2016年11月20日 (日)

内戦続くシリアの文化財被害 専門家が実態報告

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古代都市パルミラなど、内戦が続くシリアの文化財の現状を紹介するシンポジウムが東京で開かれ、現地で調査にあたっている海外の専門家が「博物館の収蔵品はすべて破壊された」などと、破壊や盗難の実態を報告しました。

世界遺産に登録されているオアシスの古代都市パルミラでは、過激派組織IS=イスラミックステートによって主要な建造物が破壊されるなど、文化財に大きな被害が出ています。

文化庁などが20日に東京で開いたシンポジウムでは、ISがことし3月に撤退したあと、調査を続けているポーランドのワルシャワ大学のグループが現状を報告しました。

グループの1人で文化財修復の専門家、バルトシュ・マルコヴスキーさんは、博物館に展示されていた彫像やレリーフも引き倒されて、ハンマーなどで削られていたと述べたうえで、「博物館に残されていた収蔵品はすべて破壊された。悲劇的な状況だが、破片をつなぎ合わせることはまだ可能だ」と指摘し、修復に向け準備を進めていることを明らかにしました。

また、東京文化財研究所の安倍雅史研究員はシリアの文化財が違法に国外に流出しているとし、「ISは住民に盗掘を許可し、重機を貸し与えるなど、資金源にするために文化財を取り引きしている」と流出の背景を説明しました。

このほか、今後の文化財の保護に向けた新たな方法について、日本やシリアの専門家が、残された画像から破壊された神殿の3D画像を作り、復元の手がかりとする試みや、地雷が埋められて近づけない遺跡をドローンで撮影してデータを残す技術などを提案していました。

パルミラでの発掘に長年携わってきた、奈良県立橿原考古学研究所の西藤清秀さんは「シリアで調査に当たった各国のデータを持ち寄り、日本の技術も生かして、文化財の復旧にどのように貢献できるか考えたい」と話していました。

投稿者:かぶん |  投稿時間:20:02  | カテゴリ:文化のニュース
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