2016年12月01日 (木)

7年後に宇宙旅行の事業化目指す ANAとHISが出資

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大手航空会社のANAホールディングスと大手旅行会社のエイチ・アイ・エスは、次世代の宇宙輸送機の開発を進める名古屋市のベンチャー企業に出資し、7年後の宇宙旅行の事業化を目指すことになりました。

発表によりますと、ANAホールディングスとエイチ・アイ・エスは、名古屋市のベンチャー企業、PDエアロスペースに合わせて5000万円余りを出資し、共同で次世代の宇宙輸送機の開発を進めることで合意しました。

出資を受けるベンチャー企業は、宇宙旅行の実現に向けて、地球と宇宙空間を行き来できる航空機のような形をした宇宙輸送機や空気中と宇宙空間で使う際の切り替えが可能なエンジンの開発を進めています。

計画では、宇宙輸送機が航空機のように滑走路を離陸したあと垂直に高度を上げて宇宙空間に突入し、地球の重力で落下して滑走路に着陸します。宇宙旅行の料金は1人当たりおよそ1400万円を想定しているということです。

3社は、7年後の2023年12月の宇宙旅行の事業化を目指していて、今後、ANAホールディングスは宇宙輸送機の客室の仕様やパイロットの育成に協力するほか、エイチ・アイ・エスは宇宙旅行の販売を担うことになります。

3社の社長が意気込み語る

会見でANAホールディングスの片野坂真哉社長は「宇宙旅行の時代はもうすぐそこにきていると思う」と述べたほか、エイチ・アイ・エスの澤田秀雄会長兼社長は、「将来はぜひ宇宙旅行が実現することを期待している」と述べました。

また、次世代の宇宙輸送機の開発を進める名古屋市のベンチャー企業、PDエアロスペースの緒川修治社長は「宇宙をもっと身近にして、人類によりよい生活環境を宇宙を通じて提供したい。これを第2の創業と位置づけて、ベンチャー企業のスピード感で実現を目指したい」と話していました。

宇宙旅行ビジネスの現状

宇宙を利用したビジネスの拡大を支援している内閣府の宇宙開発戦略推進事務局によりますと、日本国内で宇宙旅行ビジネスへの参入を目指している民間企業は、今のところ、名古屋市のベンチャー企業、PDエアロスペースの1社だけだということです。

一方、内閣府によりますと、宇宙ビジネスの先進地、アメリカでは現在、3つの民間企業が本格的な宇宙旅行ビジネスの実現に向けて、開発や準備を進めています。

このうち、ヴァージン・ギャラクティック社は、高度110キロの宇宙空間まで上昇することができる、飛行機のような形をした6人乗りの宇宙船の開発に取り組んでいて、一般の顧客に数分間、無重力状態を体験してもらう宇宙旅行の実現を目指しています。この会社では、おととし、開発中の宇宙船が試験飛行中に事故を起こし、計画の実現が遅れていますが、その後、宇宙船の改良を進めていて、数年以内にも、実際に顧客を乗せて宇宙旅行の運航を開始する予定です。

この会社の日本の代理店によりますと、宇宙旅行の価格は日本円でおよそ2500万円で、会社側では、これまでに日本人20人を含む、世界各国の合わせておよそ700人から申し込みが入っているということです。

また、アメリカのネット販売大手、アマゾン・ドット・コムのCEO、ジェフ・ベゾス氏が作ったブルー・オリジン社は、高度100キロ以上の宇宙空間まで、人を乗せた宇宙船を運ぶロケットの開発に取り組んでいます。

このロケットは、1回きりの「使い捨て型」ではなく、繰り返し使える「再利用型」を目指していて、これまでに一度打ち上げたロケットを回収したうえで、もう一度、打ち上げることに成功しています。

ことし1月には、このロケットで6人乗りの宇宙船を無人の状態で、高度100キロ余りの宇宙空間まで送り届けることに成功するとともに、その後、宇宙船もパラシュートを開いて着陸させることにも成功しています。この会社では、来年にも実際に人を乗せて宇宙旅行の試験飛行を行いたいとしています。

さらに、宿泊しながら宇宙旅行を楽しむことができる宇宙ホテルの開業を目指しているのが、ビゲロー・エアロスペース社です。ことし4月、宇宙ホテルの試作機を打ち上げて、国際宇宙ステーションに取り付け、宇宙飛行士が中に入って耐久性や放射線の影響などを確認する2年間の検証作業を行っています。また、この会社では、最大6人が一定期間、滞在できる本格的な宇宙ホテルの建設を目指して開発を進めていて、4年後の2020年に打ち上げる計画を掲げています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:20:57  | カテゴリ:科学のニュース
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