2017年03月12日 (日)

除染作業おおむね終了へ 効果の検証を

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6年前の原発事故で発生した放射性物質を取り除く除染は、福島県の帰還困難区域を除いて、今月末までにおおむね作業が終わる予定です。一方、環境省が計上した費用は2兆6000億円に上るほか、除染で出た廃棄物の処分の道筋も不透明なことから、専門家は、節目を迎えた除染が復興につながっているのか効果を検証する必要があると指摘しています。

原発事故のあと、関東から東北にかけての8つの県の合わせて100の市町村で行われてきた除染は、福島県の長期間、住民の帰還が難しい帰還困難区域を除いて、今月末までにおおむね作業が終わる予定で、震災発生の翌年から5年余り続いた事業が節目を迎えます。

これを受けて、環境省がまとめた結果、これまでの除染に延べ3000万人以上の作業員が携わったほか、今年度までに環境省が計上した予算はおよそ2兆6000億円に上ることがわかりました。

一方、避難区域の中には、放射線量が下がるなどして避難指示が解除されても学校や病院などのインフラの整備が遅れ、多くの住民が帰還しない意向を示すケースもあるほか、これまでの除染で出た東京ドーム13杯分にあたる1600万立方メートルの廃棄物は処分の道筋がついておらず、今も仮置き場や住宅の庭先など住民に身近な場所に置かれたままになっています。

このため、専門家は、除染が地域の復興につながっているのか、効果を検証する必要があると指摘しています。

専門家「総合的に検証すべき」

避難区域の復興に詳しい大阪市立大学大学院の除本理史教授は「避難区域で避難指示が解除されたあと、住民が戻るか戻らないかを判断する条件の1つが放射線量なのは間違いない。ただ、医療機関や学校などのインフラの復旧や近隣のコミュニティがまだ回復していないことも戻れない理由にあがっていると思う」と述べ、除染には放射線量を下げる一定の効果はあったものの、必ずしも地域の復興に直結していない現状があると指摘しています。

そのうえで、「除染は今まで経験のなかった事態で、震災後、国がかなり主導する形で枠組みが作り上げられたため、どこを除染すると効率的なのかなどの進め方をめぐって、地元のニーズとのずれが生じるといった課題も出てきている。地元の情報や課題を吸い上げて、除染の在り方を柔軟に見直すとともに、これまでの除染の効果を費用面の数字を含めて、総合的に検証すべき時期に来ている」と述べ、節目を迎えた除染の効果をきちんと検証したうえで、来年度(平成29年度)から始まる福島県の帰還困難区域での進め方を考える必要があると指摘しています。

環境相「除染には一定の効果」

一方、山本環境大臣は、これまで行われてきた除染について、今月7日の会見で、「除染の地道な作業が環境の改善にかなり貢献してきていることを被災者の方々にまずはわかっていただきたい」と述べ、除染には一定の効果があったことが確認されたという考えを強調しました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:04:55  | カテゴリ:科学のニュース
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