2016年06月09日 (木)

「最小の人類」70万年前に出現か 日本など調査チーム分析

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今から10万年前、インドネシアの離島に身長が1メートルほどしかない「フローレス原人」という人類の仲間が住んでいました。「最小の人類」と呼ばれ、いつ、どのように小型化したかは謎とされていましたが、日本などの調査チームが発掘した化石の分析から、70万年前には出現していた可能性が高いことが分かり、島という特殊な環境での人類の進化をひもとく成果として注目されます。

「フローレス原人」は現在のインドネシアのフローレス島で、10年余り前に見つかった新種の原人で、身長は1メートルほどと人類の中で極端に小さく、いつ、どのように小型化したかは分かっていません。
これについて、日本の国立科学博物館はオーストラリアとインドネシアの研究機関と共同で、おととし発掘した下あごの骨と歯の化石の分析を続けてきました。
その結果、これまで見つかっているフローレス原人の骨は古くても10万年前のものだったのに対して、今回の化石は70万年前のものと判明し、これまで考えられていたより、はるかに前から小型化が進んでいたことが分かりました。
フローレス島の西にあるジャワ島では、およそ100万年前、今の人類と大きさがほぼ同じ「ジャワ原人」が住んでいましたが、今回の化石はジャワ原人にも似ていることから、研究チームはジャワ原人が島に移り住み、30万年の間に身長が3分の2に、脳はおよそ半分になった可能性があるとしています。
国立科学博物館の海部陽介人類史研究グループ長は「島という特殊な環境に適応し、脳も含めて小型化するという進化が予想よりもはるか昔から起きていたことは驚きだ」と話しています。

フローレス原人を巡る謎

「フローレス原人」は10年余り前に発見され、「人類の進化を研究するうえで最大級の発見」と言われました。

まず、研究者が驚いたのが、フローレス原人の頭が極端に小さいことです。現代の人類と比較すると、脳の大きさは3分の1程度で、フローレス原人よりも前に出現した「ジャワ原人」でも倍の大きさの脳を持っていて、時代を追って脳が大きくなると考えられてきた進化の逆をいっていたのです。

大陸から離れた島で見つかったことも驚きでした。それまで原人の化石は大陸か、過去に大陸と地続きだった場所で見つかっていて、古い人類は海を渡れなかったと考えられていました。しかし、フローレス島は、少なくとも100万年以上前から大陸とつながったことがなく、海を渡れなかったという通説を覆しました。

最大の謎は、フローレス原人は、なぜ小さくなったのかという点です。動物の進化を巡っては、孤立した島という特殊な環境では、ゾウなどの大型の動物は小型化し、ネズミのような小型の動物は逆に大型化することが知られています。これは「島嶼化(とうしょか)」と呼ばれています。実際、フローレス島でも、現在のウシほどの小さなゾウの仲間が生息していた一方、全長75センチもあるネズミや、体長が2メートル近い肉食の鳥などもいました。フローレス原人も特殊な環境で、独自の進化をしたと考えられていますが、小さくなった脳で、どの程度の知的な能力があったのかなど詳しいことは分かっていません。

フローレス原人は発掘された骨の分析からおよそ1万8000年前と原人としては、最も新しい時代まで生き延びたとされていますが、その後、こつ然と姿を消してしまいます。「最小の人類」は、どのようにして現れ、どのようにして消えたのか、多くの謎が残されています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:19:31  | カテゴリ:文化のニュース
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