2016年05月12日 (木)

「演劇界の革命児」蜷川幸雄さん その足跡は

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蜷川幸雄さんは現代劇から古典まで幅広い舞台の演出を手がけ、原作に対する独自の解釈や斬新な演出で「演劇界の革命児」と呼ばれました。

デビューの衝撃

蜷川幸雄さんは当初は画家を志していましたが、大学受験に失敗したことをきっかけに劇団に入って俳優として活動を始め、その後、演出家に転身します。大学紛争のさなかの昭和44年のデビュー作「真情あふるる軽薄さ」では、機動隊員に扮した俳優を舞台に大勢登場させるという斬新な演出で体制を批判し、演劇界に大きな衝撃を与えます。

海外の古典から歌舞伎まで幅広いジャンル

小劇場で注目を集めた蜷川さんは、昭和49年に帝国劇場で「ロミオとジュリエット」の演出を手がけ、商業演劇に活動の場を移します。そのジャンルは幅広く、シェークスピアをはじめとした海外の古典から寺山修司さんや井上ひさしさんなどの現代劇、さらに歌舞伎にまでおよびます。

マクベスを安土・桃山に置き換える

蜷川さんの舞台の特徴は、原作に対する独自の解釈とざん新な演出にあります。昭和55年に初めて上演された「NINAGAWAマクベス」は、シェークスピアの戯曲「マクベス」の物語を登場人物の名前をそのままに舞台を日本の安土・桃山時代に置き換えたもので、桜吹雪が舞い散る演出は国内外で高く評価されました。

「NINAGAWA十二夜」海外からの高評価

さらに、尾上菊之助さんに頼まれて歌舞伎の演出を初めて手がけた「NINAGAWA十二夜」は、シェークスピアの「十二夜」が原作です。美しい色彩でシェークスピアの古典と歌舞伎を融合させた手腕は高い評価を受け、東京・歌舞伎座やイギリス・ロンドンで高い評価を受け、各地で再演を重ねました。

厳しい稽古で若手育て上げる

蜷川さんは、厳しい稽古で若い俳優たちを実力派に育て上げる手腕でも知られました。藤原竜也さんや小栗旬さんなど、テレビや舞台などで注目を集める多くの俳優が蜷川さんの下で育っています。

精力的な活動

最近では、55歳以上の中高年だけの劇団を創設するなど多彩な人材を育成して演劇文化の発展に力を尽くしたほか、東京・渋谷の「シアターコクーン」や埼玉県の「彩の国芸術劇場」の芸術監督を務めるなど精力的に活動していました。

体調との戦い

その一方でさまざまな病気と闘い続けていて、平成21年に脳梗塞を患ったほか、糖尿病や重い肺気腫の治療も続けていました。ことし1月には、病気療養のためさいたま市で上演する予定だった舞台を延期することになり、「悔しい気持ちでいっぱいです。早く回復して劇場に戻ります」というコメントを発表していました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:20:21  | カテゴリ:文化のニュース
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