2017年02月15日 (水)

軍事的研究との関わり 学術会議「自主性・自律性担保の必要」

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防衛省が大学などの研究機関に資金を提供する制度を始めたことをきっかけに、軍事的な研究との関わり方について議論している日本学術会議の検討委員会は「先の大戦で科学者が動員され戦争に協力した反省を踏まえ、学術研究の自主性・自律性を担保する必要がある」などとする基本的な考え方を確認し、来月、最終報告を取りまとめることになりました。

日本の科学者の代表機関「日本学術会議」は、防衛省が、おととし、大学などの研究機関に資金を提供する制度を始めたことをきっかけに、検討委員会を立ち上げ、軍事的な研究との関わり方について議論を続けていて、今月4日には、国内の研究者など300人余りが参加して公開討論会も開かれました。

15日開かれた検討委員会の10回目の会合では、公開討論会での議論も踏まえ、先月、「中間とりまとめ」としてまとめた、基本的な考え方が承認されました。

この中では、先の大戦で科学者が戦争に動員され協力したことへの反省について触れたうえで、「学術研究が、政府によって制約されたり動員されたりしがちであるという歴史的な経験を踏まえ、学術研究の自主性・自律性を担保する必要がある」としています。

そのうえで、防衛省による大学などへの研究資金の提供制度については、「将来の装備開発につなげるという明確な目的に沿って公募・審査が行われ、防衛装備庁の職員が研究中の進捗(しんちょく)管理を行うなど、政府による研究への介入の度合いが大きい」と指摘し、「大学などの研究機関は、軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究については、その適切性について、技術的・倫理的に審査する制度を設けることが望まれる」としています。

日本学術会議の検討委員会では、今回確認された基本的な考え方をもとに、来月の会合で、最終報告を取りまとめることにしています。

日本学術会議が設けた「安全保障と学術に関する検討委員会」で委員長を務めている、法政大学の杉田敦教授は会合のあとの取材に対し、「防衛装備技術の研究など軍事的安全保障研究は、研究の公開性や自立性について制約が生じやすい分野であり、規模が拡大すれば学術の発展そのものにゆがみが生じる可能性もある。日本学術会議ではこれまで長い間、こうしたテーマについて何のメッセージも発してこなかったことを率直に反省し、最終報告を取りまとめたい」と述べました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:27  | カテゴリ:科学のニュース
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