2016年06月02日 (木)

国際宇宙ステーションに日本製バッテリー採用へ

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国際宇宙ステーションの電力の供給源として日本製のバッテリーが採用されることになり、実際に設置されるバッテリーが、鹿児島県の種子島宇宙センターで公開されました。国際宇宙ステーションの基盤となる重要な設備に日本製の機器が採用されるのは初めてです。

国際宇宙ステーションには、現在、合わせて48個のバッテリーがあり、太陽電池パネルで発電した電気を蓄電したうえで、サッカー場と同じくらいの広さの宇宙ステーション全体に電気を供給しています。供給した電気は、さまざまな実験装置で使われるほか、宇宙ステーションの空調や照明など宇宙飛行士の生活に欠かせない機器で使われ、重要なライフラインとなっています。
現在使われているバッテリーは、これから劣化が進むと予想されることから、NASA=アメリカ航空宇宙局は交換が必要だと判断し、新しいバッテリーに日本製のリチウムイオン電池が採用されました。
国際宇宙ステーションの基盤となる重要な設備に日本製の機器が採用されるのは初めてで、実際に宇宙ステーションに設置されるバッテリーが、2日、鹿児島県の種子島宇宙センターで公開されました。
新しいバッテリーは、高さ26センチ、幅13センチ、重さ3キロ余りの蓄電池を数十個束ねて、縦横それぞれ1メートル、高さ50センチの箱に詰め合わせたもので、京都市の電池メーカー、GSユアサが開発しました。一つ一つの電池には、英語で「for ISS」、国際宇宙ステーションの略称である「ISSのために」と記されています。
現在、国際宇宙ステーションに取り付けられているバッテリーは、アメリカ製のニッケル水素電池です。今回新たに採用された日本製のリチウムイオン電池は、素材や内部の構造を工夫したことで、蓄えられる電気の量がこれまでの3倍に高められているということで、今後10年間使用できるということです。
新しいバッテリーは全部で24個設置される計画で、年内に打ち上げられる予定の日本の宇宙輸送船「こうのとり」6号機で、まず6個が運び込まれたあと、「こうのとり」の7号機、8号機、9号機でもそれぞれ6個ずつ、宇宙ステーションに運び込まれる予定です。
宇宙ステーションでは、宇宙飛行士が船外活動を行ってバッテリーの交換を行うことになり、今月24日に国際宇宙ステーションに向かい、長期滞在を予定している日本人宇宙飛行士の大西卓哉さんも、その任務に当たる可能性があるということです。
4年前に国際宇宙ステーションでの長期滞在を行った宇宙飛行士の星出彰彦さんは「宇宙ステーションを支える極めて重要な技術に日本製の機器が使われるということは、日本製の技術への信頼がそれだけ高いということで大きな意義がある。これが1つのステップとなり、宇宙開発の分野でますます日本の存在感を高めていくことにつながると思う」と話しています。

ステーション運用延長 背景に日本のバッテリー

2011年に完成した国際宇宙ステーションは、当初2020年までの運用となっていましたが、アメリカがおととし、運用期間を2024年まで4年間延長することを提案し、これまでに、日本やロシア、カナダが賛同を表明しています。JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、国際宇宙ステーションに新たに日本製のバッテリーが採用され、今後10年間は電力の供給が続けられる見通しとなり、技術的な課題が解決されたことも、運用延長に向けた動きの背景にあるということです。

航空機では過去にトラブルも宇宙では評価

国際宇宙ステーションに新たに設置されるバッテリーを製造した京都市の電池メーカー、GSユアサのリチウムイオン電池を巡っては、3年前、航空機のボーイング787型機に採用されたリチウムイオン電池から出火するトラブルが相次ぎ、787型機はおよそ4か月間運航停止になりました。
調査を行ったアメリカのNTSB=国家運輸安全委員会は、原因について、「バッテリーの内部でショートが起きて異常な高温になり、『熱暴走』と呼ばれる現象が起きた」と指摘しています。
これについて、GSユアサは「787型機で出火原因となったバッテリー内部のショートについては、その後、ショートが起きないように改良を加えているので、現在は安全性に問題はない」としています。
また、JAXA=宇宙航空研究開発機構は「GSユアサのリチウムイオン電池は、これまでに日本やアメリカ、ヨーロッパの合わせて100機以上の人工衛星や宇宙輸送船に搭載された実績があり、トラブルの報告もなく、NASAも、JAXAも、安全性は十分だと評価している」としています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:39  | カテゴリ:科学のニュース
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