2016年07月25日 (月)

長崎教会群を世界遺産に推薦へ

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文化庁の審議会は再来年の世界文化遺産への登録を目指して、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を推薦することを決めました。

文化庁の審議会、世界文化遺産特別委員会は再来年(平成30年)に、日本からの世界文化遺産の登録を目指して、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」、「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」、「北海道・北東北の縄文遺跡群」、「百舌鳥・古市古墳群」の4件の候補について審議しました。
その結果、国宝の大浦天主堂など、長崎県と熊本県の12の構成資産から成る「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を推薦することを決めました。
これについて文化庁は、2世紀にわたる禁教や潜伏したキリシタンの文化的伝統は、世界遺産に必要な普遍的価値があることなどを理由に挙げています。
今後、政府はことし9月中に暫定版の推薦書をユネスコ世界遺産センターに提出し、再来年の世界遺産委員会で審査を受けることになります。

長崎県知事「気を抜かず内容の充実を」

「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の推薦が決まったことを受けて、長崎県の中村知事は「競合するほかの候補があったので、推薦が決まってほっとした。キリスト教がひそかに守られた文化に焦点を絞って、推薦書の内容を変えたことが理解を得られた要因ではないか」と述べました。そのうえで、ことし9月中に提出する暫定版の推薦書については、「世界遺産に正式に登録されるよう、気を抜かずに内容を充実させていきたい」と述べました。

平戸市で喜びの声

「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」のうち、禁教期の独特の景観を今に残す、春日集落と安満岳、それに中江ノ島の2つの構成資産がある長崎県平戸市では、午後3時に、防災無線を使って推薦候補に決定したことを市民に知らせたあと、市役所の外壁に垂れ幕が掲げられました。
垂れ幕は幅88センチメートル、高さが10メートルあり、「祝世界遺産へ推薦決定!!」と書かれています。
市役所を訪れた20代の女性は「今聞いて驚きました。1度、世界遺産への推薦が取り消されて残念でしたが、今度こそ世界遺産に登録されて多くの観光客に来てほしい」と話していました。また、構成資産の1つ、春日集落に実家があるという60代の男性は「うれしいです。今度こそ登録されてほしい」と話していました。
平戸市の黒田成彦市長は「1度、推薦を取り下げてから、構成資産の1つだった平戸市の田平天主堂を除外するという、苦渋の決断をしたうえでの推薦決定だったので一安心しています。再来年の登録に向け、構成資産の保全や環境整備に全力を尽くしたい」と話していました。

天草市も横断幕掲げ決定祝う

構成資産の1つ「崎津集落」がある熊本県天草市の中村五木市長が記者会見し、「心からうれしく思っている。これで2年後の世界遺産登録が確実に近づいた。市民の期待に添うよう、これからもしっかり取り組みたい」と述べました。
また、崎津集落がある河浦町の住民とテレビ電話をつないで喜びを分かち合っていました。天草市役所には「天草の崎津集落を世界遺産へ!」と書かれた長さ6メートルの横断幕が掲げられ、集まった市の職員およそ50人が拍手をして今回の決定を祝いました。

大浦天主堂 訪れた人なども喜びの声

構成資産の1つ、長崎市の国宝、大浦天主堂では、訪れた観光客が推薦の決定を歓迎していました。
東京から観光で訪れた20代の女性は「すでに世界遺産に登録されている旧グラバー住宅もすぐ近くにあって、とてもきれいだったので、これを機会に長崎がもっと盛り上がってもらえたらいいですね」と話していました。
地元、長崎県南島原市から訪れた40代の男性は「昔から学校で勉強していたので長崎県民として本当にうれしいです」と喜んでいました。
また、大浦天主堂の近くにあるカステラ店の店員の女性は「今度こそは世界遺産に登録されてほしいです。長崎には世界に誇れる文化がたくさんあるので、観光客の皆さんと一緒に私たち長崎市民も盛り上げていきたいです」と話していました。
福岡県のバスガイドの女性は「九州は熊本地震の影響で観光客が減っているので、多くの人が訪れてくれると、私自身もガイドのしがいがあります」と話していました。

取り下げから再び推薦へ これまでの経緯

「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は、当初は、長崎でキリスト教が繁栄してから弾圧と潜伏を経て、明治時代に入って復活を遂げるまでの歴史を物語る14の資産から構成されていました。
そして、去年1月、ユネスコ世界遺産センターに推薦書が提出されましたが、ユネスコの諮問機関、イコモスから「キリスト教の信仰が禁じられた時期に焦点を当てるべきだ」と推薦内容を見直すよう指摘され、政府はいったん推薦を取り下げました。
その後、地元自治体は構成資産の見直しを検討した結果、南島原市の日野江城跡と平戸市の田平天主堂の2つの資産を「禁教の時期との関連を証明するのは難しい」として構成資産から外し、12の資産に絞り込んで再び推薦書を提出していました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:17:48  | カテゴリ:文化のニュース
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