2016年09月15日 (木)

国際宇宙ステーションの大西さん アジア高校生考案の実験に挑戦

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国際宇宙ステーションに滞在している日本人宇宙飛行士の大西卓哉さんが、日本時間の14日夜、地上側と回線を結びアジア各国の高校生たちが考えた宇宙実験に目の前で挑戦するという初めての試みを行いました。JAXA=宇宙航空研究開発機構としては宇宙開発への意欲が高まっているアジアの国々の中で日本の存在感を高めたいという狙いがあります。

宇宙実験は、国際宇宙ステーションと、日本の筑波宇宙センターとを結んで行われ、管制室には、インドネシアやタイなどアジアの3つの国の高校生や大学生ら3人が招かれました。
この中では、国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士の大西卓哉さんが、アジアの高校生たちが考えた5つの実験に目の前で挑戦しました。
このうち、インドネシアの高校生が考えた実験では、水が入った袋に大きさが同じで質量が違う3つの玉を同時に入れ、袋を動かすと、無重力の状態でも、質量が大きい玉のほうが動きが鈍いことが分かりました。
また、タイの大学生が考えた実験では、注射器に水を入れた場合と油を入れた場合との液面の違いを比較し、油の場合は、重力の影響がなくなることで壁に張り付こうとする性質が際立ち、注射器を引くと液面がへこんでしまうことを確かめていました。

実験を終えた大西さんは、英語で、「とてもユニークな実験ができて楽しかったです。今後も皆さんのような、若い人たちに参加してもらい、科学に興味を持ってほしいです」と呼びかけていました。
実験を考えたシンガポールの高校生、ハオ・ミン・ワンさんは「自分が提案した実験が目の前で行われとても興奮しました。このような機会が与えられてとてもうれしいです。もしチャンスがあるならば私も宇宙飛行士になりたいです」と話していました。

日本人宇宙飛行士が、アジアの国々の生徒たちからの実験提案に目の前で応えるのは今回が初めてで、JAXAとしては、近年、宇宙開発への意欲が高まっているアジアの国々の中で、日本の存在感を高めたいという狙いがあります。

宇宙分野での日本の存在感高めるねらい

アジアでは、中国が急速に宇宙開発を拡大させる中、日本としては、アジアで唯一国際宇宙ステーションに参加している強みを生かして、アジアの中での存在感を高めようとしています。
ことし4月、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」から、フィリピン政府にとって初めての人工衛星となる大きさがおよそ50センチの超小型衛星を放出しました。重さが100キロ以下の超小型衛星は、電子部品の小型化や高性能化が進んだ上にコストも下がり、これまで自前で人工衛星を持てなかった国々でも宇宙開発に参加できる手段として注目されています。

こうした中、日本は、超小型衛星を安全に放出する機会を提供するなど、日本の「きぼう」を活用して各国の宇宙開発を後押しすることで、アジアの中での存在感を高めようとしています。ただ、「きぼう」を使った協力には広がりに限界があるほか、「きぼう」を含む国際宇宙ステーションの運用は8年後の2024年までとなる見通しで、その後日本が宇宙開発の分野でどのように存在感を示していくのか、新たな戦略も問われています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:05:25  | カテゴリ:科学のニュース
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