2016年12月19日 (月)

もんじゅ 廃炉の方針案示される 地元・福井県は反発

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安全管理上の問題が相次いだ福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」について、政府は、地元・福井県との意見交換の場で運転を再開せずに廃炉にする方針案を示しました。これに対し福井県側は、国の反省が十分示されておらず、方針案は受け入れられないなどとして、見直して改めて回答するよう求めました。

政府は19日、経済産業省や文部科学省、それに電力会社などが参加する「高速炉開発会議」で、もんじゅの運転再開まで最低8年の準備期間が必要で、運転を続けると5400億円以上の費用がかかる見通しであることなどから、運転再開はせずに廃炉とし、もんじゅでこれまでに得られた知見やフランスとの開発協力などを活用して、別の高速炉開発を進める方針案をまとめました。

この方針案はその後、松野文部科学大臣と世耕経済産業大臣、それにもんじゅが立地する福井県の西川知事が出席して行われた意見交換の場で示され、政府側は、将来的にもんじゅの敷地内に新たな試験研究炉を設置するなど、もんじゅを含む周辺地域を原子力の研究拠点とすることも合わせて示しました。

これに対して、西川知事は「国の反省が十分に示されていない。もんじゅの運転を再開せず核燃料サイクルを維持できるかなど、議論を十分に尽くしたと思えず、拙速な感が否めない。廃炉にする場合の運営主体の議論も不十分だ」などと強く反発し、方針案は受け入れられないとして、見直して改めて回答するよう求めました。

このため政府は、西川知事の要請に対する回答の場を再度設け、近く方針案を決定する原子力関係閣僚会議を開くことにしています。

西川知事「現状としては受け入れがたい」

福井県の西川知事は記者団に対し、「『もんじゅ』の総括と、廃炉方針を示したことへの説明が十分ではないこと。廃炉になるにしても、今後の運営主体を安全で信頼のあるかたちで説明ができなければ話にならず、現状としては受け入れ難い。その点について、松野文科大臣から回答を待ちたい」と述べました。

特に、もんじゅの廃止措置を引き続き、日本原子力研究開発機構に担当させると示されたことについて、「現状、原子力機構はもんじゅを動かすことについてしっかりとした組織ではないと、原子力規制委員会から評価を受けている。運転はできなくてもほかのところはすべてできるというわけではないと思う」と述べました。

そのうえで西川知事は、近く開かれる予定のもんじゅの取り扱いを正式に決定する原子力関係閣僚会議の前に、再度、政府との意見交換の場を設けるべきとの意向を示しました。

敦賀市長も反発「今の状況で廃炉は受け入れ難い」

高速増殖炉「もんじゅ」が立地する福井県敦賀市の渕上隆信市長は、政府が運転を再開せずに廃炉にする方針案を示したことについて、「今回の議論は廃炉ありきで到底納得できない」と述べました。

政府が「もんじゅ」の運転を再開せずに廃炉にするという方針案をまとめたことを受け、文部科学省の板倉周一郎大臣官房審議官が、報告のために敦賀市の渕上市長を訪ねました。面談の中で板倉審議官は、もんじゅを廃炉にする方針案のほか、もんじゅでこれまでに得られた知見やフランスとの開発協力などを通じて、別の高速炉開発を進めると説明しました。また、将来的にもんじゅの敷地内に新たに試験研究炉を設置することや、敦賀市と隣接する福井県と滋賀県の5つの市と町で進めている水素エネルギーの活用を目指す構想の支援など、地域振興についても説明しました。

これに対して、渕上市長は「今回の議論は廃炉ありきで進められた。地元の意見を踏まえとあるが、私たちの疑問に対する説明になっておらず、到底納得できない」と述べました。面談のあと、渕上市長は「使用済み核燃料の問題や、もんじゅで使用しているナトリウムの取り出し方法など説明がなされておらず、今の状況では廃炉は受け入れ難い」と述べ、政府が示した廃炉の方針案は現時点では受け入れられないとの考えを示しました。

官房長官「丁寧な説明行いたい」

菅官房長官は午後の記者会見で、「福井県の西川知事から、立地する地元の声として、さまざまなご指摘をいただいている。政府としては、もんじゅの取り扱いに関する政府方針を、高速炉開発の方針と合わせて、年末までに原子力関係閣僚会議で決定したい。これまでも関係自治体や機関への丁寧な説明と調整に努めてきたところだが、今後とも方針決定にあたっても、引き続き丁寧な説明を行っていきたい」と述べました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:10:00  | カテゴリ:科学のニュース
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