2016年05月20日 (金)

もんじゅ運営主体検討会 報告書案を提示

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安全管理上の問題が相次いだ福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」の新たな運営主体について話し合う文部科学省の検討会で、運営主体の経営に外部の専門家が入ることなどを盛り込んだ報告書の案が示されました。大きな異論は出なかったものの、表現の修正などを求める意見が出され、次の会合で取りまとめることになりました。

「もんじゅ」を巡り、原子力規制委員会は去年、運転を安全に行う資質を持っていないなどとして、日本原子力研究開発機構に代わる新たな運営主体を示すよう勧告し、文部科学省の検討会で議論が行われています。
20日に示された報告書の案には、新しい組織の形として、認可法人などを選択肢に挙げて安全規制などへの対応が迅速にできるよう外部の専門家が入る経営協議体を設置することや、適切な保守管理の実施を組織の目標と明確に位置づけてこれを重視した人事評価制度を導入することなどが盛り込まれています。一方で、具体的な運営主体は示しませんでした。
委員からは大きな異論は出なかったものの、新たな運営主体の要件を巡り表現の修正などを求める意見が出され、次の会合で報告書の案を取りまとめることになりました。
今後、文部科学省は報告書を基に具体的な運営主体を示すことにしていますが、規制委員会の田中俊一委員長は、今の原子力機構とは抜本的に異なる安全を確保できる組織が必要だとしており、規制委員会が認める運営主体を示すことができるかが焦点になっています。

有馬座長「議論はできた」

20日の会合のあと、検討会の座長を務める有馬朗人氏は「かなりの回数の会合を開き、議論はずいぶんできた。具体策は書いていないが、新しく作られるべき運営主体の条件はかなりはっきり書いた。具体的な主体については、財政的な問題や今の原子力機構をどうするのかといった課題があるが、文部科学省が考え国の将来をにらんで検討してほしい」と話していました。

電気事業連合会「実施主体引き受けるのは難しい」

福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」を巡って、新たな運営主体の担い手が議論されていることについて、電力会社でつくる電気事業連合会の八木誠会長は記者会見で、「もんじゅは研究開発段階であり、民間企業ではなく国が開発を行うものだと理解している。また、炉の型が異なり、技術的にも全然知見がないので、電力業界が実施主体を引き受けるのは難しいと考えている」と述べ、電力会社が運営主体を担うのは難しいという考えを改めて示しました。

もんじゅ運営主体を巡る経緯

高速増力炉「もんじゅ」の歴代の運営主体は、これまでも繰り返し組織の体質を問われてきましたが、安全管理上の問題が後を絶たず、原子力規制委員会は去年、今の日本原子力研究開発機構に代わる新たな運営主体を示すよう求める異例の勧告を行いました。
「もんじゅ」は使った以上の燃料を生み出す夢の原子炉として研究開発が始まり、当時の動燃=動力炉・核燃料開発事業団が平成6年から試験運転を始めました。しかし、その1年8か月後、冷却材のナトリウム漏れ事故が起き、現場を撮影したビデオ映像を隠したことが発覚して隠ぺい体質が問われ、動燃が解体される事態に発展しました。
その後の組織改編を経たあとも点検の不備やトラブルの通報遅れなどが相次ぎ、平成22年には14年ぶりに再開した試験運転から僅か3か月後に、重さ3トン余りもある装置が原子炉内に落下する重大なトラブルが発生し、それ以来、運転は止まったままです。
そして、4年前の平成24年からの国の保安検査で、およそ1万件の点検漏れが見つかったのをきっかけに、新たな問題が次々に発覚し、翌年原子力規制委員会は管理体制の改善が確認できるまで試験運転の再開を事実上禁じる命令を出しました。
これを受けて、原子力機構はもんじゅを理事長直轄の組織とするなどの見直しを行いましたが、その後も、去年8月に機器の安全上の重要度を決める分類の誤りが多数見つかるなど、この3年間でもんじゅの保安規定違反は10回に及びました。
こうした事態を受け、規制委員会は、原子力機構にはもんじゅの運転を安全に行う資質がないなどとして、去年11月、馳文部科学大臣に対して新たな運営主体を示すよう求める異例の勧告を行いました。
このため、文部科学省は外部の専門家で作る検討会を設置し、この半年で8回にわたる会合や現地調査を行い、もんじゅの存続を前提にこれまでの課題の総括や新たな運営主体に必要な要件を議論してきました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:00  | カテゴリ:科学のニュース
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