2016年11月07日 (月)

宇宙輸送船こうのとりに搭載 超小型衛星7機公開

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来月、日本の宇宙輸送船「こうのとり」6号機で、国際宇宙ステーションに運ばれ、宇宙空間に放出される、大きさが10センチから30センチほどの超小型衛星、合わせて7機が茨城県の筑波宇宙センターで公開されました。将来の夢の技術、宇宙エレベーターの実現に向けた基礎的な実験を行うものなど、意欲的な挑戦を行う衛星が多くなっています。

筑波宇宙センターで公開されたのは、来月9日に打ち上げられる日本の宇宙輸送船「こうのとり」6号機に搭載される合わせて7機の超小型衛星で、高度400キロ付近の国際宇宙ステーションに運ばれ、来年3月までに、日本の実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出されます。

このうち静岡大学が開発した衛星は、将来の夢の技術、宇宙エレベーターの実現に向けた基礎的な実験を行うものです。
実験では、タテヨコ10センチ、長さ20センチの機体が、宇宙空間で2つにわかれて100メートルほど離れ、二つの機体の間に釣り糸のような直径0.4ミリの樹脂製のケーブルを渡します。
宇宙エレベーターは、高度3万6000キロ付近と地上とをケーブルで結ぶことが想定されていて、グループでは、高度400キロ付近にわずかに存在する空気の抵抗によってケーブルがどのような動きを見せるか基礎的なデータを集めたいとしています。
静岡大学の山極芳樹教授は「宇宙エレベーターは、まだまだ先の技術ですが、今回の実験はその実現に向けた重要な一歩になると思っています。ぜひ、実験を成功させたい」と話しています。

また、東京大学などが開発したタテヨコ10センチ、長さ30センチの衛星は、超小型衛星が自力で地球に戻ることができるようにする新たな技術に挑戦します。
衛星が地球に戻る際に立ちはだかるのが、高速で地球の大気圏に突入したときに生じる数千度の熱ですが、この衛星は、直径80センチほどの傘のようなものを広げるのが特徴で、傘を地上側に向けたまま空気の抵抗を大きくしてスピードを落とすことで、熱の発生を抑えることができるか実験を行います。
東京大学の鈴木宏二郎教授は、「軽くて面積の広い傘を差したまま大気圏に突入し、ふわりと落ちてくるという、私たちが考えた新しい技術を確かめたい。これまで気球などで行った実験では、十分な手応えを得ていて、今回、宇宙で初めての実験を行い、実用化に向けた第一歩としたい」と話しています。

このほか、福岡県広川町の工作機械メーカー、中島田鉄工所などが開発したタテヨコ長さいずれも10センチほどの衛星は、超小型衛星が“宇宙のごみ”にならないよう、役目を終えたらみずから大気圏に突入し、燃え尽きるようにする新たな機能の実験を行います。
タテヨコ1.5メートルのフィルムをヨットの帆のように広げて、地球の周辺の宇宙空間にあるわずかな空気の抵抗を受けながら高度を下げることで、大気圏に突入できるようにする技術の開発を目指しています。
中島田鉄工所の宇戸大樹さんは「世界に先がけてこの技術を確かなものにするとともに、この技術を世界に広めていくことができるように挑戦していきたい」と話しています。

JAXA=宇宙航空研究開発機構によりますと、超小型衛星は、大学や企業、それに発展途上国などの間で開発が活発になっていて、現在、世界で、年間100機以上が打ち上げられ、さらに増える勢いだということです。

今回、「こうのとり」6号機に搭載され国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」から放出される超小型衛星は、開発費が300万円から1000万円ほどと格安なうえ、多くの衛星が打ち上げにかかる費用の負担を免除されています。
JAXAによりますと、日本の実験棟「きぼう」からの超小型衛星の放出は、大学や民間企業にとって、低コストで大胆な実験に取り組める貴重な機会となっていることから打ち上げを希望する声が多いということで、JAXAでは、今回、機器を改良することで、これまでで最も多い7機の衛星を搭載できるようにしたということです。

投稿者:かぶん |  投稿時間:21:43  | カテゴリ:科学のニュース
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