2016年09月29日 (木)

News Up 「君の名は。」ヒットで難しい対応も

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公開から28日間で興行収入100億円を超えたアニメーション映画、「君の名は。」。配給会社では「予想外」の大ヒットの要因の1つに、ツイッターなどソーシャルメディアによる評判の拡散があったと見ています。一方、ソーシャルでの情報拡散には危うさもあり、配給会社は現在、別の対応に追われています。

なぜここまでヒット?

新海誠監督の最新作「君の名は。」は、地方の町に住む女子高校生と、東京に住む男子高校生の心と体が入れ代わってしまったことから始まる物語です。ストーリーの意外性や、アニメーションの高い技術力などが評価されているものの、配給会社の東宝では、「監督の前作の興行収入は1億5000万円ほどで、今回、公開規模をかなり大きくしたものの、ここまでのヒットになるとは考えていませんでした」と話しています。

ソーシャルメディアで評判が拡散

ヒットの要因の一つとして映画会社が挙げているのが、ソーシャルメディアによる評判の拡散です。

ツイッターの全量を分析できるサービスを使って、映画のタイトルを含むツイートが何件投稿されたかを、ことしヒットした「シン・ゴジラ」や「ズートピア」、「信長協奏曲」と、比較しました。
それぞれ公開初日について調べると、「君の名は。」は35万7400件余りで、「シン・ゴジラ」の16万8700件余り、「ズートピア」の4万6700件余り、「信長協奏曲」の4万2600件余りをいずれも大きく上回り、ソーシャルメディアでの関心がかなり高いことがうかがえます。

さらにツイートの内容を期間ごとに分析すると、公開初日に「君の名は。」について語っているツイートの特徴は、「新海誠」といった「監督の名前」が、ほかの作品に比べて多いことでした。
そして公開から3週間後のツイートを見ると、急速に増えたのが「泣ける」というワードです。公開初日は全体の52位だったものが、7位に上がっていました。ソーシャルでの関心は、当初は、熱心なファンが多い新海誠監督に集まっていましたが、映画を見た人たちの口コミによって、次第に「泣ける」「感動した」などと作品自体の評価に移っていったことがうかがえます。

アニメーション評論家の藤津亮太さんは、「ストーリー上のトリックは明かせないけれど、感動したのでとにかく『映画を見て』とツイートする。当初の観客に10代が多かったとみられ、もともとソーシャルに親和性の高い世代による拡散が、世代を超えた動員につながったのでは」と話しています。

違法動画対策に追われる

一方で、制作者にとって困った事態も起きています。違法にネットにアップロードされた映画本編の動画を、ソーシャルメディアで拡散する人が相次いでいるのです。
通常、公開のツイートで違法動画の情報を投稿するケースは少ないと言われていますが、「著作権に関する知識をほとんど持たない人たちが拡散しているのではないか」(配給会社)と見られています。

そのため映画の製作委員会では宣伝用のツイッターとは別に、今月26日、違法動画対策のアカウントを設けて、違法動画を拡散している利用者に、個別にツイートの削除を求めるという異例の対応を始めています。
配給会社の東宝では、「もともと映画自体がソーシャルと親和性が高いという認識もあり、今回初めて、ソーシャルで違法動画を見ないよう呼びかける対応を取りました。著作権に対する理解を深めてもらったうえで、映画はぜひ映画館で鑑賞してほしい」と話しています。

ソーシャルメディアによる拡散が爆発的なヒットにつながる時代ですが、若い世代を中心とした「口コミ」には、新たな対応も必要になっています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:20:50  | カテゴリ:文化のニュース
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