2016年08月27日 (土)

原発事故想定の避難訓練 複合災害時の課題が浮き彫りに

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福井県にある高浜原子力発電所で地震に伴って事故が起きたという想定で、近隣の7000人以上の住民が参加する大規模な防災訓練が行われました。孤立した住民などをヘリコプターや船で避難させる訓練は天候の悪化で一部中止になり、複合災害時の課題が改めて浮き彫りになりました。

訓練は、若狭湾沖で発生した地震の影響で、高浜原発から放射性物質が放出されたという想定で行われ、原発から6キロ離れた場所にある防災拠点、オフサイトセンターでは午前9時すぎ、原子力緊急事態宣言が関係機関に伝えられました。

およそ40キロ離れた福井県の美浜町役場では、原発の30キロ圏内から避難してくる住民に放射性物質が付着していないかを検査するスクリーニングが行われました。
住民を車に乗せたまま検査するゲート型モニターと呼ばれる装置も置かれ、汚染の可能性を示すブザーが鳴ると、放射線技師らが住民を車から降ろして測定器を使って頭や靴の裏などを検査しました。

27日は土砂災害で孤立した住民などをヘリコプターや船で避難させる訓練が天候の悪化で一部中止になり、代わりにバスなどを使ったということで、複合災害時の課題が改めて浮き彫りになりました。
これについて訓練を視察した高浜町の野瀬町長は、「避難の計画にさまざまな選択肢を盛り込まなければならない」と述べ、福井県の西川知事も「インフラ整備の必要性を感じた」と話していました。

遠方の県も避難の受け入れ訓練

高浜原発からおよそ80キロ離れている兵庫県宝塚市では、原発周辺から避難してきた人たちを受け入れる訓練が行われました。

福井県内の原発で重大な事故が起きた場合、兵庫県内では41すべての市と町で、原発から半径30キロ圏内の福井県と京都府の住民を受け入れることになっています。
27日の訓練では、宝塚市に福井県高浜町の住民80人が避難しました。住民たちがバスなどで到着すると、兵庫県や宝塚市の職員たちは飲料水や非常食を手渡したり、アンケート用紙を使って健康状態を聴き取ったりして、受け入れの手順を確認しました。
高浜町の61歳の男性は「県外に避難先が確保されるのはありがたい。訓練をきっかけに、避難の基本的な流れを復習しておきます」と話していました。

27日は訓練のあと、兵庫県の井戸知事と福井県の西川知事、それに宝塚市の中川市長と高浜町の野瀬町長の4人による会談も宝塚市内で行われ、避難者の受け入れ態勢の整備を連携して進めることで一致しました。
会談のあと、井戸知事は「きょうは極めてスムーズだったが、実際に災害が起きると混乱も生じうる。今後、より実践的な訓練を行うため課題を検証する」と述べました。

避難の中継地点でも

原発から半径30キロ圏内に含まれる京都府内でも、住民およそ3300人が参加して避難や屋内退避などの訓練が行われました。

およそ10キロ離れた舞鶴市の大浦小学校では、避難の指示を受けた住民たちが体育館に集まり、甲状腺の被ばくを防ぐために服用する安定ヨウ素剤に見立てたあめを受け取ったあと、バスに乗り込みました。
そして、京丹波町の公園に設置された避難中継所に到着すると、体に放射性物質が付着していないかを調べる検査を受けました。
一方、綾部市では、福井県高浜町やおおい町の住民が、兵庫県まで避難する際の中継所が設けられ、担当者が車が放射性物質に汚染されていないかを確認したりタイヤを水で洗い流したりしていました。

京丹波町の公園に避難する訓練に参加した舞鶴市の男性は「初めて参加しましたが、事故が起きた時にどうするか、家族でよく話し合っておきたい」と話していました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:11  | カテゴリ:科学のニュース
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