2016年07月04日 (月)

子宮頸がんワクチン 接種推奨の再開に市民団体が反論

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接種後に原因不明の痛みなどを訴える患者が相次ぎ、国による積極的な接種の呼びかけの中止が3年余り続く子宮頸がんワクチンについて、4日、弁護士らで作る市民団体が記者会見し、実態調査が不十分だなどとして、積極的な接種の呼びかけを再開すべきではないとする意見書を発表しました。

子宮頸がんワクチンは、接種後に原因不明の痛みなどを訴える患者が相次ぎ、厚生労働省が接種の積極的な呼びかけを中止する事態が3年余り続いていますが、ことし4月、日本小児科学会など17の団体が、患者の診療体制の整備など十分な対策が講じられたとして、積極的な接種を推奨する見解を発表しています。
4日に会見したのは、弁護士などで作る市民団体「薬害オンブズパースン会議」で、積極的な接種の呼びかけは再開すべきではないとする意見書を発表しました。具体的には、国が整備した拠点病院でも診療を断られるなど診療体制が整ったとは言えないほか、国が行ってきた実態調査は不十分で副反応の発生率もはっきりと分かっていないなどとしています。会見した水口真寿美弁護士は「きちんと診てくれる医療機関はいまだ少ないというのが実感だ。本当に接種を勧めていいのか、学会側には再検討してほしい」と話しています。

米では「安全性データリンク」

国が積極的な接種の勧奨を中止して3年以上。なぜ、こうした事態がずっと続いているのでしょうか。

子宮頸がんワクチンの接種後に起きた症状が、ワクチンと関係があるかどうか。それを調べる重要な方法の1つは、接種したグループと接種していないグループで症状のある人の数を比べる調査です。日本より3年早く子宮頸がんワクチンを承認したアメリカでは、こうした調査を迅速に行うシステムを持っています。そして接種後に起きた症状とワクチンとの関係についてこのシステムを使って判断し、接種が継続されていました。
このシステムは、「ワクチン安全性データリンク」と呼ばれるもので、医療機関が持つ900万人分のカルテなどの情報からワクチンの接種歴や症状の有無を指定して目的のデータを集め、分析することができます。何か危険があればすぐに把握できるよう、アメリカではこのシステムを使って接種後に特定の症状が増えていないか毎週分析していて、ワクチンを接種したグループだけに特定の症状が問題になるレベルで増える現象は確認されなかったということです。また承認から3年が経過した段階で失神やアレルギー症状など8つの症状についてさらに詳しく分析し接種と症状に関連は認められなかったと結論づけています。
一方、日本では、今回の問題を受けて、同様の調査を行おうと去年、専門家のグループが設立されました。しかし、現在は1万9000ある医療機関に対象となる患者がいるかを確認している段階で、これから具体的な症状などについて聞き取り調査を始める予定です。最終的な分析結果をいつ出せるのか、見通しはたっていません。
ワクチンの副反応は人種によって異なる可能性があるという指摘があるうえ、日本で問題になっている症状はアメリカで調査されたものとは異なります。国内で迅速に調査できる態勢を作るためにアメリカのようなシステムを導入すべきではないかといった指摘が専門家から上がっています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:16:49  | カテゴリ:科学のニュース
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