2017年03月17日 (金)

政府の情報収集衛星 打ち上げ成功

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北朝鮮のミサイル発射施設の動向など、安全保障に関する情報を集める政府の情報収集衛星が17日午前10時20分、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケットの33号機で打ち上げられ、衛星は打ち上げから、およそ20分で予定どおり、地球を回る軌道に入り、打ち上げは成功しました。

政府の新たな情報収集衛星を載せたH2Aロケットの33号機は17日午前10時20分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、補助ロケットや1段目などを切り離しながら上昇を続けました。そして、打ち上げから、およそ20分で情報収集衛星は予定どおり、地球を回る軌道に入り、打ち上げは成功しました。

今回、内閣衛星情報センターと打ち上げを行った三菱重工業は、安全保障に関わる打ち上げだとして、衛星を切り離した正確な時間や高度などの情報を明らかにしていないほか、ロケットから地上に届いた映像も公開していません。

情報収集衛星は地球の周りを飛行しながら、地上や海上のさまざまな場所を撮影し、安全保障に関する情報を集める事実上の偵察衛星で、政府は北朝鮮のミサイル発射施設の動向の把握や、日本周辺の海域の監視、災害時の被害の把握などに使用しています。

情報収集衛星には日中に地上の様子を撮影する「光学衛星」と、夜間や悪天候の際に電波を使って撮影する「レーダー衛星」の2種類があり、今回はレーダー衛星が打ち上げられました。

運用中の情報収集衛星は、これで予備機を含めて、レーダー衛星が4機、光学衛星が3機の合わせて7機となり、地球上のあらゆる地点を1日に1回以上、撮影できる体制となっています。

10機体制へ増強の方針

政府は去年12月に改訂した宇宙基本計画の工程表の中で、情報収集衛星をさらに増強し、10機体制を目指す方針を明記しています。

情報収集衛星は、日中に撮影に行う光学衛星と、夜間や悪天候の際に撮影を行うレーダー衛星をそれぞれ2機ずつ、合わせて4機で運用すれば、地球上のあらゆる地点を1日に1回以上、撮影できることになり、こうした4機体制は、4年前の平成25年に整いました。

情報収集衛星は現在、予備機を含めて6機が運用されていて、今回の打ち上げ成功で、運用中の衛星は合わせて7機となります。

政府は今後、情報収集衛星をさらに増強する方針で、去年12月に改訂した、宇宙基本計画の工程表の中では、具体的な目標時期を示さない形で、予備機を除いても常時、10機を運用する10機体制を目指すと明記しています。

10機体制が整えば、地球上のあらゆる地点を1日に複数回、撮影できることになります。また、10機体制では光学衛星とレーダー衛星が撮影したデータを地上に送る「データ中継衛星」2機も含まれています。

現在、情報収集衛星は日本付近の上空を通過したときだけに、データを地上に下ろす仕組みですが、データ中継衛星が整えば、衛星が地球上のどこを飛んでいても、できるだけ速やかにデータを下ろせるようになるとしています。

これまでに情報収集衛星の開発と打ち上げ、運用に投じられた国費は1兆2000億円余りに上り、政府の新年度予算案にも衛星の運用費や、新たな衛星の開発費として、620億円が計上されています。

情報収集衛星は設計上の寿命が5年から6年となるため、現状の体制の維持にも、衛星を常に新しいものに更新していく必要があるほか、さらなる体制の拡大には新たな開発費が必要になります。

いかに正しい分析するか課題

政府の新たな情報収集衛星の打ち上げが成功したことを受けて、衛星を運用している内閣官房・内閣衛星情報センターの木野村謙一所長が、種子島宇宙センターで記者会見しました。

この中で、木野村所長は今回、打ち上げたレーダー衛星について、「情報収集にとって、非常に重要な衛星と位置づけている。衛星の解像度が上がり、信頼できる衛星を新たに入手できたので、安全保障と危機管理の観点から必要な情報収集に努めたい」と述べました。

また、情報収集衛星の今後の運用や整備については、「能力が高くなった衛星を確実に運用し、いかに正しい分析をするかが課題だ。また、宇宙基本計画に示したとおり、情報収集衛星は最終的には10機体制を目指したい」と述べました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:13:56  | カテゴリ:科学のニュース
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