2016年04月13日 (水)

大学の研究用原子炉 運転再開の審査に事実上合格

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大阪にある京都大学と近畿大学の研究用の原子炉について、原子力規制委員会は、運転再開の前提となる審査に事実上合格したことを示す審査書の案を取りまとめました。新しい規制基準の下で、研究用の原子炉の審査書の案がまとめられるのは初めてで、京都大学と近畿大学は、長期間の停止で教育や研究に影響が出ているとして、早期に運転を再開したいとしています。

大阪・熊取町にある京都大学原子炉実験所の「KUCA」と呼ばれる原子炉と東大阪市にある近畿大学原子力研究所の原子炉は、出力が100ワット以下の研究用で、おととし定期検査に入ったあと、停止した状態で審査を受けてきました。
この2基について、原子力規制委員会は13日、火災や竜巻などへの安全対策が新しい規制基準に適合しているとして、事実上合格したことを示す審査書の案を全会一致で取りまとめました。
審査が申請されている8基の研究用の原子炉の中で、審査書の案がまとめられるのは初めてで、近く正式な審査書として決定される見通しです。
研究用の原子炉を巡っては、原発事故を踏まえた新しい規制基準の審査に時間がかかり、日本原子力学会などが長期間の停止で人材の育成や研究などに影響が出ていると訴えていました。
今後、検査などを経たうえで、京都大学はことし7月末に、近畿大学は9月末に、それぞれ運転を再開したいとしています。

研究炉の審査の進め方巡り意見も

13日の原子力規制委員会では、京都大学と近畿大学の2基の原子炉のように出力の低い研究用原子炉の審査の進め方を巡り、意見が交わされました。
2基の原子炉の審査書の案がまとまるまで、およそ1年半かかったことについて、審査の実務を担当する原子力規制庁の担当者は、研究用の原子炉の場合、原子力発電所に比べて原子炉ごとに構造などに大きな違いがあることや、国の最初の設置許可が出されてから40年から50年たっていて、この間の規制の見直しが反映されているかどうかも一つ一つ確認する必要があったことを挙げました。
また、規制委員会の伴委員は、「大学などが審査を受ける場合、電力会社に比べてなかなか予算や人員を割こうとしないところがあるのでは、と懸念している」と述べました。
こうした意見を踏まえて、規制委員会は今後、研究用の原子炉の審査が効率的に進められるよう、審査ガイドの作成を検討することや、大学を所管する文部科学省に適切な予算措置が行われているか問い合わせるよう規制庁に指示しました。
また、研究用の原子炉を巡っては、事故が起きた場合の避難範囲の見直しが遅れていて、原子力規制委員会の検討チームが先月から見直し作業を始めたばかりです。

投稿者:かぶん |  投稿時間:11:55  | カテゴリ:科学のニュース
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