2016年07月28日 (木)

福島第一原発 2号機の底に核燃料の大部分が残留か

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東京電力福島第一原子力発電所の事故で核燃料が溶け落ちた2号機について、内部を透視する調査で得られた画像が公表され、核燃料の大部分が原子炉の底の部分に残っている可能性が高いことが分かりました。東京電力は核燃料のある場所を知る具体的な手がかりだとして、取り出しに向けた調査を進めることにしています。

福島第一原発の事故で溶け落ちた核燃料を取り出すには、その位置を把握することが重要ですが、放射線量が高く人が近づけないため、東京電力と高エネルギー加速器研究機構などはさまざまな物質を通り抜ける性質がある「ミューオン」と呼ばれる素粒子を使って、原子炉の内部をレントゲン写真のように透視する調査を行ってきました。
このうち28日公表された2号機の調査結果の画像には、原子炉の底に大きな黒い影が映っていました。素粒子を使った調査ではウランのような重い金属があると黒い影が映し出されるため、東京電力は溶け落ちて炉内の構造物と混ざり合った核燃料の大部分が原子炉の底にたまっていて、その量は160トンに及ぶとみています。核燃料の一部は本来の位置の原子炉の中心部付近にもとどまっているとみられるということです。
溶け落ちた核燃料とみられる影が捉えられたのは初めてで、東京電力は核燃料のある場所を知る具体的な手がかりだとして、今後どう取り出すか、調査を進めることにしています。

廃炉と事故の検証に意義

メルトダウンを起こした3基のなかでも大量の放射性物質を放出したとされる2号機で、溶け落ちた核燃料の姿が透視による画像という形で初めて捉えられました。
2号機の原子炉の底に多くの核燃料が残っていることを示す今回の結果は、廃炉と事故の検証という2つの点で大きな意義があります。

まず、核燃料がどこにあるかは、廃炉に向けた最大の難関とされる溶け落ちた核燃料をどう取り出すかに大きく影響します。
アメリカのスリーマイル島原発の事故では、溶け落ちた核燃料はすべて原子炉の中にとどまったため、ここを水で満たしたうえで原子炉の真上から核燃料を取り出しました。水には放射線を遮る効果があるからです。

福島第一原発2号機の場合、原子炉が損傷して水漏れが起きているため、水で満たすのは簡単ではありませんが、この方法をとるには多くの核燃料が原子炉に残っているほうが有利といえます。

国や東京電力は原子炉を突き破って、その下の格納容器に達した核燃料がどの程度あるのかを調べるために、今年度中に格納容器の内部にロボットを入れて調査したうえで、来年の夏ごろまでに核燃料の取り出し方針を決めることにしています。

もう一つは、福島第一原発の事故の検証です。2号機は事故から3日間、非常用の冷却装置が機能していましたが、機能が失われた3月14日に危機的な状況に陥りました。
このため、原子炉の核燃料を冷やそうと消防車を使って外から水を入れる「消防注水」が行われましたが、今回の調査結果はある程度の冷却ができていたことを示しています。

その一方で、2号機からは3基のなかでも大量の放射性物質が放出されたとみられています。冷却が比較的長く続けられたのに、なぜ大量放出に至ったのか、この謎の解明に今回の調査結果がどのような意味を持つのか、今後の分析が注目されます。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:24  | カテゴリ:科学のニュース
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