法政大学法学部の今井猛嘉教授は「想定される事故のケースを分析していて、自動車の技術提供者と実際に車に乗っていたものの、どちらに責任を問うべきか法的に整理が必要だ」と話しています。

 

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:57  | カテゴリ:くらし
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