2016年10月13日 (木)

N響 情熱の首席指揮者に聞く

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世界的に注目されるクラシック音楽の指揮者、パーヴォ・ヤルヴィさん。NHK交響楽団の首席指揮者に就任して1年がたちましたが、先週、契約を更新しました。当初は3年間という契約でしたが、さらに3年間、N響と仕事をすることになり、今後の目標などについて、芳川アナウンサーが話を伺いました。

N響の首席指揮者

パーヴォ・ヤルヴィさん(53歳)は、旧ソビエトのエストニア出身。10代でアメリカに渡って指揮を学んだあと、ウィーン・フィルやベルリン・フィルなどで指揮。世界で最も権威のある音楽賞の1つ、グラミー賞も受賞しています。去年9月、NHK交響楽団の首席指揮者に就任しました。

(芳川)
契約を更新した理由は?

(パーヴォ・ヤルヴィさん)
「理由は簡単です。NHK交響楽団の皆さんとの音楽作りが、とても楽しいんです。契約更新の話を聞いて、とても名誉なことだと思いました」

オーケストラと指揮者の互いの理解が大切

パーヴォさんが、この1年の間に日本で行ったコンサートは、31回。古典派から現代音楽まで、17人もの作曲家の曲を取り上げてきました。
オーケストラと指揮者、お互いの理解が大切だったというパーヴォさん。リハーサルでは、その曲の理解に合わせて、オーケストラのメンバーに提案していきます。

「楽譜の中にこめられた音楽、その見方を、みんなと共有したいんです。ああしろこうしろ、これはだめだ、とは言いません。音楽には、さまざまな可能性があります。音楽家たちがみずから貢献しようとしたときに、最高の音楽が生まれるんです」(パーヴォ・ヤルヴィさん)

パーヴォさんと年が同じだという、N響・第1コンサートマスターの篠崎史紀さんは、「彼は指揮者として、オーケストラとの共演者という形を取ってくる。だから、彼と一緒に何かをやっているという感覚が強くて、非常に楽しい。コンサートの後、よく一緒に食事に行ったりもするが、いろいろなものにトライしていく気持ちで、新しいこの考え方どう?とか、こういうのいいと思わない?とか、よく話します。N響に対して、非常にフレッシュなエネルギーを与えている感じがする」と話しています。

楽譜の研究は、いつも欠かさないというパーヴォさん。
日本で見つけたリラックス法は、温泉。日本食も大好きになったそうです。

「日本食の大ファンです。日本に来ると天国のようですよ。麺類も大好きだし、たくさんの種類があるシーフードも、鉄板焼きもいいですね。何がいちばん好きかと聞かれると、難しいけど、寿司でしょうか」(パーヴォ・ヤルヴィさん)

先週行われたコンサートで披露されたのが、マーラーの「交響曲 第3
番」。120年前に書かれ、6つの楽章からなる壮大な曲です。どんなふうに聴いたらいいのか、パーヴォさんにたずねると、曲が発表されたときのタイトルが、理解の助けになると教えてくれました。
「夏がやってきて(第1楽章)草原の花が語り(第2楽章)森の動物が語り(第3楽章)そして人間が語り(第4楽章)続いて神が語る(第5楽章)そして、最後の第6楽章は『愛が語りかける』」。
第6楽章は、弦楽器のゆったりとした演奏で始まり、徐々に参加する楽器が増え、迫力が増していきます。
そのテーマは、愛です。

「いちばん重要な楽章が、この第6楽章です。信じられないくらいに豪華で、感動的です。この楽章は、これまでの音楽の積み重ねの中でも、いちばんすばらしいと思います」(パーヴォ・ヤルヴィさん)

パーヴォさんに楽譜を見せてもらうと、そこにはさまざまな書き込みがありました。
「例えばここには、エストニア語で、『落ち着いて、ゆっくりだけれども引きずらずに、自然に』と、書いてあります。自分の以前の演奏を聴き直して、落ち着きや自然な感じがあまりなかったと感じたんです。楽譜をじっくり見て、長い時間をかけて読み込んで理解しようとすることで、楽譜に近づくことができるんです」(パーヴォ・ヤルヴィさん)

N響を世界に広めたい

音楽的にもっと高いところをN響とともに目指していきたいと、パーヴォさんは言います。
「東京のオーケストラは、欧米の音楽界では、よく知られているとは言えません。私はこの状況を変えていきたいと思っています。私の夢は、音楽の愛好家たちが口をそろえて、『NHK!、知ってるよ、すばらしいオーケストラだよね』と、言うようになることです」(パーヴォ・ヤルヴィさん)

パーヴォ・ヤルヴィさんとNHK交響楽団の初めての海外公演は、来年2月末から3月にかけて予定されていて、ヨーロッパの7都市を回ることになっています。

投稿者:かぶん |  投稿時間:13:38  | カテゴリ:文化のニュース
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