2016年12月05日 (月)

耐性菌対策 抗菌薬の適切な使用求めるマニュアル作成へ

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抗生物質などの抗菌薬の過剰な使用によって薬の効かない耐性菌への感染が世界的に広がるおそれがあることから、厚生労働省は、抗菌薬の適切な使用を医療機関に求めるマニュアルを新たに作成することを決めました。

 

耐性菌は、抗菌薬を服用した人や動物の体内で増えていく、薬への耐性を得た細菌で、対策を取らずに耐性菌がまん延した場合、2050年には世界で年間およそ1000万人が死亡すると、イギリスの研究機関が推計しています。
厚生労働省は、耐性菌が広がる背景には抗菌薬の過剰な使用があるとして、5日、専門家による会議を開いて、医療機関向けのマニュアルを新たに作成することを決めました。
マニュアルでは、かぜや下痢の症状が見られる患者への対応を想定し、抗菌薬が必要ないと判断した場合は、使用を控えるほか、抗菌薬の処方を求める患者や家族に対して理解を求めるなど、具体的な対応の手順を示すということです。
厚生労働省は「国際的な取り組みが急務になっているので、医療機関には抗菌薬の適切な使用を徹底するよう求めていきたい」と話していました。

世界の現状と背景

抗生物質などの抗菌薬が効きにくい耐性菌は、不適切な薬の使用などを背景に広がり、世界的に深刻な問題となっています。
イギリス政府からの委託を受け調査を行ったシンクタンクなどによりますと、世界全体では2013年現在、年間で推計70万人が耐性菌が原因で死亡しているということです。
また、このまま何も手を打たなければ、死者は2050年までに世界全体で年間推計1000万人に上り、現在のがんによる死者数を上回ると警鐘を鳴らしています。
日本国内でもほとんどの抗生物質が効かない「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌」に感染・発症した患者が、去年1年間だけで1600人に上っています。
専門家によりますと、その多くは高齢者で、手術後に容体が悪化して、入院期間が長期に及んだり、肺炎を起こして重症になったりするケースもあり、因果関係はわからないものの、死亡した人は50人以上に上っています。
また、これ以外の耐性菌でも、院内感染が原因で患者が死亡したり、生まれたばかりの赤ちゃんが耐性菌に感染し、重症化する例などが報告されています。
耐性菌の問題に詳しい国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長によりますと、世界的に耐性菌が広がっている背景については、新しい抗菌薬の開発が進まない中、医師が本来は必要のない抗菌薬を処方している問題があるということです。
また、患者側の問題として適切に処方された薬の服薬を途中で止めてしまうことなども背景にあると指摘しています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:01  | カテゴリ:科学のニュース
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