2016年07月26日 (火)

太陽光発電の飛行機が世界一周を達成

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世界で初めて太陽光発電による動力だけで世界一周を目指していたプロペラ機が、4万2000キロに及ぶ飛行を終えて、ゴールのUAE=アラブ首長国連邦のアブダビに26日、到着しました。

世界一周を達成したのはスイスで開発された「ソーラー・インパルス2」で、ジャンボジェット機に匹敵する長さ72メートルの両翼や、機体の上部に1万7000個余りの太陽電池が取り付けられた、1人乗りのプロペラ機です。
去年3月、太陽光発電の動力だけでは初めてとなる世界一周を目指してアブダビを出発し、去年6月には愛知県の県営名古屋空港にも着陸して話題となりました。
その後、太平洋を横断しようとした際に、バッテリーの故障などのトラブルで、9か月ほどの中断を余儀なくされましたが、アメリカや大西洋を横断し、24日に最後の経由地エジプトを出発しました。
最後のフライトを操縦したのは、計画を発案したスイス人の冒険家、ベルトラン・ピカールさんで、26日午前4時すぎ(日本時間の26日午前9時すぎ)、アブダビの空港に着陸し、1年4か月余りかけて4万2000キロに及ぶ世界一周の旅を終えました。
到着後、ピカールさんは記者会見で「達成した瞬間、どんなことも可能だと実感し、私たちはなぜもっと夢を見て、なぜもっと努力しないのかと思った。きょうは始まりにすぎないと思った」と述べ、さらなる挑戦への意欲を見せていました。

9か月余の中断も

太陽光発電による動力だけで飛ぶ「ソーラー・インパルス2」は、1人乗りのプロペラ機です。
飛行機の両翼の長さはジャンボジェット機とほぼ同じ72メートルあり、機体の上部に1万7248個の太陽電池が取り付けられています。長さ4メートルのプロペラが4つあり、スピードは最速で90キロ、日中に太陽光から充電して、リチウムポリマー電池に蓄えて、夜間にも飛行を続けることができます。紙より軽い炭素繊維シートや人間の髪の毛ほどの薄さの太陽電池などを使用し、機体の重さは普通乗用車並みの2300キロに抑えています。
操縦室は冷暖房や気圧を調節する装置はなく、パイロットは酸素マスクを着けたり、特別に作った流動食を食べたりして、操縦席の下にあるトイレで密封性のある専用の袋で用を足します。
1999年に気球による無着陸世界一周を達成したスイス人の冒険家、ベルトラン・ピカールさんが、同じスイス人の戦闘機の元パイロットで経営コンサルタントのアンドレ・ボルシュベルグさんと共同でプロジェクトを立ち上げ、2人で交代で飛行機を操縦してきました。
プロジェクトの目的は再生可能エネルギーの価値を世界中にアピールすることで、プロジェクトの総予算は1億7000万スイスフラン(日本円でおよそ180億円)で、ヨーロッパなどの企業から出資を受けました。

「ソーラー・インパルス2」は、去年3月9日、UAE=アラブ首長国連邦の首都アブダビを出発し、インドや中国など合わせて6か所に着陸したあと、5月に太平洋横断を目指して南京を出発しました。
しかし、太平洋上の悪天候を避けるために計画を変更し、去年6月、愛知県の県営名古屋空港に着陸し、日本でも大きな話題となりました。
およそ1か月ほど日本に滞在したあと、ハワイに向けて出発し、5日近く飛び続けて、航空機による単独飛行の世界最長記録を大幅に更新しました。
しかし、フライトの結果、電池がオーバーヒートで故障し、去年7月、旅を9か月余り中断することを決めました。
その後、ことし4月にハワイを出発し、カリフォルニア州やニューヨークなどアメリカの6か所を経由したあと、さらに大西洋を横断し、スペインに到着しました。
そして、16か所目で最後の経由地となるエジプトのカイロに寄ったあと、サウジアラビアを横断してペルシャ湾に抜けて、4万2000キロほどの世界一周の旅を終えて、およそ1年4か月ぶりにアブダビに戻ってきました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:14:48  | カテゴリ:科学のニュース
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