2016年07月29日 (金)

手術経験不足で学会の資格取得か 群大病院

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群馬大学附属病院で、腹くう鏡による肝臓などの高度な手術を受けた患者8人が相次いで死亡した問題で、大学の調査委員会は、腹くう鏡を使って肝臓を切る手術の経験がなく、肝臓の開腹手術の経験も多くなかった教授が、高度技能指導医と呼ばれる学会の資格を取得していたなどとする報告書をまとめました。また、手術には参加していない教授が、記録上は指導的な立場で参加していたことになっていたなどともしていて、専門家は「指導医の資格は患者にとっても、どこで医療を受けるのか重要な情報だ。医療現場で何が起きていたのか説明してほしい」と話しています。

群馬大学附属病院では、平成26年までの4年間に、腹くう鏡を使った肝臓などの高度な手術を受けた患者8人が、術後、相次いで死亡したほか、開腹手術を受けた患者10人も死亡し、大学が調査委員会を設けて、詳しい調査を続けてきました。

調査委員会がまとめた報告書によりますと、手術後に患者が相次いで死亡した旧第二外科では、腹くう鏡を使って肝臓を切る手術の経験がなく、肝臓の開腹手術についても経験が多くなかった教授が、肝臓やすい臓などの高度技能指導医と呼ばれる資格を取得していたということです。高度技能指導医の資格を取得していたこの教授は、NHKの取材に対し、「話すことはできない」などとしています。また、報告書は、手術に参加していない教授が、記録上は指導的な立場で参加していたことになっていたなどともしています。

一方、今回のケースでは調査対象となった18人の死亡例について、いずれも死亡原因を解明するための病理解剖が行われず、問題となっていますが、報告書では、ある遺族が解剖を申し出たところ、担当の医師から解剖しても分からないことが多いなどと、否定的な説明を受け断念したのに、カルテには、遺族が後ろ向きだったため見合わせたという内容の記述があったともしています。

医療事故の被害者遺族で、国の医療事故調査制度の委員も務めた永井裕之さんは「指導医の資格は、患者にとってもどこで医療を受けるのか重要な情報だ。信頼できないとなれば、何を信じてよいのか分からなくなる。医療現場で何が起きていたのか説明してほしい」と話しています。

“実力あるとされる”高度技能指導医

高度技能指導医は、肝臓やすい臓などの難しい手術を行う技量と後輩を指導できる実力があるとされる医師です。難易度の高い肝臓などの手術を、100例以上経験した実績が認定の条件で、平成20年以降、全国でおよそ600人が認定されています。

指導医がどこにいるかは、認定を行っている日本肝胆膵外科学会のホームページで検索できるようになっていて、かかりつけの医師らが、難しい手術が必要な患者をどこに紹介するか判断したり、患者自身が病院を決めるうえで重要な情報となっています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:49  | カテゴリ:科学のニュース
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