2016年07月06日 (水)

宇宙でマウスを飼育 大西さんが取り組む

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大西さんは、国際宇宙ステーションに滞在中、日本では初めてとなる哺乳類での宇宙実験として、マウスの飼育実験に臨む予定です。

マウスの飼育を行う日本の実験装置は、去年8月、日本の宇宙輸送船こうのとり5号機で国際宇宙ステーションに運ばれ、去年長期滞在した宇宙飛行士の油井亀美也さんが、日本の実験棟きぼうに設置しました。
実験装置は、1つの部屋が、高さ5センチ、幅10センチ、奥行き10センチほどの大きさで、合わせて6つの部屋が、バウムクーヘンのような形に並べられています。
実験装置は合わせて2台あり、1台は回転させて地球上と同じような重力を作り出し、もう1台は回転させずに無重力の状態のままにします。そのうえで、マウスを6匹ずつ、重力がある状態と重力がない状態とで40日間飼育し、骨や筋肉、内臓などにどのような違いが現れるか調べます。
哺乳類を代表して、宇宙でマウスを飼育する実験は、これまでにアメリカやイタリア、ロシアが行っていますが、今回の日本の実験装置のように、重力がある状態と重力がない状態とで飼育した結果を比較できるのは、世界でも初めてです。
飼育実験を行うマウスは、今月中旬にアメリカの宇宙輸送船で運ばれる予定で、予定どおりに届けば、大西さんらが初めて、実験装置でマウスを飼育することになります。

大西さんら、宇宙飛行士の役割は、マウスの飲み水や餌の補給と、排せつ物などの部屋の掃除です。補給や部屋の掃除を行う際には、実験装置の回転を止めてしまうため、実験の質の高さを保つためには、宇宙飛行士が手際よく作業を行うことが重要だということです。また、水を与える装置が故障した場合には、宇宙飛行士がマウスに直接水のゼリーを与えることも想定されているということです。

今回の新たな実験装置によって、重力がある状態と重力がない状態とで、哺乳類にどのような違いがみられるか、調べる目的は大きく2つあります。
1つは、火星などを目指す、将来の有人宇宙飛行につながるデータを得ることです。もう1つは、私たち哺乳類の老化現象のメカニズムを解明して“予防医学”につなげることです。
これまでに、国際宇宙ステーションで、宇宙飛行士らが行った実験から、人が宇宙で生活すると、骨の密度や筋肉の量が減少することが分かっています。このため、無重力の状態は、哺乳類にとって、老化がより早く進む状態とよく似ていると考えられていて、JAXAと筑波大学などの研究グループは、今回の実験を通して、老化現象のメカニズムを解明し、老化を遅らせる運動法や新薬の開発につなげたいとしています。
研究グループの代表を務める、筑波大学の高橋智教授は「将来は誰でも宇宙に行く時代が来るかもしれず、そうした時代に向けて貴重なデータになると思う。また、本格的な高齢化社会を迎える日本では健康寿命を延ばすための予防医学として生かすことができるような研究成果が得られるよう努めたい」と話しています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:20:29  | カテゴリ:科学のニュース
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