2016年08月12日 (金)

新基準策定から3年 運転は2原発3基に

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福島第一原発の事故を踏まえて新しい規制基準が策定されてから3年がたち、伊方原子力発電所3号機の再稼働で、全国で運転中の原発は、川内原発の2基と合わせて2原発3基となります。

廃炉が決まった原発を除くと、全国には16原発42基があり、新しい規制基準に基づく審査の申請は、これまでに建設中の青森県の大間原発を含めて26基で行われました。

審査に合格したのは、鹿児島県にある川内原発1号機と2号機、福井県にある高浜原発1号機から4号機の4基、それに愛媛県にある伊方原発3号機の3原発7基で、いずれも「PWR」=加圧水型と呼ばれるタイプの原発です。

このうち、最も早く去年再稼働したのが、川内原発の2基です。
高浜原発3号機と4号機はことし1月以降、順次、再稼働しましたが、大津地方裁判所の運転停止を命じる仮処分の決定を受け、2基とも決定が覆らない限り、運転できない状態です。このため、伊方原発3号機の再稼働で、全国の運転中の原発は川内原発の2基と合わせて2原発3基となります。
運転開始から40年がたち、ことし6月、運転延長が認められた高浜原発1号機と2号機は、実際に再稼働するには安全対策の追加工事などを終える必要があり、関西電力は3年以上かかるとしています。
同様に関西電力が運転期間の延長を目指す福井県にある美浜原発3号機は、規制委員会が今月3日、審査に事実上合格したことを示す審査書の案をとりまとめましたが、ことし11月末の期限までに、設備の詳しい耐震性や劣化状況など残りの審査に合格する必要があり、期限までに終わるかが焦点になります。

このほかのPWRでは、北海道にある泊原発3号機、佐賀県にある玄海原発3号機と4号機、それに福井県にある大飯原発3号機と4号機の審査がおおむね終盤に入っていて、規制委員会は、このうち玄海原発について近く審査に合格したことを示す審査書の作成を本格的に始める見通しです。ほかの2つの原発は合格の具体的な時期は見通せない状況です。
福井県にある敦賀原発2号機は、焦点となっている真下を走る断層の活動性から議論を始めていて、審査は序盤です。

一方、事故を起こした福島第一原発と同じ「BWR」=沸騰水型と呼ばれるタイプの原発は、これまでに新潟県にある東京電力の柏崎刈羽原発など、8原発10基で審査が申請されていますが、耐震評価の審査などに時間がかかることから、合格の時期は早い原発でも来年以降になる見通しです。

再稼働か廃炉か 始まる“選別”

四国電力は、伊方原発3号機を再稼働させる一方で、1号機は廃炉にすることを決めました。

四国電力によりますと、3号機の稼働率を80%で試算すると、年間の収益が250億円程度改善するということで、早期の再稼働を目指してきました。
一方、来年9月で運転開始から40年となる1号機については、ことし3月に廃炉を決定しました。

全国の原発で唯一、40年を超えて運転を延長するための審査に合格している関西電力の高浜原発を参考に試算した結果、伊方原発1号機の安全対策にかかる費用は、3号機の1700億円を上回る見込みだということです。

さらに、1号機の発電の出力は、3号機の6割ほどの56万6000キロワットと小さいうえに、審査に時間がかかれば、稼働できる年数は少なくなるため、廃炉が妥当だと判断したとしています。廃炉の費用は、ほかの原発の例からおよそ30年で400億円程度と推定しています。
また、運転開始から34年の2号機について、四国電力は「有効に活用したい」としていますが、新しい規制基準が施行されて3年以上がたつ今も、審査の申請は行われていません。

「プルサーマル」実施を目指す動きも

伊方原発3号機では、使用済み燃料を再処理してプルトニウムを取り出し、ウランを混ぜた「MOX燃料」を使う、プルサーマルが行われます。

原発事故の影響で、各地の原発が停止し、ことし1月以降、順次、再稼働した高浜原発3号機と4号機では、事故後初めてのプルサーマルが実施されました。しかし、この2基は、ことし3月、仮処分の決定を受けて運転を停止しているため、現段階でプルサーマルの実施は、伊方原発3号機のみとなります。

伊方原発3号機では、原子炉に入る核燃料157体のうち16体がMOX燃料です。
MOX燃料は、通常のウラン燃料と比べて発熱量が多いほか、仮に冷却できなくなると、より低い温度で溶け始めることや、ウラン燃料と比べて、核分裂反応を止める時に使う「制御棒」の効きが悪くなるなどの特性があります。
これについて、電事連=電気事業連合会はヨーロッパでは1960年代からプルサーマルが始まって、平成20年までに6000体余りのMOX燃料の使用実績があり、問題はなかったとしています。

現在、プルサーマルの実施に向け、原子力規制委員会に審査を申請しているのは、北海道電力の泊原発3号機や中部電力の浜岡原発4号機、それに建設中の電源開発の大間原発など、合わせて7基です。
このうち大間原発では、世界で初めて、MOX燃料だけを使う、いわゆるフルMOXを計画しています。

プルサーマルについて、電気事業連合会は7年前に公表した計画で、昨年度までに全国の16から18基の原発での実施を目指していました。
多くの原発が停止した状態が続く中、電気事業連合会は、プルサーマルを含む核燃料サイクルの重要性は変わらないとしたうえで、16から18基で実施する方針は変更せず、時期については今後、見直していきたいとしています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:17:00  | カテゴリ:科学のニュース
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