2011年06月14日 (火)

【ミニ解説・汚泥の放射性物質問題とは?】

K10035219411_1106141830_1106141833_01.jpg

東電福島第一原発の事故の影響で、土などに付着した放射性物質が雨で流され、各地の下水処理施設で汚泥として蓄積されて、問題になっています。

なぜ汚泥から放射性物質が?

ミニ解説、今回はオールテキストです。

 

【はじめにここから。汚泥って何?】

雨水や生活排水が流れ込む下水処理施設では、集まった汚水の泥を沈殿させ、残った水を消毒して河川などに戻します。

このときに残るのが汚泥です。おでい。

国土交通省によりますと・・・

平成20年度は全国で220万トンあまり発生し、

汚泥のおよそ40%はセメントの原料に、

23パーセントはタイルやレンガなどの建築資材に、

14パーセントは肥料などの原料に、

・・・・という風におよそ80%が再利用されています。

 

 

【その汚泥から放射性物質が検出されたのは?】

 

汚泥から放射性物質の検出が明らかになったのは、先月(5月)1日。


福島県郡山市の下水処理施設で、

汚泥を焼き固めた「溶融スラグ」から、

33万4000ベクレルという高濃度の放射性セシウムが検出。

 

 

・・・いったいどこから?


→施設に流れ込んだ下水が処理の過程で濃縮され高い値を示したとみられます。

 

下水の汚泥から放射性物質が検出されるという、想定されていない事態に戸惑いが広がりました。


汚泥からの放射性物質の検出は、その後も千葉、茨城など関東を中心に相次ぎます。

 

その結果、汚泥のセメントなどへの再利用が難しくなり、施設にたまり続けました。大変です。

 

そこで政府の原子力災害対策本部は、先月12日、方針を示しました。

 

 

「放射性物質の濃度が1キログラムあたり10万ベクレルを超えるものは、焼却処理などをした上で容器に保管すべきなどとする」

 

 

ちなみに10万ベクレルという値がどれくらいかというと、

原発から出る放射性廃棄物であれば、地下に作ったコンクリートの施設に処分しなければならないレベルです。

また、10万ベクレル以下の場合は、当面、地下水などの監視を行えば下水処理施設や埋め立て型の処分場で保管しても差し支えないとしています。
しかし、保管した汚泥などの最終的な処分方法については引き続き検討するとして、明確な方針は示されていません。

しかもこの方針、示されたのは福島県に対してのみでした・・・

 

ほかの都道府県には?? 

→「それぞれの下水道管理者の判断で必要に応じて参照して差し支えない」とされ、いまだに方針は示されていません。


。。。

 

こうした対応に関係自治体や、汚泥を受け入れる業者などは、基準が明確ではないとして、結果的に汚泥を施設から搬出できない状態が続いています。

日本下水道協会や東京都などは、今月政府に対して要望書を提出し、早急に汚泥処分の明確な基準を示すよう求めていました。

 

ここまでが、これまでのあらすじです。

では今はどうなっているのか?

 

NHKでは全国の県庁所在地や都道府県などに調査しました。

その結果、少なくとも22の都道府県で汚泥などの検査を行い、このうち北海道から大阪までの16の都道府県で実際に放射性物質を検出していたことがわかりました。

※検出されたのは、北海道、青森、山形、福島、栃木、群馬、茨城、千葉、埼玉、東京、神奈川、山梨、新潟、長野、静岡、大阪です。

 

この中で、

1キログラムあたりの放射性セシウムの濃度が最も高かったのは、

■福島市の44万7000ベクレル、

■東京都の5万5000ベクレル

■前橋市の4万2800ベクレル

■宇都宮市の2万6000ベクレルでした。

また東京の下水処理施設では3月に行った簡易検査で17万ベクレルを検出していました。

 

各自治体では対応に苦慮しています。

 

前橋市の下水処理施設では・・・

汚泥の焼却灰の保管倉庫など2か所で放射線量が国の基準を超えたため市は、

周辺を「放射線管理区域」に指定。

作業をする際はマスクの着用などを義務づけています。

 

 

また、これまでセメントの原料として汚泥を利用してきた業者が引き取りを拒んで、保管場所に困る自治体も出ています。

さいたま市:今月2日以降、業者が引き取りを拒否しているため1日50トンの汚泥がたまり続けています

 

長野市:焼却灰を保管する建物にあと10日分ほどの余裕しかなくなっているということです。

 

各地の自治体では国に対し、汚泥などの処分法について、早急に指針を示すよう求めています。

 

投稿者:かぶん |  投稿時間:23:33  | カテゴリ:ニュース解説
コメント(11) | トラックバック (0)

twitterにURLを送る facebookにURLを送る ソーシャルブックマークについて
※NHKサイトを離れます。


トラックバック

■この記事へのトラックバック一覧

※トラックバックはありません

コメント(11)

解説は大変ありがたいのだが、
昨夜のニュースでもそうだが、
なぜ東京までしか具体的数値を出さないのだろう。
大阪まで出ているのならば、
そしてそれらを取材してNHKがその数値を知っているならば
なぜ公開しないのだろう。
情報開示、NHKも政府も同じような事をやっている。
数値の大小にかかわらず、我々の受信料で
仕事をしている以上、
今すぐ公表を要求する。

投稿日時:2011年06月15日 13:08 | 匿名

放射能汚染汚泥の焼却に伴って、大気中に法線物質が拡散する心配はないのですか?
焼却場周辺の環境モニタリングは適切に実施されるのでしょうか?
焼却場従事者の放射線防御対策は適切に行われているのでしょうか?

