2016年10月04日 (火)

大隅さんの功績の影に 女性研究者の支え

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ことしのノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった大隅良典さんが、授賞理由となった「オートファジー」という細胞の仕組みを発見したのは、昭和63年のことでした。この功績の影には、1人の女性研究者の支えがありました。

「オートファジー」は、細胞が不要なたんぱく質などを分解し、エネルギー源などとして再利用する仕組みですが、通常の顕微鏡では詳細に捉えることができず、詳しい仕組みはなかなか解明できませんでした。
そうした中、昭和63年、当時は東京大学にあった大隅さんの研究室に参加したのが、別の大学の研究生で、酵母の細胞をそのままの姿で観察できる電子顕微鏡の高い技術を持っていた馬場美鈴さん(62)でした。

馬場さんは、大隅さんとともに酵母の細胞内部の動きを電子顕微鏡で調べ、「液胞」と呼ばれる器官の中にみずからの細胞の一部が取り込まれる詳しい様子を撮影することに成功しました。馬場さんは、この成果を伝える大隅さんの論文に共同執筆者として名前を連ね、その後も大隅さんとともに酵母の細胞を観察し続けました。

現在、東京・八王子市にある工学院大学で学生の指導などにあたっている馬場さんは、大隅さんの研究姿勢について、「当時はたんぱく質の合成についての研究が流行っていたが、周りにつられず、たんぱく質の分解に関する自分の研究を続けていた」と話していました。
また、大隅さんの当時の指導について、「学生たちの研究を決して否定することはなく、自由な発想を大切にするおおらかな人柄だった」と振り返っていました。
そして、今回の受賞決定について、「大隅先生と一緒に研究ができたことをありがたく思う。長年の研究の成果が出たことをおめでとうと伝えたい。基礎研究に力を入れるという先生の考えが今回の受賞を機に広がればうれしい」と喜びを語りました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:17:42  | カテゴリ:科学のニュース
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