2017年01月27日 (金)

ヒトのiPS細胞がブタの体内で臓器のもとになる細胞に

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あらゆる臓器や組織に変化するヒトのiPS細胞をブタの受精卵に入れて、双方の遺伝子が入った受精卵を作ることに、アメリカなどの研究グループが初めて成功しました。ヒトのiPS細胞はその後、肝臓などのもとになる細胞に変化したということで、将来、ブタの体内で移植用の臓器を作れるようにしたいとしています。

この研究はアメリカ・カリフォルニア州にあるソーク研究所などのグループが行い、科学雑誌「セル」に発表しました。

このグループでは人工的に移植用の臓器を作るための研究を進めていて、今回、ブタの受精卵の中にヒトのiPS細胞を入れて、母ブタの子宮に戻しました。

ブタの妊娠期間はヒトの3分の1ほどで、受精卵の成長のスピードが異なるため、双方の遺伝子が入った受精卵を作るのは難しいと考えられていましたが、培養の方法が異なる複数のiPS細胞を入れることで、初めて成功したということです。

受精卵はその後成長し、4週間後にはブタの体内で、ヒトの肝臓や心臓などのもとになる細胞に変化したということです。
一方、脳の細胞には変化しなかったということです。

こうした研究は、ヒトと動物が混じるため、倫理的な問題があるとして、日本国内では動物の子宮に戻すことなどが禁止されています。
カリフォルニア州では、受精卵を子宮に戻して4週間まで培養することが認められているということで、研究グループでは「倫理のガイドラインに従って研究を重ね、思うようにヒトの臓器を作れるようにしたい」としています。

日本の研究の状況は

動物の体内でヒトの臓器を作り出す研究をめぐっては、4年前の平成25年に国の専門委員会が条件付きで認める見解をまとめていて、現在、文部科学省の委員会が動物の受精卵にヒトの細胞を加えた「動物性集合胚」を動物の子宮に戻すことを認めるかどうか、研究指針の改定を協議しています。

国内では、すでに東京大学の研究グループが、ヒトのiPS細胞が入ったマウスの受精卵を作ることに成功していて、より規制が緩やかなアメリカで、ブタやヒツジの体内でヒトのすい臓を作る研究を進めています。

東京大学の正木英樹助教は「ヒトと臓器の大きさがほぼ同じブタで、ヒトの細胞が入ったブタの胎仔が出来たということは、将来、動物の体内で作った臓器を移植する研究に向けた大きな一歩だ」と話しています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:08:53  | カテゴリ:科学のニュース
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