2016年07月13日 (水)

大飯原発の地震の揺れ想定 見直さず

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福井県にある大飯原子力発電所で想定される地震の揺れについて過小評価のおそれがあると指摘された問題で、原子力規制委員会は別の手法で再計算した結果が今の想定を下回ったとして、見直す必要はないという結論で一致しました。

原発で想定される最大規模の地震の揺れを巡り、原子力規制委員会で地震などの審査を担当していた島崎邦彦元委員は地震の規模を予測する「入倉・三宅式」と呼ばれる計算式を使うと、一部の原発では過小評価になるおそれがあり、まず大飯原発の評価を別の計算式でやり直すよう求めています。
これについて13日の委員会で原子力規制庁は地震の規模の評価がより大きくなる別の計算式で再計算した結果、揺れの想定は最大で644ガルと、審査で了承された今の想定の856ガルを下回ったと報告し、これを受けて規制委員会は、今の想定はおおむね妥当だとして、見直す必要はないという結論で一致しました。
ただ大飯原発の審査では、過去に、別の原発で想定を大幅に上回る周期の短い地震の揺れが観測された実例を踏まえて補正をしていますが、今回の再計算では行っておらず、専門家からはより詳しい検討や今の想定の手法が妥当かどうか検証が必要だとする指摘も出ています。
これについて会見で規制委員会の田中委員長は「専門家の中で検証が必要で、新しい知見があれば取り入れていきたい」と述べました。

田中委員長「専門家で議論を」

大飯原発で想定される地震の揺れの再計算を巡り、原子力規制委員会の田中俊一委員長は再計算で使われた別の計算式で、地震の揺れが計算以上になる「不確かさ」を考慮した評価をしていないことについて「今回使った計算式では不確かさをどこまで見込むべきかの評価がされておらず、専門的な判断が必要になる。どういう評価をすべきかは、今後、専門家の中で、やってもらうしかない」と述べました。
そのうえで、原発の審査で導入されている地震想定の手法について「規制委員会は学問的な議論をする場ではないので、一般的には専門家の中で検証され新しい知見があれば、積極的に取り入れていく」と述べました。
再計算を求めた島崎元委員の反応については、「結果を説明したところ、速やかに評価してもらったことについて感謝するとともに、結果を見て非常に安心したと話していた」と明らかにしました。

「もっと踏み込んだ検討必要」

今回の再評価について地震の強い揺れの予測、強震動予測の専門家で防災科学技術研究所の藤原広行部門長は「今回の再計算では周期の短い地震の揺れなどについて、地震の揺れが計算以上になる『不確かさ』を考慮せず比較しているが、本来は考慮して、『入倉・三宅式』をもとにした結果とどれだけ違うか、もっと踏み込んだ検討が必要だと感じている」と指摘しています。そのうえで、「今回の島崎元委員の指摘をきっかけに現在の審査での不確かさの評価の考え方が今のままでよいのか、専門家などを交えて検証し、体系的なものを作るべきだ」としています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:36  | カテゴリ:科学のニュース
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