また、環境モニタリングや放射線防御対策において地域差はどうですか?

投稿日時:2011年06月15日 13:35 | 野村

茨城県(ひたちなか市)の放射性物質定時降下物(文部省調べ)

6月13日
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/15/1306991_061510.pdf

6月12日
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/06/15/1306991_061410.pdf

どこかで、汚染汚泥を燃やしてるのでは?

投稿日時:2011年06月15日 18:51 | ttt

下水汚泥問題はかなり以前に明らかにになった後、ほとんどニュースとして扱われませんでした。これからも継続的にフォローをお願いします。
また、既にセメントして出荷されてしまった分の追跡調査の結果についても追及をよろしくお願いいたします。

投稿日時:2011年06月15日 23:01 | hiro

データの数値の意味するところがわからなかったのですが、よくわかりました。
ありがとうございます。

できれば、私も大阪のデータが知りたいですね。
たぶん、小さいと思いますが・・・。

投稿日時:2011年06月16日 04:50 | gonnbe

放射能汚泥問題を取り上げていただき、ありがとうございます。私は、神奈川県に住んでいます。放射線物質を検出した16都道の数値全てを知りたいです。宜しくお願いします。

投稿日時:2011年06月16日 12:48 | 村岡

大変わかり易い解説、おおきに!
青山椒くらいのピリ辛さも混じり、小気味よく感じました。

 1. TEPCO本社に地下施設をつくらせるとか、
 2. 官邸の核閉じ込め室を使えとか、
 3. 原子力村民や受益者にお引き取りいただくとか、
 4. 太陽にぶち込むとか・・・
 
 担当さんの思いつきが散りばめられてますと尚よろしかったかもw

(1)さんの情報開示や,(2)さんの各疑問(要望)にも同意です。

投稿日時:2011年06月16日 13:31 | kumanoyuya

放射性物質の全国に拡散しつつあります。
野菜であれ、牛乳であれ、汚泥であれ、濃度にかかわらず放射性物質を含むものをこれ以上拡散させてはなりません。
放射線は目に見えませんが、確実に有害物質です。
そして半減期は気が遠くなるほど長いのです。
体内に入れば遺伝子を傷つけ続けます。
放射線の存在に慣れてしまい、怖さを忘れてしまっては危険です。
これからもこのような放射性物質の拡散状況を追及して取材してください。
よろしくお願いいたします。
私たち国民もこれらの情報から目を離さないようにしましょう!

投稿日時:2011年06月16日 21:16 | 都内在住

焼却灰から放射能検出ということは、焼却する際に放射能が放出された可能性はお考えではありませんか?

またたった今、ニュースウォッチ9で煮魚にすれば放射能が50%減らせると言っていますが、煮汁は捨てなければいけないと何故言わないのですか?これじゃまるで煮込めば放射能が消えるような誤解を与えます。安全デマの元になりますよ。

見解をお聞かせください。

投稿日時:2011年06月16日 21:48 | いけ

NHK殿のニュースで発表している放射能の情報!全く意味が有りません。何故ならば測定条件が一切明らかにされていないからです。測定地上高・測定方向・測定機器&測定誤差等の情報が一切無い。円周率が3と教えられた世代がやっている事としか思えません!カラスが飛んでいる所の放射線レベルを発表されても困ります!目茶苦茶な受信料を徴収しているNHK殿にはもう少(多)し御考慮願います。測定値とはどの様な条件下・そして貴方方の様な報道機関にはそれがどの様な意味を持つのかを解説するのが最低限の使命では無いですか?アホな国の使う『直ちに健康に影響を及ぼすレベルでは無い!』と言う様な好い加減ではない返答を、NHK殿のそれなりの御仁からの返答をお待ちしています。

投稿日時:2011年08月19日 19:37 | 森田由紀夫

私は新潟県内に住んでおります。報道の如く県内の下水汚泥処理施設の焼却灰から放射性物質が検質されております。建築関係の仕事を
しておりますが、なぜ下水の焼却灰から検出?と言うのは、等地域では下水は一般家庭の汚水・生活排水しか流入されておりません。都市部のように雨水(雨水)が下水に入ることは考えにくいと思っております。下水の水=水道水しか流れていないはずです。雨水が流入してもごく僅かではないかと思っております。その汚泥から出るということは・・・発表されてないが、上水道(水道水)に放射能が入っているとしか考えられないと思いますが・・・如何でしょうか?
 何方か適切な説明を待っております。

投稿日時:2011年09月29日 18:37 | 田舎の父ちゃん

コメントの投稿

ページの一番上へ▲