2016年12月26日 (月)

子宮頸がんワクチン全国調査 未接種でも症状 一定割合

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子宮頸がんワクチンを接種したあとに、原因不明の体の痛みなどの症状を訴える女性が相次いだ問題で、厚生労働省の研究班は、接種していない女性にも一定の割合で同様の症状がみられたとする全国調査の結果を公表しました。
厚生労働省は「この結果だけでは接種と症状との因果関係は判断できない」として、現在中止している接種の積極的な呼びかけを再開するかどうかは引き続き検討するとしています。

子宮頸がんワクチンは、国内で7年前に接種が始まり、平成25年度からは定期接種に追加されましたが、接種のあとに体の痛みなどを訴える女性が相次ぎ、国が3年以上、接種の積極的な呼びかけを中止しています。厚生労働省の研究班は、26日の専門家会議の中で実態を把握するために行った全国調査の結果を報告しました。

調査では、去年末までの半年間に全国の病院を受診した12歳から18歳の男女2500人余りの症状について、「体の痛みや運動障害、それに記憶力の低下などの症状が3か月以上続いて、仕事や学校生活に支障が出ていないか」を分析しました。その結果、子宮頸がんワクチンを接種した女性では、推計で10万人当たり27.8人に症状が確認された一方で、接種していない女性にも、推計で10万人当たり20.4人に症状がみられることがわかったということです。

この結果について厚生労働省は、「同じ症状が出た場合でも、社会問題となったことで、ワクチンを接種した人のほうが医療機関を受診することが多いとみられるうえ、医師もより慎重に診断するため報告が上がりやすくなることも考えられる」としたうえで、「今回の調査結果だけで接種した人と、していない人の発症率を比べることはできず、接種と症状との因果関係は判断できない」としています。

このため厚生労働省は、引き続き専門家会議で因果関係の検証を進めたうえで、接種の積極的な呼びかけを再開するかどうかを判断したいとしています。

子宮頸がんワクチンめぐる経緯

子宮頸がんワクチンは、国内で7年前から接種が始まり、3年前の平成25年4月に、小学6年生から高校1年生の女子を対象とする定期接種に追加されました。ところが、ワクチンを接種したあと、原因不明の体の痛みなどを訴える患者が相次ぎ、厚生労働省は、定期接種を始めたわずか2か月後、接種の呼びかけを中止する異例の対応を取りました。

接種と症状との因果関係を調査してきた厚生労働省の専門家会議は、おととし1月、「ワクチンの成分によって神経や免疫などに異常が起きるとは考えにくく、接種の際の不安や痛みなどがきっかけで症状が引き起こされた可能性がある」とする見解をまとめました。

しかし、その後も詳しい原因は特定できず、去年11月、厚生労働省は接種していない人にも症状が出ているかを調べるため、大規模な調査を行う方針を打ち出しました。

今回の調査結果は、接種の積極的な呼びかけを再開するかどうかの厚生労働省の判断に大きな影響を与える可能性があるとして注目が集まっていました。

日本産科婦人科学会 “接種勧奨の再開を”

今回の調査結果について、日本産科婦人科学会の藤井知行理事長は「これまで学会が訴えてきた通り我が国においてもワクチンと関係なく思春期の女性に疼痛や運動障害などワクチン接種後に報告されている多様な症状を呈する方が相当数いらっしゃることが確認されました。こうした症状のある女性の診療に今後も真摯(しんし)に取り組んでいくとともに、将来、我が国だけで多くの女性が子宮頸がんで命を落とすという不利益がこれ以上拡大しないよう、国が一刻も早くワクチンの接種勧奨を再開することを強く求めます」とするコメントを発表しました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:14:51  | カテゴリ:科学のニュース
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