2016年04月20日 (水)

エコノミークラス症候群 リスク高い人と生活は

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長引く避難生活のなかでは、長時間同じ姿勢でいるなどして、足の血液の流れが悪くなるいわゆる「エコノミークラス症候群」に注意する必要があります。車の中で寝泊まりする車中泊で、リスクが高いとされていますが、避難所で過ごしている人でも発症するおそれがあり注意が必要です。

「エコノミークラス症候群」は、長時間同じ姿勢でいるなどして、足の血液の流れが悪くなり、血の塊ができるもので、この塊が、肺などの血管に詰まると死亡することもあります。
一般的に予防には、水分を十分にとることや長い間同じ姿勢をとらず、こまめに運動することなどが効果があるとされています。日本循環器学会などが作成した災害時のガイドラインでは、このエコノミークラス症候群について注意点などがまとめられています。

どんな人が発症する?

エコノミークラス症候群を発症しやすいのは、40歳以上の人です。高齢者では、特にリスクが高いとされていますが、患者の中には、出産まもない20代後半の女性が発症したケースもあったということです。
また発症する人は、女性が多く、車中泊をしている、トイレを我慢する、などの特徴がみられることが知られています。このうち女性が多いのは、トイレを我慢するために水分を十分にとらない人が多いことが、関係しているとも言われています。
また、車中泊については、2日以上の車中泊が危険とされていますが、1泊でも発症することがあり、専門家によりますと、中には数時間で発症したケースもあったということです。このほかに足をけがした人や糖尿病などの基礎疾患のある人、肥満の人などもリスクが高いとされています。

避難所でもリスクが

また、車中泊ではなく避難所で過ごしている人も注意が必要です。
これまでの調査から、特に床に雑魚寝の状態になっている避難所では、運動などの予防策をとっていても発症するケースがあることが知られています。こうした避難所では、1週間から2週間後の発症が最も多いということで、避難生活によるストレスや冷たい床で過ごすことで血管が細くなることなどが影響している可能性があるということです。

どうすれば防ぐことが?

ガイドラインでは、避難所で1週間以上避難生活をする場合は血の流れをよくする弾性ストッキングで、予防する必要があるとしています。
専門家によりますと、弾性ストッキングが無い場合、足のむくみを解消するような市販のストッキングでも、一定の効果が期待できるということです。また、簡易ベッドも発症を防ぐ効果があるとされ、ガイドラインでは、避難所に1週間以内に簡易ベッドを準備することが必要だとしています。

東日本大震災 24%に静脈血栓

東日本大震災の際、避難所で、いわゆるエコノミークラス症候群の調査を行った宮城県立循環器・呼吸器病センターの柴田宗一主任医長は、足首を定期的に動かしたりこまめに水分をとったりするなどの対策の重要性を指摘しています。
柴田医長らの調査チームは、東日本大震災の発生後、およそ1か月間、宮城県石巻市など21か所の避難所を回って、高齢者など269人を対象に超音波装置で血栓の有無を調べました。
その結果、24%に当たる65人の脚に静脈血栓が見つかり、軽症のエコノミークラス症候群と診断されたということです。柴田医長は「血栓があった人の半分は自覚症状がなかった。本人が気付かない間に進行して血栓が肺に流れ込めば1時間程度で亡くなることもあるのがこの症候群の怖さだ」と話しました。
そして、血栓ができた理由として「避難所では夜に起きてトイレに行くと周りの人を起こしてしまうので我慢した人が多かったほか、避難所に入れず車中泊を続けた人もいた」と指摘しました。
対策としては足首を定期的に動かすことやこまめに水分を補給することそれに、足に圧力がかかる医療用のストッキングを着用することなどが有効だとしています。柴田医長は「県内では仮設住宅からの住まいの再建が進んでいるが、環境が変わると家に閉じこもりがちになる高齢者もいる。避難生活以外にもこの病気のリスクはあるので注意してほしい」と話していました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:53  | カテゴリ:科学のニュース
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