【詳細解説】原発事故の損害はどこまで賠償されるのか?

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、賠償を認める対象や範囲を示す中間指針がまとまりました。これまでの指針に加えて、新たに福島県以外の観光業の風評被害や、外国政府に輸入を拒否されたことによる損害などが盛り込まれています。まず指針の内容について、詳しく解説します。
【何が賠償されるのか?】
国の原子力損害賠償紛争審査会がまとめた中間指針で示した主な賠償の対象は次の通りです。
【①避難】
まず、避難に関する賠償です。
対象になるのは、
■政府の指示や自治体の要請によって避難を余儀なくされた人の交通費や宿泊費、家財道具の移動費。
■営業や就労ができなくなった場合の損害も対象。
■避難した人の精神的な損害。
金額は、
▼最初の半年間は1人あたり月額10万円、
▼より過酷と認められる体育館などに避難した人は月額12万円。
▼事故発生から6か月を過ぎたあとの半年間は月額5万円。
▼屋内退避を指示された人は、指示が出た期間全体で1人あたり10万円。
★自主的な判断で避難した人は指針には盛り込まれず、改めて議論することになりました。
【②政府指示などの出荷制限】
政府の出荷制限などに伴う損害です。
対象になるのは、
■農林水産業では政府による出荷制限に加え、自治体や生産者団体が自粛を求めた場合の損害も対象です。
具体的には減収分や廃棄費用、それに事業の再開のために生じた追加的な費用も賠償の対象です。
【③風評被害(農林水産)】
中間指針では、買い控えや取り引き停止によって損害を受けた風評被害についても一定の範囲で認めました。
■食用の農産物では福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉の6県を対象
■お茶についてはこれらの地域に加えて静岡と神奈川のあわせて8県で認めます。
■食用の畜産物は福島、茨城、栃木の3県。
■水産物については食用とえさに使われるものが対象で福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県。
■花は福島、茨城、栃木の3県
■木材は福島のみです。
■放射性物質を含む稲わらが畜産農家に流通していた北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、新潟、岐阜、静岡、三重、島根の17の道県が対象です。これらの地域の肉牛農家などが買い控えなどによって受けた損害などが認められることになります。
【④風評被害(観光)】
観光業の風評被害です。
■国内の観光客については福島、茨城、栃木、群馬の4県に拠点をもつ業者が対象です。原発事故のあとのキャンセルなどを損害として認めています。
■外国人観光客の減少については全国すべての地域が対象で、ことし5月までの通常の解約率を上回った分の損害が認められます。
観光業についてはホテルや旅館だけでなく、レジャー施設やバスやタクシーなどの交通業も対象に入っています。
【⑤風評被害(製造など)】
製造業とサービス業などの風評被害です。
■消費者の買い控えなどについて福島県に拠点をもつ業者が対象です。
■外国人が来日しないことによって生じたコンサートなどの損害は全国で認められるとしています。
【⑥風評被害(輸出)】
輸出に関わる風評被害です。
■原発事故のあと外国政府に輸入を拒否されたり、規制されたりした時点ですでに輸出や製造されていたものが対象です。
廃棄費用や減収分などが賠償されます。
また検査費用や証明書などの費用も賠償の対象になっています。
【⑦その他の損害】
中間指針では
■事故の復旧作業に従事した人や住民などの被ばくによる健康被害の治療費や精神的な損害
■自治体が行っている水道事業や病院事業などの損害
■取引先や材料の調達先が避難などのために事業ができず、代わりの取引先を見つけることができなかったなどのいわゆる「間接被害」
も、対象となりました。
【⑧追加指針も】
上記の中間指針で対象とされなかったものがそのまま賠償の対象にならないわけではありません。
審査会は個別具体的な事情に応じて損害と認められることがあり得るとして必要に応じて追加的に指針を作ることも検討しています。
投稿者:かぶん | 投稿時間:20:56
| カテゴリ:ニュース解説
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コメント(13)
避難区域内に定年後の居住を目的に土地を保有しているのですが、このような人達に対する補償等の話は一切出てきていないようです。精神的な苦痛はもちろん、今後の生活設計にもかかわる問題なのです。居住者以外であってもこのような人達に対して(居住を断念せざるを得ない)、何らかの補償、震災前の取引価格での買取等の対応を是非お願いします。
投稿日時:2011年08月07日 20:09 | ヤマザキマザキ
現在示されている指針は一次被害だが一次被害から発生する二次被害についてはどうなるのか。
又三次被害は?
当然二次被害までは認めるべきである。
三次四次とどのようにするのか示すべきである。
津波は過去の亊歴から想定されたものであり、津波対策を人為的に軽視したり、誘導した責任者、学者など社会的責任が一切取らされていない、こんな不合理な無責任なことが許されていいのか放射能汚染区域」は100年は住めない。
まずは責任の所在を明確にしなければ東電、国の補償負担割合が決まらない。
日本人特有の「まあ、まあ」などで済ませてはならない。
日本人の精神の荒廃がすすむことになる。
投稿日時:2011年08月12日 19:21 | 平井俊則
福島県いわき市・浜通りに住んでいます。
ガイガーカウンターで家の周りを測ったところ、家の敷地内南側(原発方向)の大木で2マイクロシーベルトでした。計測器2台、違うメーカーで測って大体同じでした。家の中は0.2~0.4マイクロシーベルトありました。
しかも、震災後5月に生まれた娘が寝ている部屋も同程度(0.3マイクロシーベルト)あります。
いわき市では、個人でかけあっても除染は一切受け付けないそうです。団体で行動して、申し入れすれば通るかも?という話を聞きましたが、それも結局いつになるかわかりません。
子供や乳幼児の健康被害に目をつむり、問題を放置し除染のアクションすら起こさない、この「いわき市の現状」を皆さんどう感じますか?
