2016年09月14日 (水)

News Up リアル書店で新たな出会いを

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ネット通販が本や雑誌の「定額読み放題」や、利用者の購入歴から本をお薦めするサービスなどで利用を広げようとしているのに対し、従来からの町の書店では、これまでにない「本との出会い」を提供する動きが相次いでいます。この秋、あなたはどんな本と出会いたいですか?

「本を読まない」読書会とは

参加者が特定のテーマの本を読んで感想を話し合ったりする「読書会」は、以前から各地で開かれていますが、東京・新宿区の書店で今月11日に開かれたのは、「読書しない読書会」です。参加者はまず、くじ引きで指定されたジャンルの棚から自由に本を選んで持ち寄ります。そして、自分がなぜその本を選んだのか、タイトルがよいと思ったのかカバーデザインが好きだったからか、あるいはキャッチコピーが響いたのか、などの理由に思いを巡らせ、参加者どうしでそれを披露し、話し合うという趣向です。
主催する「アクティベートファクトリー」の三田剛広さんは、「自分が本を選ぶうえでどんなことを重視しているかを改めて見つめ直すことで、本とのつきあい方を深めることにつなげてもらいたい」と話しています。

本を読まないという点では、東京・港区の「双子のライオン堂」が開いている「書き出し読書会」も話題になっています。参加者は本の書き出しの1ページ程度を読み、主催者に背景などを解説をしてもらったうえで、世界観やストーリーなどについて自由に想像をふくらませて話します。取り上げる本はドストエフスキーの「罪と罰」や宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」、漱石の「吾輩は猫である」、ジョージ・オーウェルの「一九八四年」などの古典です。
書店では、「書き出しにはすべてが宿ると言われているので、この機会に名著に触れて本の世界に迷い込み、続きを読もうと思ってもらいたい」と話しています。

内容がまったく分からない“文庫X”

盛岡市内にある「さわや書店フェザン店」は、ことし7月、本のタイトルや著者名、出版社などを包装紙で覆ってわからなくしたうえで、「文庫X」として販売しました。包装紙には、「この本をどう勧めたらいいか分かりません」という店員の思いしか書かれておらず、価格は810円と文庫本として安くはないのに購入する人が相次ぎ、1か月余りで1000冊を超えるヒットになりました。インターネットでも話題となり、本を匿名で売る「文庫X」の取り組みは、全国の25都道府県、およそ90の書店に広がっています(9月14日時点)。
考案した店員の長江貴士さんは、「中身は自分が読んですごいと思った本です。通常のPRより、あえていっさいの情報を隠したほうが、多くの人に手に取ってもらえるのではと思いましたが、こんなに話題になるとは」と話しています。

1タイトルしか売らない

店舗自体を、新たな世界との出会いの場にした書店もあります。東京・銀座の「森岡書店」は、毎週、決まった1つのタイトルの本しか置きません。5坪ほどの店内の中央にその本を置いて、関連したテーマのアート作品などを周りに展示しています。例えば花の写真集では店内いっぱいに花を飾ったり、小説では世界観を表す彫刻作品などを配置したりと、本によって書店が全く違った空間に変わります。最近は中国など海外から訪れる人もいるということで、代表の森岡督行さんは、「本を通じてさまざまな人が出会う、一種のお祭りのような場にしていきたい」と話しています。書店業界を調査している「アルメディア」によりますと、全国の書店数はことし5月の時点で1万3041店と、5年前に比べておよそ13%減っています。ネット書店と異なる「リアル書店」の魅力の1つは、新たなジャンルとの出会いといわれていますが、この秋は、各地のユニークな取り組みを通して、読書体験を深めてみてはいかがでしょう。

投稿者:かぶん |  投稿時間:18:53  | カテゴリ:文化のニュース
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