2017年01月24日 (火)

福島第一原発2号機 内部をカメラで調査 燃料デブリとらえるか

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事故で核燃料が溶け落ちた東京電力福島第一原子力発電所の内部をカメラで調べる調査が24日から2号機で本格化します。溶けた核燃料は内部の構造物と混じり合って燃料デブリと呼ばれる塊になっていると見られ、今後の廃炉作業に大きく影響するだけに、事故後、初めて映像でとらえられるかが注目されます。

事故で核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きた福島第一原発の1号機から3号機では溶けた核燃料と内部の構造物が混じり合った燃料デブリの取り出しが最大の難関になると見られますが、いずれも内部の状況は詳しくわかっておらず、遠隔操作のロボットなどで確認することになっています。

このうち2号機について東京電力は、来月、原子炉がある格納容器の内部にロボットを入れる計画で、そのための調査が24日から本格化します。

調査では、26日にかけて格納容器の外からロボットが通る配管に小型のカメラを入れ、障害物がないか確認しながら、原子炉の底の部分や格納容器の内部を撮影する予定でその際に燃料デブリがとらえられる可能性があります。

デブリが原子炉の底を突き破って格納容器に達しているかどうかなど、その状態は取り出し方法を決める判断材料になり、今後の廃炉作業に大きく影響するだけに、事故後、初めて映像でとらえられるかが注目されます。

2号機の内部調査

24日から25日にかけて行われる2号機の調査では、先端にカメラを取り付けた「ガイドパイプ」と呼ばれる棒状の装置を格納容器の内側に挿入し、内部の状況や溶けた核燃料と構造物が混じり合った燃料デブリの撮影を試みます。ガイドパイプは全長10メートルあり、格納容器の外側からその中心部まで届くため、原子炉の真下の状態を調査することができ、燃料デブリもとらえられる可能性があります。

ただとらえたものがデブリかどうか、すぐに判別できない可能性があります。そこで重要なるのが、次に控えるロボットによる詳しい調査です。

東京電力は24日からの調査で内部の状態を確認したうえで、来月、遠隔操作で動くロボットを格納容器の中に投入します。

ロボットは内部に通じる配管を通る際には全長54センチの細長い形をしていて、本体の前後にカメラが取り付けられ、配管を通り抜けると遠隔操作で後ろのカメラをサソリのように持ち上げてより広い範囲を撮影します。
放射線量を計る機器も搭載し、カメラでとらえた物体が放射線を出す燃料デブリかどうかの判断に役立つデータを集めます。
2号機の格納容器の内部の放射線量はこれまでの調査で1時間当たり最大70シーベルト余りあるのに対し、ロボットは累積でおよそ1000シーベルトまで耐えられる設計になっています。

過去に1号機であったロボットが障害物を避けようとして身動きが取れなくなるようなトラブルがあった場合、時間がかかったり、調査を途中で断念せざるを得なくなったりするため、東京電力はロボットを慎重に操作することにしています。

燃料デブリ 2号機原子炉にとどまっている可能性

福島第一原発の事故で1号機から3号機で溶けた核燃料は内部の構造物と混じり合って燃料デブリと呼ばれる塊になり、一部は、原子炉の底を突き破って格納容器に達していると見られていますが、強い放射線にはばまれ、どこにどのような状態であるのか、6年近くたったいまも詳しくわかっていません。

国と東京電力は、これまでに1号機と2号機でさまざまな物質を通り抜ける性質がある「ミューオン」という宇宙から来る素粒子を使ってレントゲン写真のように原子炉建屋を透視する調査を行いました。

その結果、1号機では原子炉の中には燃料デブリを示す黒い影が映っておらず、ほとんどが原子炉の底を突き抜けて格納容器に落ちた可能性が高いことがわかりました。

一方、2号機では原子炉の底に大きな黒い影が映っているのが確認され、燃料デブリのほとんどが原子炉にとどまっている可能性が高いことがわかりました。

燃料デブリがどのような状態で存在するかは、その取り出し方法を左右することから、今後の廃炉作業に大きく影響すると見られます。国と東京電力は今後、遠隔操作のロボットを投入するなど、各号機の内部の状態を実際の映像でとらえることにしていて、内部を透視する調査の結果とどの程度、一致するかが注目されます。

廃炉作業 最大の難関 デブリ取り出し

国と東京電力が示している現在の工程表では、福島第一原発で建屋を解体し撤去するまで、すべての廃炉作業が完了するには最長で40年かかるとされています。

このうち核燃料が溶け落ちるメルトダウンが起きた1号機から3号機では溶けた核燃料と内部の構造物が混じり合った燃料デブリの取り出しが必要で最大の難関とされていますが、その方法はいずれも決まっていません。

デブリの取り出しに向けた格納容器の内部調査は、事前の準備や装置の開発などに時間がかかっていることなどから当初の計画よりも大幅に遅れています。

国と東京電力が2年前にまとめた工程では、ことし夏ごろをめどに大筋の取り出し方針を示したうえで、平成30年度前半に具体的な方法を決め、5年後の平成33年までに1号機から3号機のいずれかでデブリの取り出しを始めるとしています。

38年前の1979年、アメリカ・ペンシルベニア州で起きたスリーマイル島原発事故でも、メルトダウンが起きました。
デブリ取り出しの前例がなかった当時、テレビカメラを使った原子炉内部の調査などを経て実際に取り出しが始まったのは事故の6年後でした。原子炉は大きな損傷を免れたため、内部を水で満たして放射線を遮りながら、固まったデブリを水中で砕いて取り出しが進められましたが、それでも、取り出しを終えたのは事故から11年後でした。

福島第一原発の1号機から3号機ではデブリの具体的な位置や量はわかっていませんが、1号機ではほとんどが原子炉を突き破って格納容器に達している可能性が高いと見られていて、取り出しがより難しくなることが指摘されています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:04:15  | カテゴリ:科学のニュース
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