2016年09月26日 (月)

微細なプラスチックごみ 南極海でも初検出

K10010707181_1609262225_1609262227_01_03.jpg

海の生態系への影響が懸念されている大きさが5ミリ以下の微細なプラスチックのごみ、「マイクロプラスチック」が、人の生活圏から遠く離れた南極海でも、日本の大学の調査で初めて検出されました。調査に当たったグループは、地球規模で汚染が広がっていることを示すものだとして、国際的な取り組みを急ぐ必要があると指摘しています。

「マイクロプラスチック」は、プラスチックのごみが紫外線や波の力で大きさが5ミリ以下まで細かく砕けたもので、分解されずに海を漂い続けるうえ、有害物質を付着しやすいため海の生態系への影響が懸念されています。

こうした中、九州大学などのグループは、ことし1月、東京海洋大学の練習船で南極海の2か所の海水を採取し、「マイクロプラスチック」が含まれているかどうか調べました。
その結果、いずれの場所の海水からも「マイクロプラスチック」が検出され、その密度は、これまでに調査が行われた世界各地の海の平均の2倍から4倍余りと高い値だったということです。

人の生活圏から遠く離れた南極海でマイクロプラスチックが検出されたのは、これが初めてです。調査を行った九州大学の磯辺篤彦教授は、「汚染が地球全体に広がっていることを示すもので各国が協力して実態の把握を進めるとともに、対策を急ぐ必要がある」と指摘しています。

有害物質付着しやすく生態系に影響も

マイクロプラスチックは、PCBなどの有害物質を付着しやすい特徴があり、プランクトンや魚などが餌と間違うと、有害物質も体内に取り込んでしまうため、生態系や人への影響が懸念されています。

東京農工大学の高田秀重教授のグループは、世界各地の研究者やNGOの協力を得て、50余りの国や地域の海岸からマイクロプラスチックを集め、付着している有害物質の種類や量を分析しました。
その結果、有害物質のPCBが日本やアメリカ、ヨーロッパで多く検出されたほか、アフリカや東南アジアでも、検出されたということです。また、農薬の成分のHCHが、アフリカやヨーロッパ、オセアニアなどで検出されたということです。

これまでの高田教授のグループの研究では、マイクロプラスチックに付着した有害物質は、海水に溶け込んでいる有害物質と比べて10万倍から100万倍も濃縮されていることや、マイクロプラスチックを多く体内に取り込んだ海鳥は、体の脂肪に含まれる有害物質の濃度も高くなっていることが明らかになっています。

高田教授は、「マイクロプラスチックは軽くて浮きやすいため、国境を越えて遠く離れた場所まで流れていきやすく、有害物質の運び屋になっている。20年後には世界の海を漂流するプラスチックの量が今の10倍に増えるという予測もあり、マイクロプラスチック汚染がさらに進めば、人への影響も懸念される」と指摘しています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:16:25  | カテゴリ:科学のニュース
コメント(1) | トラックバック (0)


トラックバック

■この記事へのトラックバック一覧

※トラックバックはありません

コメント(1)

マイクロプラスチックは、太陽光を受けて海面の破片が分解するときに、PCBなどの有害物質を付着しやすくなるんでしたね。
PCBは、子供の頃に問題になり、気をつけて魚を食べていたことを覚えています。
魚、海鳥、きれいな南極海まで汚染が進むのは、地球全体が汚されているようで、胸が痛くなります。
気象を読むひまわり衛星のように、人工衛星から、海洋の有害物質の特性を検知して、環境対策センターにデータを送り、ことの全姿を網羅できるようなシステムがあるといいですね。データを基に専用船で当該物質を完全除去する、あるいは毒性を相殺する中和剤を使って水質保全を行なう等、対策が持てるようになるといいですね。素人考えで思案しては、歯がゆい気持ちにさせられます。

投稿日時:2016年10月02日 01:57 | 雪うさぎ

コメントの投稿

ページの一番上へ▲