国際基準・日本の法律で決められた年間1ミリシーベルトを超えるのに、平然と暮らしている、暮らせと言っている「いわき市」に対し怒りを超え既にあきらめの気持ちになっています。
働かなくても十分お金があるなら自主避難したい、って人が本当にたくさん(知り合いのPTA会長さんから聞きました)いらっしゃいます。でも仕事もお金の工面もできない、避難したくてもできない…。
「自主避難するなら勝手にどうぞ」、「金持ちのみ被ばくせずに生活してください。」そのように国・自治体は言ってると思いませんか?
娘はもう~2ミリシーベルト被ばくしていると(たぶん)思います。
今すぐに自主避難に対する手厚い保護をお願いします。
今すぐに国&東電は事故前の環境に戻してください。
出来ないなら、もう福島は「がんばれません」。
投稿日時:2011年08月12日 22:16 | いわき市から出たくても出れない…。
上のひとへ
2ミリシーベルトという数値の意味をもう1度調べてみてください。
確かに被爆ですが、それによる健康被害はありますでしょうか?
われわれ人間は、有害なものに囲まれています。
たとえば太陽による日射など。
日に焼けても回復しますよね。
やけどは程度が進みすぎると、ケロイドが残る場合もあるよね。
2ミリシーベルト程度は、細胞レベルでなにかあったとしても
回復する数値です。
心配ないですよ。健康被害もおきませんよ。
投稿日時:2011年08月16日 05:51 | pippi
精神的損害(補償)の月10万円の算定基準が自賠責と言われているが、それが納得いかない。私たちは交通事故にあったわけではない。
また、6か月間10万円で、その後6か月は5万円とのことだが、半年もすれば避難生活にも慣れてきて、一年たてばすっかりなじんで精神的損害はないだろうということか?だとしたらもってのほかだ。元の生活に戻るまでは、苦痛は続くし、たとえ避難解除になってもあの土地が完全に除染され、あらゆる部分の放射線値がもとに戻らなければ、帰ったとしても、精神的にも肉体的にも苦痛は続く。
避難者のが声が反映されている指針とは到底思えない。
投稿日時:2011年08月16日 07:04 | 古川好子
「かぶん」殿は、科学による説明を存在意義とされているならば、今後起こりうる放射能汚染障害による被害をどう考えていくべきかも客観性をもって明るみになるよう追求していただきたいと思います。
投稿日時:2011年11月04日 12:54 | KENBO
この国は嘘の固まり。役人や政治家、東電関係者の何れも信ずるに値しない。無策の子供学級会を演じている様だ。主役も
いなく、何処へ行くのか彷徨う島国。誇りも信頼も失わせた政治家と官僚達。お前達がこの国を駄目にしたのだ。
投稿日時:2011年11月16日 17:22 | h−吉田
テレビで原発補償の東京電力の対応ぶり、回答ぶりを見ていると居直り強盗に見えるのは私だけだろうか。
また、マスコミもそういう態度に何の批判もない。
逆にお願いします調で言っている、これだけで勘弁してくださいと東電が頭をひれ伏してお願いすべき事柄である。
補償基準などを持ち出して基準に基づいて補償すると堂々とした態度でいうが、そもそも加害者は誰か。 補償基準は国民から不特定に選定された者で構成すべきで何らかの意図を持った人達で構成されている、これでは公平な基準はできない、裁判員裁判で選ばれるようなやり方があって然るべきと思う。
投稿日時:2011年11月18日 20:51 | 平井俊則
立ち入り制限区域や来客数大幅減のゴルフ場自体は損害賠償の対象でしょうが、価値が暴落したと思われる会員権は補償対象外でしょう。
それでもゴルフ場から年会費は満額請求されます。
不動産などの資産価値下落分も補償となると、政府負担つまり税金が増えるだけ。
それも困ります。
投稿日時:2011年12月23日 15:43 | S.E
住民がいなくなったために商売できなくなった大小商店、学習塾、カルチャースクールに対しての保障はどうなるのでしょうか?
投稿日時:2011年12月27日 16:12 | 匿名
私は避難区域内ではないですが、茨城に近い湖北に、今年秋に亡くなった父が将来居住を目的に土地を保有していたのですが、亡くなった直後の秋に査定された土地価格より、現在では放射能汚染が原因でひと桁下落してしまいました。
このような人達に対する補償等の話は一切出てきていないようです。精神的な苦痛はもちろん、残された家族の今後の生活設計にもかかわる問題なのです。母は高齢で身体障害者、私も精神障害者で働くことができません。
居住者以外であってもこのような人達に対して(居住を断念せざるを得ない)、何らかの補償、震災前の取引価格での買取等の対応の放送やここでの掲載をお願い致します。
投稿日時:2011年12月31日 06:46 | 匿名
定年後に地元に戻り第二の人生を歩みたい人の求めた土地の補償のことのお話しがありましたが、私の場合は住むというより、故郷の地に憩いの場を得たいとの思いから、父のくれた平地山林3600平方メートルを重機を入れ、整地しました。経費はかかりましたが老後の夢作りには期待した土地に仕上がりました。ところが原発事故。警戒区域の南相馬の小高区のため今は立ち入ることもできません。自宅にあった数々の植栽もどうなったかも心配です。いつになったら夢に描いた土地とのかかわりができるのかも見通しが立ちません。せめてかかった費用と期待を砕いたことへの補償は請求できないものかと考えています。
投稿日時:2012年01月12日 09:35 | 西山 茂広
高濃度汚染地区の場合、政府に土地を買い上げるよう求める必要があるのでは無いでしょうか?自分で相馬市に相談すべきでは無いでしょうか?
投稿日時:2012年01月12日 10:57 | 宮下米市






