2016年09月26日 (月)

がん死亡率最悪の青森県 検診の精度を独自に調査

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がんによる死亡率が11年連続で全国最悪となっている青森県は、がんの早期発見と治療の基本となるがん検診が適切に行われていない可能性があるとして県内の市町村を対象に検診の精度に問題ないかを調べる独自の調査を始めました。

この調査は、青森県が弘前大学などと共同で始めたものです。がんは検診による早期発見が死亡率を下げる重要な鍵で、胃がんや乳がんなど5つのがんについて各市町村が対象となる住民のリストを作成し検診を促すなどしています。

しかし県によりますと、中には対象者のリストを作るのに本来使うべき住民基本台帳ではなく別のデータを使い、検診の対象となるべき住民がリストから漏れている可能性があることがわかったということで、県では各市町村から実態を細かく聞き取り、がん検診の精度を改善したいとしています。

国立がん研究センターは検診でがんをきちんと見つけ出すために住民の中から検診が必要な人を正確に抽出できているかなど200項目に上る手順を定めていますが、青森県は手順の達成率が70%以下となっています。

国立がん研究センターの斎藤博部長は「がんの早期発見に欠かせない手順は100%満たして欲しいが、全国平均でも80%程度で、全国でも同じような課題を抱えている。ほかの都道府県でも青森県のような取り組みを行い質の管理を徹底して欲しい」と話しています。

がん検診の質の管理は全国共通の課題

国が定めたがん対策基本法では、がんの早期発見につなげるため、国と自治体ががん検診の受診率や質の向上に取り組むよう求められています。

しかし、受診率が低いままになっている問題に加えて検診の対象者をリストアップしたり、精密検査が必要な人をフォローアップしたりする仕組みが不十分なため、がんの早期発見や死亡率の改善に結びついていないと指摘されています。
このため、厚生労働省では6年前から自治体向けに検診の質を管理するためのチェックリストなどを作るなどして対策を進めています。

チェックリストには胃がんや乳がんなどがんごとに検診を受ける人を住民の中から適切に抽出できているかや精密検査が必要な人でまだ受けていない人に受診を促しているかなど、200近い項目が設けられていますが、チェックリストの項目について適切に実施されている割合を国立がん研究センターが調べたところ、全国平均は80%ほどで、青森県はそれより10%以上低い、70%未満に留まっていました。

がん検診の課題を検討する国の委員会のメンバーを務める、国立がん研究センター検診研究部の斎藤博部長は、「がん検診が早期発見に結びつくかどうかは検診が必要な人に適切に行われているかをチェックする質の管理にかかっている。チェックリストに挙げた項目はいずれも必要不可欠なものだが実施率をみると検診の質の管理は全国共通の課題だと言える。検診が適切に行われているか調べるという青森県の取り組みを他の都道府県でも行うなどして質の管理を徹底して欲しい」と話しています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:06  | カテゴリ:科学のニュース
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