2016年11月22日 (火)

玄海原発の事故対応策 避難の課題残る

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九州電力が再稼働を目指す玄海原子力発電所について、国や佐賀県などは事故が起きた際に住民を避難させるための具体的な対応策をまとめました。しかし、地元の自治体では課題が山積しています。

佐賀県の課題

佐賀県では、原発から5キロ圏内に自宅で暮らし、避難する際に支援が必要なお年寄りや障害者などが400人余りいて、こうした人たちを受け入れるため、放射性物質を防ぐ特殊な設備を備えた福祉施設が4か所指定されています。しかし、施設によっては、受け入れる可能性がある人の詳しい情報が事前には伝えられておらず、万が一の場合にきちんと受け入れられるのか不安を感じているところもあります。

また、原発で重大な事故が起きた際に、あらかじめ服用すると内部被ばくを減らすことができるヨウ素剤は、原発から5キロ圏内の住民にあらかじめ配布することが決められています。しかし、配布には、医師や薬剤師によるアレルギーなどの確認と服用方法の説明を受ける必要があることなどを負担に感じる人もいて、対象住民およそ8000人のうち、受け取っているのは、ことし8月末の時点で3分の2にとどまっています。

長崎県の課題

佐賀県の西に隣接する長崎県では、原発に近い9つある離島の住民をどう避難させるかが課題です。

離島の住民は原則、船で避難することになっていますが、悪天候の場合など、すぐに避難できないおそれがあります。このため、一時的な退避施設の整備が進んでいますが、5つの島でまだ施設は完成していません。

また、避難に必要な交通手段についても、原発から5キロから30キロの地域では、必要なバスの台数や具体的な確保先が今回、示されませんでした。

このほか、玄海原発からもっとも近いところで8キロしか離れていない長崎県松浦市の鷹島の人たちは、佐賀県側に架かる橋を渡り、カーブが多く狭い県道を通る避難ルートが設定されていますが、住民側が求めている県道の改良の見通しは示されていません。

福岡市の課題

佐賀県の東に位置する福岡市にも課題はあります。

玄海原発からの距離は37キロから60キロ離れているため、避難に関する計画の策定は義務づけられていませんが、独自に作った計画によりますと、玄海原発で事故が起きた場合、まずは屋内退避が指示されます。

しかし、市として全国で5番目に多い155万人が暮らす福岡市の人たちが、屋内退避の指示に従わず、車で避難し始めた場合、道路の大渋滞が予想されるほか、避難所も市の計画で確保しているのは2万5000人分にとどまっています。

多くの避難者が出た場合は、市内のコンベンション施設などを避難所として活用するとされていますが、具体的な場所は計画に盛り込まれていないうえ、市外への避難も想定されておらず、混乱が懸念されます。

投稿者:かぶん |  投稿時間:20:58  | カテゴリ:科学のニュース
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