2016年05月23日 (月)

参院厚労委で難病患者が意見陳述 「今後も発言機会を」

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参議院厚生労働委員会は、障害者総合支援法などの改正案を巡って参考人質疑を行い、衆議院では実現しなかった難病患者の男性による意見陳述や質疑が行われました。男性は改正案の早期成立を求めるとともに、今後も国会でさまざまな障害を抱える人が発言できる機会を設けてほしいと訴えました。

参議院厚生労働委員会は、障害者が地域で自立した生活を送れるようにするため、1人暮らしへの支援や就労に伴う課題への相談などを新たに公費で行うことを盛り込んだ、障害者総合支援法などの改正案を巡って参考人質疑を行いました。
委員会には、全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、ALS=筋萎縮性側索硬化症を患う岡部宏生さんも、目と口の僅かな動きから会話を読み取る通訳と共に参考人として出席しました。
この中で、岡部さんは「意思の疎通に時間がかかる」などとして先の衆議院厚生労働委員会に出席できなかったことに触れ、「率直に驚き、改善をお願いした。本日は、私のコミュニケーション方法も含めご覧いただき、理解を深めてほしい。さまざまな障害があることを知ってもらい、障害のある人もそうでない人も共に暮らせる一つのきっかけになってほしい」と述べました。
そのうえで、岡部さんは「ALS患者は医療費などの出費も多く、中には自己負担を減らすためにサービスの利用を抑制する場合もある。この改正案は、利用者負担の軽減など評価できる部分が多いことから、ぜひ今の国会で成立させてほしい」と要望しました。
また、同じく参考人として出席した弁護士の藤岡毅さんは「きょう岡部さんが出席できたことは喜ばしいが、先の衆議院の委員会に出席できなかったことは、障害のある市民の国政に参加する権利、表現の自由を侵害した人権侵害であり、法の下の平等と民主主義原理に反する許されざる差別と言わざるをえない」と指摘しました。

岡部さんは委員会に出席したあと記者会見し、「委員会では問題なくやり取りができたように思う。私の意見を伝えることと、コミュニケーションの方法を実際に見ていただくことの2つを実現できた。障害者全体にとっても皆さんに理解を深めていただく機会になったと思うので、本当に出席できてよかった」と述べました。
また、岡部さんは「障害にはいろいろなものがあるので、国会ではそれぞれの対応を検討し、障害者が発言できる機会を設けていってほしい」と述べました。

衆院委員会は出席できず

岡部さんは当初、今月10日の衆議院厚生労働委員会に参考人として出席するよう委員会側から求められていました。しかしその後、「意思の疎通に時間がかかる」などとして与野党の折り合いがつかず、結局出席できませんでした。
委員会には岡部さんの代わりに支援団体の役員が出席し、「障害があることで排除されたことは、深刻なこの国のありさまを示しているのではないか」とする岡部さんのメッセージを読み上げました。
そして翌週の17日、岡部さんは支援団体のメンバーと共に衆参両院の議長と面会し、難病患者や障害者の国会での参考人招致の在り方を見直すよう要請。大島衆議院議長は「多様な意見を聞いて結論を出すのが国会議員の責務だ。要請を重く受け止め運営の在り方などを検討し、対応できるよう努めたい」と応じました。
こうしたなか、参議員厚生労働委員会は19日の理事懇談会で、障害のある当事者から話を聞くことは重要だとして、参考人質疑に岡部さんを呼ぶことを決めました。

支障出ないよう配慮も

参議院厚生労働委員会では今回、岡部さんを参考人として呼ぶにあたり、意見を聞くことに支障が出ないよう配慮することを与野党で申し合わせました。
具体的には、目と口の僅かな動きから会話を読み取る通訳が必要なため、質疑に一定の時間がかかることから、冒頭、あらかじめ準備した岡部さんの意見陳述書を代理人が読み上げることにしたうえで、その後の質疑もスムーズに行えるように、議員からの質問内容を事前に岡部さんに示すことにしました。
また、決められた質問時間を過ぎた場合でも、岡部さんが意見を述べている間は委員長の判断で時間を延長し、柔軟に対応できるようにしました。
さらに、車いすを使った人も傍聴しやすいように、ふだん使用している委員会室ではなく、廊下とをつなぐ出入り口に高低差のない委員会室を使うことにしました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:19:12  | カテゴリ:くらし
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