2016年12月09日 (金)

原発事故費用 従来の2倍の21兆円余に膨らむ見通し

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東京電力福島第一原子力発電所の廃炉費用などの負担の在り方などを検討する国の有識者会議が開かれ、経済産業省は、賠償や除染も含めた原発事故に関連する費用の総額が従来の倍の21兆円余りに膨らむという見通しを示しました。費用の一部は、電気料金の支払いを通じて国民が負担する形となります。

東京電力福島第一原発の廃炉や事故の賠償、それに除染などの費用について、国はこれまで11兆2000億円と試算していました。9日開かれた原発事故の費用負担の在り方などを検討する国の有識者会議で、経済産業省は今後の費用の見通しを示しました。

それによりますと、廃炉は、溶け落ちた核燃料の取り出しが長期にわたる困難な作業となることから、2兆円から8兆円に膨らむ見通しだとしています。また、賠償は今後、農業分野の被害額の補償が増えることなどから、5兆4000億円から7兆9000億円に、除染関連の費用も3兆6000億円から5兆6000億円にそれぞれ増え、全体では、従来の倍の21兆5000億円に膨らむとしています。

国は、東京電力に原発事業などの再編も含めた一段の経営改革を促すとともに、賠償費用については原発を保有する大手電力会社だけでなく、新規参入の電力事業者も含めて、すべての電力利用者に負担してもらう仕組みにする方針です。費用の一部は電気料金の支払いを通じて国民が負担する形となります。

東京電力の廣瀬直己社長はNHKの取材に対し、「これ以上、国民負担が増えることのないように、われわれとしてしっかりやっていく」と述べました。

有識者会議 原発の共同事業化を提言

今回、国の有識者会議は、原発事故関連の費用が大きく膨らむ見通しとなったことを受けて、東京電力に対し、できるだけ自力で費用を賄えるよう抜本的な経営改革を求めています。

この中では、新潟県の柏崎刈羽原発などの原子力事業や、送配電事業などで、ほかの大手電力会社などと共同事業体を設立し、その後、再編や統合を目指すべきだとしています。とりわけ再稼働の見通しが立っていない柏崎刈羽原発に関しては、「先進的なほかの電力会社の協力もちゅうちょなく要請して改革を行うべき」として、できるだけ早い対応を求めています。

有識者会議はこうした再編や統合は東京電力が主体的に行う一方、「国の役割もある」としていて、会社任せにせず、国も一定程度、関与して電力会社どうしの事業再編を促すよう求めています。

東京電力は、年明けから原子力損害賠償・廃炉等支援機構からの支援を受けるのに必要な新しい10年間の収支計画、「総合特別事業計画」の策定を始めることにしていて、有識者会議が年内にまとめる提言も計画に反映させることにしています。

世耕経産相「費用増加ありえる 低減努力が重要」

福島第一原発事故に関連する費用の総額が、21兆円余りに膨らむ見通しを示したことについて、世耕経済産業大臣は閣議のあとの記者会見で、「今後、それぞれの事業の進捗(しんちょく)に伴い、予見できなかった要因によって費用が増加することもあり得ると言える。一方、廃炉技術の革新=イノベーションや除染作業の効率化などで費用の低減といったことが出てくる可能性もあり、努力を進めることが重要だ」と述べました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:12:09  | カテゴリ:科学のニュース
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