2016年04月27日 (水)

佐賀 玄海町長 "核のごみ"処分場受け入れるか検討

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原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の処分場を巡り、佐賀県玄海町の岸本英雄町長は、国が沿岸部の海底の地下も候補地の選択肢に含めるとした新しい方針を踏まえて、仮に国が玄海町を候補地として示した場合、町として受け入れるかどうか検討する考えを示しました。

原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の処分場について、国は地質や輸送のしやすさなどを踏まえて、有望な地域を示し、地元の合意を得るという手順で進めることにしていて、沿岸部の海底の地下も候補地の選択肢に含める新たな方針を示しています。
海底の地下が候補地に含められたことについて、九州電力玄海原子力発電所が立地する佐賀県玄海町の岸本英雄町長は、NHKの取材に対し「選択の余地が増えるので、われわれの議論のなかではありがたいかなという気はします」と述べました。
また、岸本町長は「玄海町周辺の海域も可能性としてはゼロではないと思う。ただ、周辺にいっぱい影響を及ぼすことになる。ここに最終処分場を造るのはなかなか厳しい」と述べました。
そのうえで、仮に玄海町を中心とした地域が国から候補地として選定された場合の対応については、「現実に原発が立地している自治体として、核のごみの問題などについて、住民の不安を取り除く作業をやらないといけない。そういう状況になれば、当然住民の皆さんにも説明会は開かないといけない」と述べ、受け入れるかどうか町として検討する考えを示しました。

玄海町の住民は

玄海町の住民からは、さまざまな反応が聞かれました。
70代の女性は「福島第一原発の事故もあったので、処分場がつくられると、事故の心配が増え、怖い」と話していました。
また、60代の男性は「原発も最終処分場も同じ場所につくってしまうと、もし事故が起きた場合、誰が管理するのか、周りの環境への影響も心配だ。処分場は原発が立地していない地域に設けるべきだ」と話していました。
玄海町の外津漁協の尾崎行雄組合長は、国や町から説明を受けてないので詳しいことは分からないとしたうえで、「一般論としては、海底となると、漁業に影響が出ないか心配する人もいるだろうし、玄海町以外の地域の漁業者などにも関係してくるので、調整は難しいのではないか」と話していました。

原子力が抱える「最大の課題」

高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」は、原子力が抱える「最大の課題」とも言われています。
「核のごみ」は、原子力発電所から出る使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムなどを取り出したあとに残る廃液をガラスで固めたもので、人が近づくと十数秒で死に至るレベルの強い放射線を出します。放射線を出す能力は時間とともに弱まりますが、天然のウラン鉱石と同程度になるまで数万年かかるため、地下300メートルより深い場所に埋める「地層処分」が行われることになっています。
しかし、世界的に見ても処分場の確保は困難で、これまでに建設予定地が決まっているのは、去年、国の建設許可が下りたフィンランドと、現在許可に向けた審査が進められているスウェーデンだけです。それ以外の国では、周辺住民の合意を得るのが難しく、処分場は決まっていません。
日本では平成12年に処分に関する法律が作られ、平成14年以降、NUMO=原子力発電環境整備機構が全国の自治体から処分場の候補地を募っていましたが、平成19年に高知県の東洋町が唯一応募しただけで、その東洋町も住民の反対などによってすぐに応募は撤回されました。
このため、国はおととし、科学的に有望な地域を示したうえで、複数の自治体に処分場の選定に向けた調査を申し入れるやり方に方針転換しました。火山や活断層の周辺を避けるなど科学的に候補地にふさわしい要件を検討し、年内にも適地とされる地域を3段階に色分けした地図で示すとしています。
これまでの検討では、海岸からおよそ20キロ以内の沿岸部は廃棄物の輸送の安全面から「より適性の高い地域」とされ、この中には沿岸の海底の地下についても選択肢に含めることになり、ことしから海底の地下の地質や海水の影響といった技術的な課題を、専門家による研究会で検討しています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:12:15  | カテゴリ:科学のニュース
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