2016年06月17日 (金)

メルトダウン問題 報告書の主な内容

K10010559241_1606170614_1606170619_01_02.jpg

炉心溶融、いわゆるメルトダウンの公表が遅れた原因などを検証する、東京電力が設置した外部の弁護士などによる委員会の報告書の主な内容です。検証の対象は、炉心溶融を巡る事故当時の通報、報告の内容、社内マニュアルにしたがって炉心溶融を判断、公表できなかった原因などです。

炉心溶融を巡る国などの指示は

当時の清水社長が、事故から3日後の夜の記者会見にあたって、広報担当社員に「官邸からの指示で炉心溶融ということばを使わないように」という趣旨の耳打ちをさせた経緯を指摘し、清水社長が官邸側からの意向を受けて、対外的に炉心溶融を認めることについて、慎重な対応をするよう指示していたとしています。ただ、清水社長らにヒアリングをしたものの、官邸の誰からどのような指示や要請を受けたかは解明できなかったとしています。

東電社内の指示は

社内の連絡文書に記載はなく、本店と発電所などを結ぶテレビ会議でも、本社から福島第一原発に対する直接の指示もなかったが、重要な事柄をマスコミに発表する際には、事前に官邸や保安院の了解を得る必要があり、対外的に、炉心溶融を肯定する発言を差し控えるべきという認識が、社内で広く共有されていた可能性が高いとしています。

マニュアルを見ていたか

検証委員会は、事故のあと、福島第一原発の緊急時対策班が、国に通報が必要な緊急事態を判断するためのマニュアルを確認しながら、業務にあたっていたことを確認したとしています。この通報の運用から考えれば、炉心損傷割合の数値から「炉心溶融にあたる」と記載されるのが自然であるのに、記載がないとして、記載を避けたようにみられるとしました。その背景として、「炉心溶融にあたる」と自治体などに通報した場合、マスコミに知られる可能性が高かったといえるとしています。

なぜ炉心溶融と通報しなかったか

福島第一原発の担当者が、炉心溶融にあたるとの記載をしないで、炉心損傷割合の通報で済ませた真意は分からなかったとしたうえで、当時、炉心溶融の使用を事実上、控える必要があるという認識が、東京電力の社内で、ある程度共有されていた結果と推測するしかないとしました。

炉心溶融を通報しなかった影響は

当時の原子力安全・保安院は、炉心溶融が法令上の用語であり、各電力会社から基準の報告も受けていたことから、炉心損傷割合の通報であっても、炉心溶融にあたると判断ができたはずだとしています。このため、国の避難指示などの実施に影響はほとんどなかったとしましたが、地元への説明としては、不十分だったと言わざるをえないとしています。

もっと早く炉心溶融を判断できなかったか

炉心の状態を直接見て確認することができないため、原子炉のさまざまなデータを総合して判断せざるをえなかったとして、判断材料がそろうのにある程度、時間がかかるのはやむをえないとしました。このため、東京電力が炉心溶融を認めた事故の2か月後よりも前に判断できなかったことは、不当であったとは言えないとしました。

一方で、事故から3日後には、社内のテレビ会議の中で本店のフェローが「1号機と3号機が炉心溶融している」という発言をしていることから、より早く、炉心溶融を対外的に認めることが可能だったとの見方もできるとして、委員会として、当時の判断の是非はできないとしています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:30  | カテゴリ:科学のニュース
コメント(0) | トラックバック (0)


トラックバック

■この記事へのトラックバック一覧

※トラックバックはありません

コメント(0)

※コメントはありません

コメントの投稿

ページの一番上へ▲