2016年08月29日 (月)

日本初の月面探査へ 民間チームが「フライトモデル」公開

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日本で初めての月面探査を目指している民間のチーム、「HAKUTO」が実際に月面で走らせる探査車の設計を固め、試作した「フライトモデル」を29日公開しました。チームは、来月下旬には鳥取県の鳥取砂丘で月面を想定した走行テストを行うなど準備を進め、来年中の月面探査の実現を目指しています。

月面探査を目指しているのは、宇宙関連企業の関係者や東北大学の研究者などおよそ100人で作る民間のチーム「HAKUTO」で、実際に月面で走らせる探査車の設計を固め、試作した「フライトモデル」を29日東京で公開しました。
「フライトモデル」は、全長がおよそ60センチ、重さはおよそ4キロで、月面のどんな複雑な地形でも走行できるように、羽根車のような形をした車輪が大きな特徴です。
「HAKUTO」は、アメリカのIT企業「グーグル」と民間の財団が進める、民間のチームによる月面探査の国際コンテストに参加しています。このコンテストには、世界の16のチームが参加し、月面を500メートル以上走行し、その際の動画や静止画を地球に届けられるかを競っていて、最初に達成したチームには賞金2000万ドルが贈られることになっています。
チーム「HAKUTO」は、来月下旬には鳥取県の鳥取砂丘で月面を想定した走行テストを行うなど準備を進め、来年中にアメリカのロケットで月へ向かい、日本では初めてとなる月面探査の実現を目指しています。チーム「HAKUTO」の袴田武史代表は、「ようやく設計が固まり、月に向かえる態勢が整ってきた。月面探査の目標をしっかりと達成できるよう着実に準備を進めたい」と話しています。

半分に軽量化

今回、発表された「フライトモデル」では、大幅な軽量化が図られています。
去年10月に発表された探査車の試作機は、重さがおよそ7キロありましたが、今回の「フライトモデル」では、およそ4キロと半分近くになっています。大きな改良点は、本体に使用している素材の変更で、全体の3割を占めていたアルミニウムのほとんどを、より軽く、より強度がある、航空機などにも採用されている「炭素繊維強化プラスチック」に変えました。
また、羽根車の形をした車輪の刃の数もこれまでの23枚から15枚に減らしています。
チーム「HAKUTO」では、アメリカの企業が開発する月着陸船に載せて探査車を月に送り込む計画ですが、探査車が1キロ重くなるごとに、アメリカの企業に支払う費用がおよそ1億2000万円ずつ増えるため、探査車を軽くした分だけ費用を抑えられるということです。

地形が月面に似た鳥取砂丘で走行テスト

チーム「HAKUTO」は、来月下旬に鳥取県の鳥取砂丘で月面を想定した本格的な走行テストを行うことにしています。
チームでは、今月22日に鳥取砂丘を訪れ、砂丘を管理する鳥取県の担当者と走行テストに向けた詳しい打ち合わせを行いました。実際の月面では、複雑な起伏や砂ですべりやすい地形の中で、探査車が安定して走行できるかどうかや、探査車の方向や傾きが変化する中で安定して地球側と通信できるかどうかが重要になります。このため、走行テストでは、こうした点を中心に確認を行うということです。
チーム「HAKUTO」の秋元衆平さんは「地形が月面に似ていることに加え広いエリアを確保できるので、鳥取砂丘が実験に適していると考えている。探査車がどのような状況でも確実に通信できるか確かめたい」と話しています。
また、走行試験に協力する鳥取県とっとり元気戦略課の若松紀樹課長は、「鳥取砂丘を試験走行の場に選んでもらい、日本初の月面着陸に向けて一翼を担えることはうれしい。思う存分使ってもらって、ぜひ、今回の挑戦を成功させてもらいたい」と話しています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:37  | カテゴリ:科学のニュース
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